計画通り、とコレまではコレ他可能性はあるが、国際政治にはタブーとなっているところがあるにはある。それを無視する形で活動することはできないということを突きつけられているのだが、関係ないと逃げ切れると思ったのは流石に甘かったとしか言いようがない。(絵は人生)
ユニクロの柳井氏は、グローバル企業という言い訳で、当時先進国であった日本においても、世界で給与を統一するという、グローバル経済の「理想」を導入してそれでいいのだという顔をしていた。その建前として、商売する場所、ものを売る場所は当然ながら、商品の材料をどこで調達するのかというところは世界中につながっているというような説明もしていた。
そんな中でとびだしてきたのが「ウイグルからの綿製品を調達しているかどうか」について、「ノーコメント」という回答をしたというのである。理由としては、ウイグルの綿製品を購入するかということは、経済問題ではなくて、政治問題だということを挙げていた。そう、そんな面倒なことは、政治の方に任せて、関係ない顔をしてグローバル経済で商売させてくれよと言ったのである。コレは、たしかに日本においてはそのような言い訳はそのまま受け入れられる可能性がある。柳井氏は、グローバル経営者のつもりではあるようだが、基本的には日本の経営者なのである。しかし、日本国民をだまくらかすような言い方で、世界の経済に対して発言したということである。
しかし、グローバル経済というものそのものが国際政治と強く結びつくものなのである。政治には、軍事力の行使やそれを背景にした政策の決定というところまで含まれる。経済というのは、秩序が安定しないところには多くのことができようもない。当然ながら、グローバル経済は国際政治ときっても着れないというよりは、それをベースにしか活動できないということである。そういう常識的な、根本的なところを完全に無視してそれを、さも当たり前のように言ってのけたことである。
そして、そういうことで、ウイグルからの綿製品の取引をやっていると言うことを否定しなかったということである。わざわざ隠すということは、後ろめいたところがあるということから、当然やっているということをあんに認めたということだろう。それに対しては、不問にしろ、と言ったのも同然なのである。
国際政治に頼って活動するグローバル経済活動の中では、国際政治の要請をほとんど言い訳になる言い訳もせずに言い切っているのである。それによって、自分に都合の悪い部分は目をつぶりながら、利益を上げることに対して最適化するということでもある。
経済と政治を別に考えていいと思っているのは、日本独自の考え方だろう。正確に言えば、戦後以来貫かれてきた考え方である。要するに、アメリカの支配の中で、作り上げた考え方である。本来は、国際社会のように、政治と経済は切っても着れない関係であり、どちらも依存しあって切っても着れない関係なのである。要するに、経済に携わるものは政治にも関与していることになるし、それを無視して活動することは問われる責任から逃れようという不誠実なものなのである。
もともとの考え方はそのようなものだったのだろう。従業員に対する厳しい扱いは、その経営哲学に現れているとも言える。要するに、そういう政治への関わりをしようとしており、会社の内部の政治ではそのようにしてきたというだけのことである。その顧客であれば場合によっては良いところだけを得られるような場合もあっただろうが、大きな会社となり、社会に対しても大きな影響を与えるような存在になったときには、その彼の政治が染み出してくるのである。