いますぐ減税の話をしよう!

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世の中には“逆張り論”を得意げに語り、世間の注目を集めて自分をショーアップしようとする連中がいますね。(古市とか、古谷とかもそうですが…)

『立憲民主党小川議員の消費税25%発言がサラリーマン的に100%正しい理由』
(城繁幸/Joe’s Labo代表取締役)
https://agora-web.jp/archives/230112065125.html
「年末の慌ただしい時期に、朝生に出演した立憲民主党の小川議員が「消費税は最低25%は必要だ」と発言し、大きな話題となりました。(略) でも、結論から言えば、氏の「消費税は最低25%は必要」発言は100%正しいです。特に現役世代、わけてもサラリーマンはしっかりとその真意を理解する必要があるはず。(略)
まあ予想通り右からも左からも小川氏はバッシングされているわけですが、確かにこういう人達にとっては、氏の発言は面白くないんだろうなという気はします。

「今だけ金だけ自分だけ」と考えている人
社会保険料をほとんど負担していない人

たとえば自分の生きてる間だけ楽をしたいと割り切ってしまった高齢者にとっては、制度や社会の持続可能性なんてどうでもいいわけです。(略) いずれにせよ社会保障給付が190兆円を超えるとされる40年までには、社会保障制度は維持不可能になるのはほぼ確実でしょう。(略)

問題なのはサラリーマンなんですよ。

今まで何十年と給料の3割も天引きされ続けた挙句に「はい!もう社会保障おしまい!解散!これからは自分で何とかしてね」って言われて、はいそうですか、って納得するんですかね?(略)
年収の3割を掛け捨てにしても屁でもないくらいの超高給取りか、実家が並外れて太い人以外、普通のサラリーマンは野垂れ死ぬんじゃないかと思うのは筆者だけでしょうか。
そう考えると(共産党やれいわと違って)サラリーマンを最大の支持基盤とする立憲民主党所属の議員が、この「消費税最低25%必要問題」から逃げることなく火だるまになってでも突撃するのは、むしろやって当たり前のことなんですね。(略)
小川議員の発言というのは杓子定規に消費税上げろという意味ではなく、そういう中身のある議論をそろそろ本腰入れて始めませんか、というアドバルーン的な提言なんじゃないかと筆者はみています。

「このまま社会保障制度ほっといたら最低でも消費税25%はいくよ。でどうするの?」

そんな縁起の悪い話はするな!じゃなくて、とりあえずこの事実は認めましょうよ。でどうするのか話し合いましょう。(略)」

城氏の言い分はこうでしょう。
・増え続ける社会保険料を現行レベルの負担で維持するのは無理
・社会保険制度は保険料を負担していない層(高齢者ほか)に食い物にされている
・社会保険制度が崩壊して一番困るのは社保負担の重いサラリーマン層だ
・社保制度を維持するには被害者予備軍のサラリーマン層が社保料徴収強化の声を上げるべき
・消費税率25%への負担増で済むと思うなよ!25%は最低ラインやぞっ!
・国民からの反発覚悟で言いにくいことを言った立憲の小川ちゃんこそ真の国士やでっ!(心の声)

防衛費増税は国民の理解を得られた発言をした麻生や少子化対策予算に伴う消費増税発言をした甘利に続き、野党からも消費増税を促す発言が飛び出すなど、政界を覆う緊縮脳の酷さは目を覆わんばかりです。
こんなのが選良たる議員先生呼ばわりされるんですから世も末ですね。

さて、論理も論旨もポンコツな城氏の小川氏擁護コラムですが、長期不況下に起きた空前の物価高という災禍に見舞われた国民感情を逆撫でするのに十分な逆張りぶりです。

「社会保険料の最大の負担者たるサラリーマンこそ社会保険制度維持のための増税を受け容れるべし!」という彼の言い草を聞いて、いったい何人の賛同を得られるのでしょうか?

彼の暴論を聞いた大半のサラリーマンは“???”としか思えず、「えっ、ただでさえ重すぎる社保負担がさらに増え、そのうえ消費税率を2.5倍に上げるのに賛成しろってこと?アンタ、頭の中大丈夫??」という反応が返ってくるでしょうね。

我が国の社会保険料は右肩上がりで増え続け、令和2年度に132兆円に達しました。
その負担割合は概ね社会保険料6割、税金4割となっています。
要するに、社会保険制度の財源のほぼすべてを国民や事業者が負担しており、このまま野放図に負担を掛け続ければ、国民や事業者を経済的に困窮させるだけに終わるでしょう。
そして失われた30年が40年、50年に延長され、いよいよ日本も後進国の仲間入りというわけです。

高齢者の人口割合が増え続け、若年層の人口が減り続けるという我が国の人口構成上、社会保険料が右肩上がりで増加するのは当然のことで、それを否定し抑制するのは社会保険制度に対する信頼や国民の福祉レベルの劣化を招く愚論でしかありません。

かつては12人で1人の高齢者を支えた時代から、2人で1人を支える時代に変わってしまった以上、社会保険料負担を働き手におっかぶせる現行の方法を根本から改革すべきです。

立憲の小川氏や城氏は、ここで安易に国民負担に甘えようとし、「社会保険を維持するためにはお前らが頑張るしかないだろ?消費税率25%くらいで根を上げるなよ(# ゚Д゚)」とサラリーマンを恫喝して悦に入ってるようですが、消費税率を25%なんて水準に上げた日には、日本のGDPは間違いなく300兆円を割ってしまうでしょう。(半減しちゃうかも…)

「予算増→増税・負担増」と国民に奉加帳を廻せばよいという安直な発想をいますぐ捨てねばなりません。
そんなものは高度成長期だけに通用した愚策であり、低成長期や衰退期に持ち出してよい議論ではありませんよね。

30年もの間、平均年収が上がっていない、それどころかピーク時より7%も減っている衰退国家・日本に暮らす国民に、さらなる社会保険料負担や増税を求める発想は“異常”の一言です。

城氏は2040年度に社会保障予算は190兆円を超えると述べていますが、それを国民や事業所で全額負担するなんて有り得ない議論であることくらい、一般的な経済常識を備えていればすぐに理解できるはず。

我が国は30年もの間他の先進諸国から取り残され、「世界で唯一の非成長国」という経済敗戦を喫したのです。
ここから思い切りスピードを上げて、経済成長という結果を残した先進国に追いつくには、国民や事業者から、社会保険料負担や増税という“経済の足枷”を外してやらねばなりません。

ここで必要なのは、巨額な社会保障費の負担を通貨発行権を有する国家がすべて担い、国民や事業者を重い十字架から解放してやることです。

それが130兆円だろうが190兆円だろうが、国家が国債や貨幣を増発して負担すれば一瞬で解決する話であり、これは消費税の廃止やBI導入といった国内消費を活性化させる議論にもつながります。

増税緊縮脳な連中は、得てして「経済成長は民間主導でやるべき。政府はカネも口も出さずに市場開放と規制緩和すればよい」と言いますが、民間経済にカネを出さず、増税や社保負担増を押し付けておいて、いったいどうやって民間主導の成長をやれっていうつもりなんでしょうか?

いま行うべき議論は、「誰に負担させるか」ではなく、国民や事業者の負担をどれだけ軽くするか、どれだけのスピード感をもって実行するかであるべきです。
実体経済のプレーヤーは国民や事業者なんですから、そうした経済主体にいかにカネを持たせるかという有用な議論をしたいものですね。

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