「日本は借金で財政破綻かもしれないって本当?」
「財政破綻するなら無駄遣いはできない!」
こんな風に考えている人は、間違った情報に踊らされています。
日本国債はデフォルトせず、財政破綻もしません。
日本がデフォルトしないのは「単なる事実」であり、財務省や主流派経済学も認めています。
今回の記事では、日本国債がデフォルトしない理由についてわかりやすく解説します。
そもそも国債とは
そもそも国債とは何でしょうか? 基本的な部分からわかりやすく解説します。
国家が発行する借用書
国債とは政府が発行する債券のことです。
債券とは政府や地方公共団体、企業などが借り入れのために発行する有価証券です。簡単に言えば、借用書を証券化したものが債券です。
つまり、国債とは政府が発行する借用書です。
地方公共団体が発行すれば地方債、企業が発行すれば社債と呼ばれます。
政府は借り手であり、貸し手は日銀や金融機関が主です。
国債には内債(自国通貨建て国債)と外債(外国通貨建て国債)があります。
日本の国債はすべて円建てですから、内債(自国通貨建て国債)です。
日本国債の保有者割合
2021年度の国債は合計1056兆円です。
内訳は日本銀行が48.2%とおよそ半数を保有しており、次いで生保などが20.6%、銀行などが14.7%です。
海外の保有者割合は7.2にとどまっています。
日銀が行う金融緩和とは「国債を引き受け、代わりにお金を発行すること」です。このまま金融緩和が続けば、さらに日銀保有割合が多くなるかもしれません。
デフォルトとは何か?
デフォルト(Default)は日本語で「債務不履行」と訳されます。
債務不履行とは「契約義務を果たさないこと」です。国債の債務不履行とは「利払いができない」「償還ができない」といったことを指します。
利払いができなかったり、国債の償還ができなかったりするとデフォルト(債務不履行)が起こります。
デフォルトすると国債の信用が崩れ、高い利子を設定しないと国債が消化できなくなります。
デフォルトリスクが高い国債は利子率が高くなります。
逆に、デフォルトリスクが少ないと利子率は低くなります。
国債の利子率は長期金利と呼ばれており、日本の長期金利は約0.1%です。
通貨発行権とは政府の主権
「通貨発行権の話が国債に関係あるの?」と不思議に思うかもしれませんが、関係は大いにあります。
通貨発行権とは、近代資本主義国家がおおよそ持ち得る国家主権の1つです。
資本主義国家では通貨を中央銀行に発行させ、その通貨を用いて経済を循環させます。
要するに、通貨発行権とは「日本は円を自由に発行できる権利がある」ということ。
日本国債がデフォルトしない理由
日本国債がデフォルトしない理由は簡単です。
- 日本国債はすべて円建て、自国通貨建て国債
- 日本には通貨発行権がある
- 利払い、償還も円(自国通貨)で行っている
自分で発行できるマッサージ券では破綻できません。
それと同じく、自国通貨を発行できる政府は、自国通貨建て国債では原理的にデフォルトできません。
普通国債の残高は1995年に225兆円でした。
しかし、現在では約1000兆円に上り5倍近くとなっています。
しかし、デフォルトリスクに反応して上がるはずの長期金利は0.1%です。
市場も「日本国債が破綻するはずがない」と判断しています。
財務省も「日本国債はデフォルトしない」との見解
財務省も「外国格付け会社宛意見書要旨」で「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」としています。
「自国通貨建て国債ではデフォルトしない」という理論は、財務省や主流派経済学者も認めるところです。
「財政破綻=デフォルト」とすると、「国の借金(自国通貨建て国債)で財政破綻する!」といった主張は嘘・デマでした。
もちろん、ギリシャのように「通貨主権のない国」は破綻する可能性があります。
ギリシャはユーロという共通通貨を用いています。
共通通貨だからこそ、自分たちで好きなように発行できません。つまり、通貨主権がありません。
ユーロでの国債は外債(外国通貨建て国債)と同じ性質を持ち、通貨主権のない通貨で利払いしたり償還したりしなければなりません。
よって、デフォルトリスクが高くなります。
日本は自国通貨建て国債です。
デフォルトリスクは「ゼロ」と言って差し支えありません。
まともな認識が政治家に広まりつつある
自民党総裁選では岸田文雄議員、高市早苗議員が積極財政を掲げて戦いました。両氏が獲得した国会議員票は、382票のうち260票に上りました。
国会議員に積極財政や、日本国債のデフォルトリスクゼロといった知識が広まった証拠です。
先日、矢野康治財務次官が以下のような寄稿をしました。
要約すれば「国の借金で日本が破綻する」との記事です。
これに対して高市早苗議員は以下の記事で、「自国通貨建てだからデフォルト(債務不履行)は起こらない」と話しています。
日本でもようやく、「自国通貨建て国債ではデフォルトしない」という当たり前のことが広がりつつあります。
まとめ
国債とは政府の債券のことです。債券は利息や償還期限があり、この契約を破るとデフォルト(債務不履行)と見なされます。
日本国債は100%自国通貨建て国債であり、円建てです。
そして、政府は通貨発行権を持っています。
自国通貨建て国債では原理的にデフォルトはできません。なぜなら、通貨を発行して利払いや償還を行えばよいからです。
日本政府が自国通貨建て国債でデフォルトする確率はゼロです。
これは、財務省や主流派経済学も認める単なる事実です。
間違った情報からは、間違った結論しか生まれません。
事実を見極め、正しい情報を取捨選択しましょう。