日本は輸出立国という説は本当?輸出依存度からわかる衝撃の事実

この記事は約5分で読めます。

 先日、以下のツイートをしたところ反響がありました。

日本が輸出立国だと固く信じている人がいます。
しかし、それ、嘘です。

日本の輸出依存度は、高度成長期から20%を超えたことはありません。
2018年の輸出依存度も18%です。

日本はずっと内需立国です。
輸出は資源を輸入できれば十分です。

内需立国らしく、内需を立て直すことが必要です。

 日本が輸出立国であった時期は存在しません。高度成長期からずっと、日本は内需立国でした。
 この事実を捉え損ねているために、おかしな政策が蔓延しているのかもしれません。

 日本がずっと内需立国であったことを解説し、内需振興のためにはどのような方策が必要か紹介します。

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日本が輸出立国と言われた理由

 かつて日本が輸出立国と言われた理由は、世界貿易において存在感が大きかったからです。1980年代半ばに世界貿易の輸出シェアで、日本は10%台に迫っていました。
 工業製品に限れば約15%です。

 ところが、2016年に世界シェアは4%に低下しています。
 原因は中国やアジアの台頭です。

 たとえば、アメリカの輸入全体における日本のシェアは1980年代に20%を超えていました。半導体や自動車などが日本から輸出され、アメリカ市場を席巻しました。
 今ではアメリカ市場における日本のシェアは6%に縮小しています。

 日本が輸出立国と言われた理由は、世界貿易のシェアが大きかったからです

日本の輸出依存度

 1980年代の日本の存在感は大きいものでした。世界貿易のシェアの約10分の1を握り、アメリカの市場を席巻していました。

 しかし、当の日本の輸出依存度は低いものでした

https://www.jftc.or.jp/shoshaeye/angle/angle2007078.pdf

 日本の輸出依存度は1980年代ですら15%程度です。一度も2割を上回ったことがありません。
 近年の輸出依存度はおおよそ15%~18%で推移しています。

日本の経済構造は内需立国

 日本の輸出依存度は一度も2割を上回っていません。
 逆に、輸出大国であるドイツや韓国の輸出依存度は4割を上回っています。
 このことから、日本は輸出立国ではなく、内需立国だと考えられます。

 小学校で「日本は輸出をして稼いでいる貿易立国」と教わりましたが、あれは嘘です。日本の経済構造は今も昔も内需立国でした。

 ここで1つ、考えてほしいことがあります。

 1980年代は貿易が順調だったからGDPも成長したのでしょうか?
 むしろ逆で、GDPが順調に成長したからこそ、貿易も高いシェアを誇っていたのではないでしょうか

 内需が成長する過程ではイノベーションが生まれます。
 イノベーションなき経済成長など存在しません。
 民間や政府の支出が拡大し、需要が増加し、需要に対応するために投資をします。その投資がイノベーションを引き起こし、さらなる経済成長をもたらします。
 これが、内需拡大における経済成長の循環です。

 とすれば「貿易が強かったから経済成長した」のではなく、「経済成長したから貿易も強くなった」のではないかと考えられます
 その証拠に輸出依存度は2割を一度も超えていません。

日本のボトルネックは今も昔も輸入

 日本ではヒステリックに輸出が叫ばれます。2000年代中盤には国際競争力がもてはやされました。
 もっとも、もてはやされただけです。
 国際競争力を目指した改革によって日本は凋落し、むしろ国際競争力を失っていきました。

 閑話休題。

 日本にとって輸出こそが最重要でしょうか?

 日本の歴史を参照すると、今も昔も大切なのは輸入です。太平洋戦争の原因もABCD包囲網と輸入にありました。
 資源のない日本では輸入こそが生命線です。

 とすれば、輸出は輸入をまかなえれば十分です。
 ヒステリックに国際競争力を磨かなくてもよいでしょう。

内需立国で繁栄を目指す方策

 日本の輸出依存度は高度成長期や1980年代から低く、経済構造としては内需立国でした。
 したがって、日本は内需振興を目指すべきです。

 内需振興を目指せば自然と輸出も大きくなるはずです。
 なぜなら、内需振興で経済成長する過程でイノベーションが起きるからです。イノベーションは投資を加速させ、技術を高めます。
 必然的に日本の製品が国際競争力を持つことになります。

 1990年代あたりまで、日本市場は厳しい目をしていると言われてきました。
 製品に対するニーズが洗練されていました。
 その理由は国内で品質の高い製品が手に入ることに起因しています。

 1980年代の「貿易立国」は内需振興の副作用として起きたに過ぎません

 内需振興は非常に簡単です。
 積極財政による国土、国家への投資を進めればよいのです。

 インフラや防災・減災、社会保障など日本には巨大な需要がいくらでもあります。これらに投資することで消費が増え、経済は適度なインフレになり回り始めます。
 売り上げの見通しが立てば企業は投資に向かいます。
 投資はイノベーションを生み、競争力を高めます。

 現在の政府に求められているのは「国際競争力の強化」ではなく、「内需振興による殖産興業」です。

まとめ

 1980年代に日本が世界貿易を席巻しているときでさえ、日本は内需立国でした。
 高度成長期から、日本の輸出依存度が2割を超えたことは一度もありません。
 この事実は案外知られていません。

 どうも、世間は数字よりイメージを優先させます。
 そして、イメージをもとに考えて失敗するのです。

 日本も十分に失敗してきました。
 国際競争力強化の声にしたがって規制緩和、構造改革を繰り返しました。
 その結果、何が起こったのか? 国際競争力が強化されるどころか、凋落の一途をたどりました。

 戦後日本は内需立国である。
 この事実をまずは踏まえることが必要です。
 事実を踏まえた上で議論し、内需振興に転換する必要性を強く感じます。

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