『お金(通貨)は純資産!?』
お金(通貨)は純資産という考えがあります。
金がたくさんあれば欲しい物も手に入り、誰もが金を欲しがりのは正直なところですから、納得できますね。
それにお金が純資産ではなく政府の負債というなら、お金を政府に返したら何がもどってくるのか。
金が返ってくる? なんかおかしくないでしょうか。
なら負債じゃない、資産いや純資産だという風に考えられます。
『デフレ脱却に必要なこと』
デフレ脱却というセリフは思い出したように時たま言われます。
そのデフレってなにかと簡単にいえばお金より物が多く余っている「物余り」の状態、かっこいい言葉を使うなら需要より供給が多い事だと説明されます。
だから、少ない需要を補うために需要の受け皿であるお金(通貨)を発行して使えばいいんだと。
それを続けたら無事デフレを脱却になると。
それでデフレを脱却したら何になるか? インフレですね。
インフレとは逆に需要が多い事。
みんながみんな多くの物を欲しがり、値段がどんどん上がる。
そのため需要が多くなったら、デフレとは逆に需要を減らすために、お金を抑え減らさないといけなくなる、と。
『お金(通貨)は純資産?』
以上を流れにすると
デフレを脱却するぞ!
↓
デフレは需要不足
↓
需要の受け皿であるお金(純資産)を発行し使う
↓
インフレになる
↓
さらにお金を発行すると需要が多すぎになる
↓
需要の受け皿であるお金を減らす必要がある
↓
お金を減らす = 純資産を減らす?
『あべこべ』
高めのインフレの時は需要が多すぎになっている状況です。
そんな時に、需要の受け皿であるお金(純資産)を増やしたらどうなるのか?
多すぎな金(需要)がさらに溢れ経済はバランスを崩し、かつてのバブルとその崩壊のように悪くなってしまうのではないでしょうか。
そうならないためには、純資産であるお金は増やすな減らせという事になります。
そう考えた時ふと思いました。
減らした方がよい純資産? 増やしたら悪くなる純資産っていったい何なんでしょう? なにをもって「純」資産というのか。
言葉がぐちゃぐちゃになっているように見えます。
『お金をもらっても・・・』
お金を貰ったらうれしいですか? 正直嬉しいですし助かります。
でもそのお金を使って物を買ってはだめ、預けて利子を取ってもだめ、何をしてもダメだと言われたらそのお金を受け取りますか?
そもそもそれをお金と考えるでしょうか?
いろいろな物が欲しい物が買えるから、皆お金をたくさん欲しいと思うのではないでしょうか。
『使えないお金』
お金があっても使えない(買えない)と似た状況があります。
それはインフレの時、特に高すぎる過剰な時です。
それは供給という物作りが全く追いついていない状態、そんな時にお金を発行してもまともに使えるお金にならないです。
お金で買える物や商品が、全く足りていないのですから。
ちょっと極端に例えると、今私達が使っているお金の量とちょうど同額分を新たに発行したとします。
それに合わせて物の量や物作りも倍になったら新しいお金もきちんと使えて、買える量も倍になり豊かになったといえるでしょう。
しかしもし物がまったく増えなかったら、お金の量だけが倍になってもそのお金で買える物がまったくない。
物作りが全く追いつかない。
もしくは、お金が増えて給料は倍になったが商品の値段も倍になっただけで、結局手に入る物の量は変わらないという無意味なお金でしかない。
そんな時でも、人は目の前のお金を純資産として求めるかもしれません。
しかし、そんな状況で純資産であるお金を増やし使えば使うほど、買いだめや買い占めと同じで物不足はひどくなり経済は悪くなるかと。
お金が純資産であるためには、物が余ってないといけない。
それはつまり、デフレではないでしょうか。
『デフレループへご招待』
デフレを脱却するぞ!
↓
デフレは需要不足の為お金(純資産)を発行する
↓
発行したお金がなんでも買える純資産であるためには物が余っていないといけない
↓
デフレでなくてはならない
最初と最後をまとめると、「デフレを脱却するためには、デフレでなくてはならない」となります。
デフレを脱したいのか、デフレでいたいのかわからなくなりますね。
その二つを同時に達成しようとすると、「デフレではないけれども、デフレを脱却していない」という状況にしないといけません。
それが、目指すべき理想の経済になります。
その理想の経済を壊す事、つまりお金を発行して財政出動をし適度なインフレにしようとするものなら、それを断固阻止しなければいけない。
別の言い方をすると、純資産である金が大事で金の為にはデフレの必要がある。
消費税増税はデフレを脱却しようとしているのでしょうか? それともデフレにしようとしているのでしょうか?
『理想(?)の経済を維持する為に』
純資産であるお金の為には、デフレという物余りにする必要がある、と述べました。
しかし、デフレが酷くなりすぎてもそれは先の理想(?)の経済「デフレではないけれども、デフレを脱却していない」の前半「デフレではない」と大きくズレてきます。
なのでデフレが深刻になった時のみは財政出動を認める。
そして、財政出動が効きすぎてうっかりデフレを脱却しそうになったら、即たたき折りデフレに戻す、というのを繰り返すのがお金を純資産と考えた経済のやり方になるのかもしれません。
いわば、弱デフレの状態を保つといった感じでしょうか。
真綿でじわじわ首を絞められていくような弱デフレ経済を維持するのが目的となる。
『純資産とは?』
さらにです、お金が純資産であるならこうも考えられないでしょうか。
自分達で働いて物を作らずとも外から物を買えばいい、と。
なぜならお金は純資産なのだから、誰もが欲しがるからです。
物だけじゃないです。
物を作る労働力、つまり労働者をも外国から純資産であるお金で雇えば、私達は働かずに消費だけをして生きていけるはず。
世界中の外国も外国の人たちも日本円を欲しているからです。
日本円を手に入れた外国人も、日本円を使い生活に必要な物を買うでしょう。
世界中で日本円が使われるようになる。
だって、誰もが欲しがる純資産なのですから。
だから外にばかり目を向けたり、外から働く人を連れて来ればよいという考えにも繋がる。
そう考えてもおかしくはないと思います。
それともお金(通貨)とは、多くは国内にだけ価値があるという制限がついた不純な資産なのか?
『お金とは?純資産とは?』
改めて考えていきたいと思います。
お金って何なのか。
純資産とは何なのか。
あなたにとって純資産とは?
私達にとって純資産とは?