「生活保護は恥ずかしいこと」と思わせる日本の空気

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 日本は空気の力が強い国です。理屈や論理で考えるとおかしなことも、空気の力で蔓延するケースが多々あります。

 「生活保護は恥ずかしいこと」という空気があります。
 本当は恥ずかしいことでも何でもなく、生活保護は国民の権利です。ちょっと考えれば誰でもわかるはずなのに悪いイメージを持つに至る「空気」。

 なぜ「生活保護=恥ずかしいこと」という空気が醸成されたのか議論します。

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「最終的には生活保護」への炎上・反発

 菅総理は国会で1月27日、「最終的には生活保護」と答弁しました。この答弁を巡り炎上や反発が起きています。

 「最終的には生活保護」という説明は何ら間違っていません。生活保護は最後のセーフティーネットであり社会保障です。困窮した国民が最後に頼るのが生活保護です。

 なぜ反発や炎上が起きたのでしょうか? 理由は2つ考えられます。

  1. 生活保護を受けるため、高いハードルを越えなければならない。最終的とは言っても頼りにならないという反発
  2. 生活保護なんて恥ずかしいものを受けさせる気か! という反発

 1点目の「高いハードルだから」という反発は理解できます。例えば、生活保護を受けるとき、親族に扶養照会されます。扶養照会とは3親等までに扶養できないかどうか問い合わせることです。
 扶養照会されることで親族に生活保護を受けていることがバレてしまいます。

 扶養照会があるので生活保護を拒否するという人は3割強います。こういった現実を直視し「最終的にとは言うけどハードルが高い! もっと要件を緩和しろ!」という反発が1点目です。

 なお、生活保護の補足率は2割ほどです。扶養照会が障害になり、多くに人が生活保護が受けられません。

 2点目は「生活保護=恥ずかしいこと」と考える典型例です。「生活保護なんて恥ずかしいものを受けさせる前に事態をなんとかしろ! コロナ禍をどうにかしろ!」という反発です。

 生活保護が恥ずかしいものという空気は、一体いつから醸成されたのでしょうか。

生活保護が恥ずかしい人々

 生活保護が恥ずかしいと考える人には2種類います。「生活保護は自己責任!」とバッシングしていた人たちと、そのバッシングを見て空気を感じ取った人たちです。

貧困は自己責任だと思っている人

 日本は貧困を自己責任とする空気があります。例えば、正規雇用に転換できない就職氷河期世代を無視し続けてきました。
 また、生活保護の増加に対しても、生活保護の充実より厳しい取り締まりを求めました。

「正規雇用に転換できないのは自己責任」
「生活保護に転落するのも自己責任」

 こういったバッシングを過去にした人は、自分がその場所に転落するとは思っていません。要するに高みの見物で、優越感を持って貧困に転落した人たちを叩いていました。

 その理由付けが「生活保護は恥ずかしいもの」「貧困なんて怠けている人間が転落するもの」です。

 上記の記事の調査によれば5割近い人が「生活保護はもっと制限するべきだ」と考えています。
 一方、生活保護を拡充するべきとする人はわずか15%です。

 このように日本国民は「生活保護は制限するべきだし、生活保護に落ちるなんて自己責任」と思っています。また、その空気も濃密に存在します。

 こういった空気がバッシングにつながったのでしょう。

生活保護バッシングでイメージが悪い

 「生活保護は自己責任!」とのバッシングは2012年、お笑い芸人の母親が生活保護を受給していたことに端を発します。
 毎日のようにテレビで取り上げられ、まるで罪人のように叩かれていました。

 しかし、お笑い芸人の母親は正規の手続きで生活保護を受給しており、何ら瑕疵はありませんでした。
 「稼いでいるお笑い芸人の息子がいながら、その息子に世話にならずに生活保護を受給するなんてけしからん!」が当時の空気でした。

 こういった空気に当てられて、多くの人が生活保護に対して悪いイメージを持ちました。「頼れる人がいるのに生活保護を受けちゃダメ」「生活保護を受けることは恥ずかしいこと」といったイメージが蔓延しました。

 2012年の生活保護バッシングが「生活保護=恥ずかしいこと」になる大きな転換点だったように思えます。

生活保護の自殺率

 「生活保護=恥ずかしいこと」という空気が醸成されているなら、生活保護の自殺率も高くなっているのではないか? と思い調べてみました。

 厚労省の生活保護の自殺率の資料によれば、生活保護受給者の自殺率は一般の2倍に上ります。特に30代~40代の自殺率は3~5倍に上り、20代の自殺率はさらに大きいです。

 資料の結論は「精神疾患を有する人が多いことが、自殺者数が増える大きな要因」とされています。しかし、本当にそれだけでしょうか?

 生活保護バッシングや「生活保護=恥ずかしい」という空気、イメージは生活保護受給者を苦しめる大きな要因の1つではないでしょうか。

まとめ

 憲法25条では生存権が保障されています。その生存権を保障する制度が生活保護です。生活保護は憲法で保障された権利です。
 生活保護は恥ずかしいことではありません。

 生活保護バッシングが続き空気は最悪でした。しかし、ここに来てようやく「生活保護を拡充しよう」「要件を緩和しよう」と声を上げられる空気が漂い始めました。
 数年前に声を上げても耳を傾けてもらえなかったでしょう。

 生活保護=恥ずかしいとする空気こそ、日本は本当に恥ずべきです。

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黄昏のタロ
16 日 前

お邪魔致しますです。

 視点の提供であって反論とかではないです。

 生活保護を受けるか受けないかの生活レベルでは、お金に対する苦労が絶えないです。そんな中で就労・支払い・納税を行ってます。
 「納税された中から頂く」を元にしてしまうと、その納税の苦労を頂く事になるのではって考えてしまいます。皆さんの苦労の結晶を頂いて良いのだろうかって自問自答にはまり込んでしまいます。

 恥だとか自己責任に内包されてしまうのかも知れないですけど。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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