令和版所得倍増計画は国民への一律給付金から始めよう!

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○令和版所得倍増計画

○分厚い中間層をつくり消費や投資を活性化

○小泉構造改革以降の新自由主義の転換

 

岸田内閣が掲げるこうした経済政策や方針に異論はありません。

 

緊縮主義や構造改悪主義が蔓延っていた平成・令和不況下では、“所得倍増計画”、“中間層への支援”、“新自由主義の否定”といった言葉を口にすることすら憚られる風潮があったことを思えば、岸田首相はかなり踏み込んだ提言をしたと言えます。

 

問題は、緊縮主義や構造改悪主義を大転換させ、それらの悪業と手を斬るために、どういう政策を打ち出し実行するかでしょう。

 

『10万円の再給付は? コロナ対策はどうなる? 分科会解散の可能性は? 岸田首相が会見で語ったこと』

Yahoo!ニュース
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「岸田首相はまず、新型コロナによって大きな影響を受けている人々への支援を最優先するという。

個人への現金給付については、「コロナ禍で大変苦しんでおられる弱い立場の方々、女性や非正規、学生の皆さんといった弱い立場の方々に個別に現金給付を行うことは考えていきたい」と語った。

なお、具体的な金額などについては、「しっかりと検討した上で確定していきたい」と述べるにとどめた。(略)」

 

いやはや、出だしから躓いていますね。

上記ニュースのコメ欄には、現金給付の対象を限定しようとする岸田首相への批判が噴出し、一律給付を強く求める声が溢れています。

「岸田総理、何故「弱い立場の方々に現金給付考える」なのでしょうか。このコロナ禍で困っている、疲弊しているのは国民全員だと思います。世代や弱者で区切るのは止めていただきたい。」

 

「限定的ではなく、昨年みたいに今度は20万円上乗せして国民全員に30万円の”特別定額給付金”を支給して欲しい。一般人は皆生活に困っているのだから。」

 

「今こそ ネット社会だからこそ SNSを駆使し一律給付運動を皆で呼びかけよう。岸田政権が『一律給付』以外なら皆で声を上げ野党へ引きずり落とす運動をすれば一律給付の道も開けてくる。」

 

「皆お金に困ってます。全国民に一律給付金をお願いします。一律給付金がいらないと言ってる人達は受け取らなければいい。もっと国民に寄り添ってください。」

 

ほとんどの国民は一律給付を求めています。

なぜなら、岸田氏の云う「コロナ禍で大変苦しんでおられる弱い立場の方々=国民のほぼ全員」であって、女性や非正規雇用、学生だけではないからです。

 

先日も、2020年の民間平均給与(年収)が433万円と前年比▲0.8%、金額で3万3000円減少(2年連続の減少)したという居た堪れないニュースがありましたよね。

 

この433万円という数字は、ピークだった1997年の467万円と比べて▲7.3%、金額ベースで▲34万円という体たらくです。ちなみに、減額分の内訳は「給与・手当」▲8万円、「賞与」▲26万円です。

 

すっかり不況慣れした国民の中には、「なんだ、減ったとはいえ7%くらいだろ? 大して変わってないじゃん」と負け惜しみを言う者もいますが、1997年→2020年の間に経過した年数は23年にもなります。

23年も昔と言えば「ふた昔以上も前」のことですから、日本が3%くらいの普通のペースで成長していれば、いまごろ平均給与は900‐1000万円近くに増えていたはずです。

 

つまり、23年間もの間、緊縮・改悪政策に甘えて成長を怠ってきたツケ(累積損失・逸失所得)は、世帯当たり5000万円超にもなります。

経済失政によって家一軒分+車数台分もの収入を召し上げられたのに、「20年前とほぼ同じ給料だから、別にいいじゃん」と嘯くような輩は、気概もやる気もない薄汚い奴隷でしかありません。

 

国民のほぼ全員が、当初想定額の半分以下の給与しか貰っていないのですから、岸田氏の云う「弱い立場の方々」には国民全員が当てはまると言ってよいでしょう。

 

そうです。

コロナ禍や増税によって国民が負わされた経済禍を少しでも癒すために、新政権下で行われる給付は国民全員を対象にせねばなりません。

それも一人10万円ではなく、30万円くらいに増額すべきです。

 

既に昨年のコロナ特別給付金の際に振込口座は特定されていますから、第2次、第3次の給付手続きには大した時間も事務コストも掛かりません。

却って、学生限定だの、子供がいる家庭だの、住民税免税過程限定だのとケチって対象者を絞る方が、遥かに手間が掛かりますし、経済効果が大きくスポイルされ、その意義も失われてしまうでしょう。

 

“給付は国民一律に、給付額は大盛りで”というのが、最も公平感を保て、経済効果も高いやり方です。

 

ましてや、岸田内閣の支持率は低く、総選挙を控えて票取りやアピールが必要な時期なんですから、四の五の言って格好つける余裕などないはずです。

『内閣支持「ご祝儀」限定的 与党、衆院選へ不安』

Yahoo!ニュース
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「報道各社の世論調査で、岸田内閣の支持率はいずれも50%前後だった。発足時としては歴代と比べて低水準で、「ご祝儀相場」は限定的だ。与野党には安倍・菅政権からの変化の乏しさや甘利明自民党幹事長の「政治とカネ」の問題などが影響したとの見方が出ている。与党内では19日公示の衆院選へ不安の声が漏れる。(略)」

 

ポピュリズムだの、バラマキだのという外野の批判などガン無視で、思い切った給付政策を打ち出すとともに、消費税廃止や社保料の国庫負担化、BI導入などの中間所得層の所得倍増政策を掲げ、野党との間でバラマキ競争を繰り広げてもらいたいものです。

 

現代は、政府が積極財政策により企業収益や家計所得を増やして需要力を増大させ、旺盛な需要力から溢れ出す養分で供給力を維持強化する経済フェーズに入っているのです。

 

そうした経済構造のパラダイムシフトに気づけない連中が、

「構造改革による生産性向上だ~」

「財政健全化による骨太の構造だ~」

「バラマキ政策をやるとハイパーインフレが来る~」

「BIは賃金抑制構造だ~」

と騒いでいますが、時代遅れも甚だしい愚見でありコメントにも値しません。

 

「お前らの脳内時計は、いったい何十年前、何百年前で止まっているんだ?」と冷笑を送るだけですね。

 

昨年のコロナ給付金も、大部分が貯蓄に回されたなどと見当違いな批判を受けていますが、給付金を受け取った国民はこれ幸いとばかりに買い物を楽しみ、昨年度の白物家電の国内出荷額は19年度比6.5%増の2兆6141億円と統計を開始した1997年度以降最高額を記録するなど、コロナ給付金は大きな消費刺激効果を生み出したのです。

 

また、給付金が貯蓄に回るのを指して経済効果がないと揶揄するド素人もいますが、内需が活性化して企業活動が活性化すれば、貯蓄口座に放り込まれたお金も、やがて融資(借入)に姿を変えて別の消費や投資に使われるのですから、何の問題もありません。

 

岸田内閣が本気で所得倍増計画や分厚い中間層の創造を成し遂げ、総選挙に勝とうとするならば、減るに任せた国民の所得を名実ともに大幅に引き上げるよりほかありません。

 

公共事業や給付金、BIにより名目所得を増やし、消費税廃止や社保料の国庫負担化で実質所得を増やすという両面作戦を大規模かつ即座に打ち、疲弊し切った民心を鼓舞すべきです。

 

令和の世は、「需要が供給を育て、旺盛な消費が生産性向上を強要する」というディマンド・プル型の成長モデルに適した経済構造なんですから、政府は家計の所得増加や分配強化に専心し、積極財政と適切な規制による分配強化に取り組まねばなりません。

 

【追記】

話題は変わりますが、来年2/4回債の北京五輪まであと4ヵ月余りですね。

東京五輪開催前からのコロナ感染者数急増により、コロナ自粛厨たちは五輪中止を声高に叫んでいましたが、北京五輪という大規模イベントを目前に控えて、自粛厨たちはいったい何をしているんでしょうか?

一旦沈静化しているとはいえ、多くの専門家はコロナ第6波への警戒を怠らぬよう呼び掛けています。

にもかかわらず、東京五輪に青筋立てて反対していた自粛厨どもは、なぜ北京五輪に反対の声を上げないのでしょうか?

 

しかも、北京五輪に対する懸念はコロナ感染再拡大のリスクだけではありません。

『「ただのサイコパスもいた」 中国の元警察官、ウイグル族への拷問を語る』

Yahoo!ニュース
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「(ウイグル自治区で弾圧を命じられた中国人の元警察官である)ジャン氏は警察の留置場で自分や同僚が尋問したときを思い出しながら、「あざができて腫れ上がるまで、彼らを蹴り、なぐる」「彼らが床にひざまずき、泣き出すまでだ」と述べた。(略)

ジャン氏が新疆にいたとき、新たに拘束された人は全員が尋問で殴られていたと語る。男女を問わず、最年少で14歳の子どもまでいたという。

拷問の方法はさまざまだ。被疑者の動きを封じる金属製や木製の「タイガーチェア」と呼ばれるいすに拘束したり、天井からつるしたりしたほか、性的暴行、電気ショック、水責めもあった。数日間寝ることを許さなかったり、食事や水を与えなかったりしたこともあったという。(略)

新疆出身のウイグル族の学者、アブドゥウェリ・アユプさん(48)は13年8月19日、警察に拘束されたと語る。ライフル銃を持った警察が、アユプさんが開園したウイグル語を教える幼稚園を取り囲んだという。

アユプさんによると、カシュガル市の留置場での最初の夜、アユプ氏は十数人以上の中国人収監者に集団レイプされた。守衛3、4人が命じて、その様子を見ていたという。(略)

「男達が私を笑い、私をとても弱っていると言っているのが見えた。そうした言葉が聞こえた」。アユプさんへの陵辱は翌日も続き、守衛の一人は「楽しかったか」と聞いてきたという。(略)」

本当に聞くだけではらわたが煮えくり返り、嘔吐を催しそうになるほど不快な内容ですが、中共がウイグル自治区で行ってきた虐殺や残虐な暴力の実態がCNNによって白日の下に晒されました。

 

コロナ自粛厨の中には保守を自認する輩もたくさんいたと思いますが、彼らはこうした中共の横暴や暴虐を見ても、北京五輪に反対の声を上げないのでしょうかね??

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当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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