宮迫博之の闇営業問題を、大衆論から考察-エンタメになった不祥事

この記事は約4分で読めます。

 どうも体調が悪く、記事がまとまりません。脳みそがダメダメになっています。

 というわけで、宮迫博之さんの闇営業と一連の流れを、大衆論的にグダグダと考察してみたいと思います。

 最初に断言しておきますと、私自身は芸能スキャンダルに興味が皆無です。SMAPの解散で、多少驚いたりした、というくらいに普段は興味がありません。

 しかし宮迫博之さんの一連の問題は、不祥事が娯楽コンテンツとして消費され、1人の人間を葬り去ろうとしているように見えます。
 どうにもスッキリしない結末になりそうなので、グダグダと考察しておこうというわけ。

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宮迫博之さんの問題の発端

 どうも報道によれば、吉本興業の芸人さん11人が、反社会勢力のところで営業してギャラを貰っていた、ということだそうです。

 宮迫博之さんにフォーカスすると、当初は「ギャラはもらっていない」といっていたそうですが、一転して「やはりもらっていた」となり揉めているそうです。
 これに対して吉本興業は「会見は時期を見て」ということで先延ばし。
 宮迫博之さんなどは、会見したいとの意向。

 こうして色々こじれて、宮迫博之さんと田村亮さんの「独自判断の会見」となったそうです。

問題の本質はどこにあったの?

 まず現在エンタメ化している「吉本興業vs芸人」と「闇営業問題」は「別々の問題」だと思われます。
 本質は「闇営業問題」だと思われます。

 ところがこれ、私はよくわからないのです。なぜ闇営業が「叩かれているのか?」が。
 むしろ批判し、糾弾しなけりゃいけないのは、反社会勢力じゃね? と思うのですね。

 極端に考えたら「暴力団員だと知っているけど、スーパーに買物に来たから売った」のも、同じ構図でしょ?
 宮迫博之さんや田村亮さんも、芸を売っただけなのでは? と、頭がはてなマークでいっぱいになるのです。

 本当に叩かれるべきは誰なのか? 反社会勢力なんじゃないの? と思います。

 一方で芸能人は、イメージを売ることも商売です。確かにダーティーなイメージは、経歴に傷をつけることになるでしょう。
 しかし報道では、反社会勢力を批判する報道が殆どないのですよね。

エンタメ化し消費し続ける大衆社会

 問題の本質が反社会勢力だとしたら、なぜ反社会勢力は叩かれないのか? 宮迫博之さんばかりに、非難が集中するのか?

 吉本興業vs芸人もそうですが、すでにエンタメ化、コンテンツ化していると解釈してよいのではないか? と思います。
 簡単にいえば、叩くことでストレス解消。うっぷんを晴らしているだけではないのか? というわけ。

 この証左は、会見前の厳しい世論、宮迫博之さんと田村亮さんの会見直後の反転、そしてその後の報道によって明らかです。
 会見直後はどうも、同情的な声が多かったようです。そしてフライデーで新たな疑惑を指摘されると、再び批判的な声が大勢を占めるようになりました。

 批判や同情が、二転三転しているのです。
 これって反社会勢力なんてどうでも良くて、ただのエンターテイメントとして見ていることの、現れではないでしょうか。

宮迫博之さんの炎上は、どこにいってどこに着地するのか?

 闇営業問題はすでに、炎上問題になっています。炎上の最終的な結末は、ネガティブなものと相場が決まっています。
 なにせ炎上は別に、義憤にかられて起こるわけではありません。

 単に「正義面をして、悪を叩けるお祭り」でしかないのです。

 反社会勢力と知って営業をしていた、宮迫博之さんが「悪くない」とはいいませんが、世間で一斉に吊し上げて、あーだこーだというのは「なにか違う」のも事実です。
 有識者や報道もしたり顔で、闇営業問題についてコメントをして、顔をしかめます。

 炎上とは「空気で、みんなが誰かを吊るし上げる」という現象でもあります。

 さて、この問題がどこに着地するのか? 宮迫博之さんの引退といった結末も考えられます。1人の芸人を、吊し上げてエンタメ化して、消費し尽くすのです。

 なんだかなぁ……と、虚無感を感じます。大衆社会とは、非常に冷酷なものです。

大衆化社会の特徴は「本質よりエンタメ」

 専門弁護士が語る闇営業問題 | 朝日新聞デジタル&w(アンド・ダブリュー)では、弁護士が闇営業問題の、問題点を指摘しています。
 どうも上記の記事によると、反社会勢力への闇営業自体は「法律違反」でもないらしいです。
 もっぱら「芸能事務所と芸能人の、契約書の有無」が記事の中心です。

 そりゃまあ、犯罪者と知っていて営業したのなら、道義的責任は存在するのでしょうが。

 さて、大衆化社会の特徴とは何でしょう? 今回の騒動に見られるように「問題の本質より、エンターテイメント」だと思います。
 面白ければいいという、冷酷な感情です。

 政治でいえば橋下徹や、足立議員のような「ショー化した政治家」を支持するようなものです。

 エンターテイメントはしばしば、問題の本質をぼやかします。むしろ「本質を解決するつもりがないので、エンターテイメントに走る」ともいえます。

 頭を使わずに、思考停止してボーッとして楽しめるのが、エンターテイメントの特徴でしょう。

 宮迫博之さんはさながら、ローマのコロッセオに放り込まれた、剣闘士というところでしょうか。
 古代ローマの詩人、ユウェナリスは「ローマ市民が、政治的盲目に置かれていること」を「パンとサーカス」と表現したそうです。
 宮迫博之さんの問題が拡大するにつれて、私の中に真っ先に浮かんできたのが上記の言葉でした。

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阿吽
4 years ago

>極端に考えたら「暴力団員だと知っているけど、スーパーに買物に来たから売った」のも、同じ構図でしょ?
>宮迫博之さんや田村亮さんも、芸を売っただけなのでは? と、頭がはてなマークでいっぱいになるのです。
>本当に叩かれるべきは誰なのか? 反社会勢力なんじゃないの? と思います。

これ(↑)は、理屈の上ではその通りだと思います。

また、一番悪いのが反社会勢力であることも十二分に同意します。

ただし、反社会勢力が悪いと言うことは、いまさら議論をする必要のないほどには、日本国民にとって周知の事実となっているということもあるかとは思います。

また宮迫さん達芸能人と言うのは・・、こういったら語弊があるかもしれないのであれですが・・、自分達を今責めている大衆を、メインターゲットとしている商売とも言えるのではないかとも、思うのです。

ですので、大衆が味方のうちは良いですが・・、敵にまわるとこういうことになる・・という感じも、いくぶんか、します・・。

また、宮迫さんに問題がないというわけでもなく、最初についた嘘が、彼の印象を悪くしたのも問題としてあるかとは思います。

そこであの会見により、世論の怒りが吉本に向き、そしてそこでの吉本社長の上手くない会見、そこからさらに普段のブラック企業振りから不満がたまっていた一部吉本芸人の反旗、さらにはフライデーによるさらなる闇営業問題の暴露と・・・、この『娯楽』はもはや収拾できるのかという段階にいたり、今は小康状態ではないでしょうか。

問題が大きくなるにつれてあっちこっちにとこの炎上の炎が『飛び火』したかたちかとは思いますが・・、炎上発生のその根本の部分を探れば、宮迫氏の最初の対応のミス、つまりは嘘があるかとは思います。

あそこさえうまくやっていれば、つまりはあの段階である程度正直に言っていれば・・、場合によってはこれほどの炎上はおこらず、もしかしましたらしばらくの謹慎で収まった話し、かも、しれません。

宮迫さんも、自身の対応のまずさもあって、炎上という名の現代社会の『悪者糾弾遊び』に飲み込まれた・・、そういうところはあるかとは思います。

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ただ・・、『大衆化社会の特徴は「本質よりエンタメ」』には本当に同意します。

大衆なんざ、いいかげんなもんだなと思います。(あっちを責めて、こっちを責めて、やっぱりこっちを責めてetcetc・・・・)

みんな娯楽に飢えてるんですね。

他人の不幸は蜜より甘いとは、昔の人も良く言ったものです。

誰か1人を悪者にしてさらしあげてみんなで攻撃して、その社会の一致団結をはかり、なおかつ楽しむ・・、まあ、いじめの構造とも似たようなものですね。

一致団結して悪者を退治する自分、なんて、そんなのはこれ以上ないほどのエンターテイメントでしょうね(笑)

でも、明日の悪者も、もしかしたら自分かもしれない。

なぜなら人間なんて気まぐれだし、つついて埃の出ない人間なんていないでしょうからね。

(そういえば、イエスの逸話でも、今まで一度も悪いことをしてない人間のみが石を投げろという逸話が、たしかありましたっけね?)

宮迫さんのように、一瞬の選択ミスで、自身が大炎上するということだって、そういうことは、普通はおそらく誰にでもあるかも・・、しれません。

今日のあいつは明日の自分・・かもしれないという、そういう想像力は、人間は持った方が良いのかもしれません。

そうすれば、人間、もう少し優しくなれるんじゃないかなあというふうには、思います。

そういうのが、残酷な大衆となるか、仏心をもった人間となるかの分かれ目ではないかとも、思います。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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