通貨発行権を知らなくても、通貨の信認が揺らぐことはない

『浜矩子「財政赤字容認論『MMT』、通貨の大量発行政策は理解できない」』(AERA.dot)

浜矩子「財政赤字容認論『MMT』、通貨の大量発行政策は理解できない」 | AERA dot. (アエラドット)

経済学者で同志社大学大学院教授の浜矩子さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、経済学的視点で切り込みます。

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“紫ババァ”の愛称で有名な浜氏がMMT批判の狼煙を上げました。

詳細は上記URLをご覧いただくとして、彼女には、MMTの「M」が、「まともじゃない」とか「mad」、「盲点」のMに見えるそうです。

“実際にないものが見える「幻視」は、レビー小体型認知症の方に多くみられる幻覚の症状のひとつ(老人ホームお役立ち情報より)”だそうですから、彼女の症状は見逃せませんね。

これまで、積極財政論やMMTに対して、有象無象のポンコツ論者から聞くに堪えない低レベルな批判が沸き起こってきましたが、いずれも、速攻で手痛い反論を喰らって撃退されました。

ここ進撃のコラムだけでも、“反積極財政中毒対処マニュアル”は十二分に完備されていますから、浜氏には、今すぐ進撃の過去記事にお目通しいただき、それでも症状が改善しないようなら、眼科と脳神経外科を受診されることをお勧めします。

ただ、浜氏は、他の反積極財政中毒者(＝緊縮病患者)とは違って、ハイパーインフレよりも“通貨発行権＝国家権力の濫用”を攻撃材料にしている点で少々症状が異なります。

彼女がMMTを「何ら節度なくカネを繰り出し放題、使い放題、ばら撒き放題」と罵倒するあたりは他のポンコツ論者と同じですが、「MMT＝通貨発行権を専横する国家権力」と位置づけ、アメリカの民主党左派勢力が国家権力の横暴を支持するのはおかしいという視点から批判するのは新鮮です。

浜氏のコラムから該当箇所を抜き出してみます。(↓)

「通貨発行権を掌握していればいくらでも通貨を発行出来るというのは、あくまでも、その通貨発行権を人々が認知する限りにおいてだ。そして、発行された通貨を人々が通貨だとみなす限りにおいてである。

大盤振る舞い財政を賄うために、通貨が大量に発行されたとする。その結果、人々がこんなものは通貨じゃなくて紙切れだと思い始めたら、万事休すだ。その時、通貨製造装置という名の打ち出の小槌は神通力を失う。

ここが盲点だ。換言すれば、MMTは国家権力の不可侵性に絶対的な信頼を置いている。」

経済素人の連中に限って、「通貨の大量発行＝紙切れ化」と短絡的に結論づけたがりますが、現実は異なります。

国内の通貨発行量(日銀券や硬貨等の発行流通量)を見ると、昭和5年辺りに50億円ほどだったのが、最近では平成30年には110兆円と2万2千倍にも増えています。

まさに、大量発行、バラマキといってよいレベルのビッグバンが起きたわけですが、いまの物価って、戦前の2万倍もありましたっけ?

1950年の消費者物価指数を1とした現在の指数は8.35レベルだそうですから、昭和15年(1945年)まで遡っても、10~15倍くらいの指数に収まるでしょう。

つまり、通貨が大量に発行されても、即高インフレに結び付くわけじゃありません。

通貨の実体経済への流通は、供給サイドを刺激に企業間の競合や競争を激化させます。

モノをつくり、サービスを回転させた分だけ儲かるのですから、指を咥えて静観する方が負けでしょう。

つくればつくるだけ売れるのですから、他社より早く設備投資や人材採用をする方が勝ちです。

それが生産性を向上させ、価格競争を促しますから、インフレ率は嫌でも適度な範囲に抑え込まれてしまいます。

ハイパーインフレなんて、人為的に起こそうにも起こせませんよ。

“通貨大量発行→高インフレ”と騒ぐバカは、まるで企業の生産実態を知らぬ小学生みたいなものです。

それでも通貨の価値を信じられず、「こんなものは通貨じゃなくて紙切れだ」と逆ギレする浜氏みたいなポンコツがいるとしたら、「その紙切れをうちで引き取りますよ。いまなら、景品として洗剤とサランラップをお付けします」と提案したいですね。

過去に起きたドイツやオーストリアのハイパーインフレ時ですら、人々はモノを買うにあたり大量の通貨を使用せざるを得ませんでした。

当時のドイツ人たちは、なぜ、台車いっぱいの籠に札束を積み、卵やハムを買いに走ったのでしょうか?

それは、経済社会に生きる文明人として、通貨に対する絶対的で抗いがたい信認を捨てきれない性があるからです。

彼女は、「通貨発行権を掌握していればいくらでも通貨を発行出来るというのは、あくまでも、その通貨発行権を人々が認知する限りにおいてだ。そして、発行された通貨を人々が通貨だとみなす限りにおいてである」と大見得を切っていますが、事実を知れば大恥をかくこと必至ですので、いまのうちに撤回しておくのが賢明でしょうね。

日本国が発行する円を通貨と見なしたくないのなら、そういう大バカ者は、円資産をすべて没収したうえで、この国から出て行ってもらわねばなりません。

法定通貨での決済を拒否するのなら、我が国で消費や商行為を行う資格はありませんので。

だいたい、「通貨発行権を人々が認知する限りにおいて」アホなことを抜かしていますが、ほとんどの国民は通貨発行権なんて言葉すら知りませんよ。

緊縮ババァの浜氏だって、最近まで知らなかったんじゃないですか?

恐らく99.99%の国民が、通貨発行権なる言葉の意味すら、認知も理解もしていないのに、円という通貨は何の問題もなく流通し、それを欲しがる輩は掃いて捨てるほどいますし、円の価値は暴落するどころか、“有事の円買い”さえ起きる世界最強通貨として、恒常的な円高に悩まされていますよね。(かくいう私も円が大好きですよ)

つまり、財出の大盤振る舞いやバラマキ程度のことで、円という通貨の価値は微動だにしませんし、ましてや暴落するなんて到底ありえません。

曲がりなりにも浜氏は、大学教授という責任ある立場にあるのですから、幻聴や幻覚をもとに大嘘を吹聴する前に、現実や史実をきちんと直視すべきです。