財政健全化の必要性はあるかないか? 結論から言えば、日本に財政健全化の必要性はありません。その理由について簡単に解説するとともに、押さえておきたいデータについて紹介します。
たとえば、プライマリーバランス黒字化を実際に成し遂げている国は、世界183カ国中どれくらいあると思いますか?
即答できたらすごいです。
他にも、1995年に財政危機宣言が出されました。そのときの国債残高はどの程度だったのか。
こういった実際のデータをもとにして財政健全化の必要性について議論します。
財政健全化の定義とは?
まず、財政健全化の2つの定義について確認しておきましょう。
プライマリーバランスの黒字化
財政健全化の定義の1つが、プライマリーバランス(PB)の黒字化です。プライマリーバランスは日本語で基礎的財政収支と呼びます。
以下、プライマリーバランスはPBと略します。
PBは一般会計で歳入総額(国債による収入は含めない)と歳出総額(国債費などは含めない)を差し引いた金額です。
要するに、国債発行に頼らずに財政がバランスするかどうかがPBです。
PBが黒字なら国債発行に頼らず財政運営が可能で、PBが赤字なら国債発行に頼っていることになります。
PBの黒字化が財政健全化の1つの指標です。
政府も2019年までの骨太の方針に、PB黒字化目標を定めていました。なお、2020年の骨太の方針からPB黒字化目標は消えました。
対GDP比での国債残高改善
財政健全化のもう1つの定義は、対GDP比での国債残高の改善が挙げられます。現在、日本の政府債務残高は対GDP比で260%以上です。
政府債務残高の内訳は国債、短期証券、借入金です。
対GDP比での国債残高を下げるための方法は2つです。
- 国債発行残高を減らす
- GDPを上げる
日本は1997年からゼロ成長が続いており、GDPが上がらない状態です。
一方、デフレの継続や社会保障費の増大によって国債残高は増え続けています。
日本で財政健全化が議論されるとき、対GDP比国債残高はあまり目標にされません。GDPを増やすより、PBをバランスさせる方が簡単だと考えているからでしょう。
理論的に財政健全化は必要か?
そもそも論ですが、財政健全化は必要でしょうか?
一般的な認識で財政健全化は必要とされています。どれくらい必要か? 借金を返済することと同じくらい必要と考えられています。
しかし、貸している人を基準に考えてみると、取りっぱぐれのない借金なら「返してもらわない方が得」です。借金の返済とは、絶対に必要なことではありません。
くわえて、自国通貨建て国債や外貨建て国債の問題もあります。
はたして財政健全化はそもそも必要なのか? 少し確認してみましょう。
自国通貨建て国債の場合
自国通貨建て国債の場合、財政健全化の必要はありません。自国通貨の発行権は基本的に政府が持っています。
究極的に要約すると、政府は自分で自分に貸し付けられます。
国債と通貨を発行し、引き換えれば国債はいくらでも調達可能です。
自国通貨建て国債で政府は破綻しませんし、債務不履行(デフォルト)も起きません。
債務不履行が起きないなら、返済の必要はありません。貸し手は貸し続けた方が得だからです。
もっとも、現在の国債の約半分は政府の機関である日銀が引き受けています。
つまり、自分で自分に貸している状態です。
財政破綻が起きず、何の不都合もありません。よって、そもそも財政健全化の議論そのものが必要ありません。
外貨建て国債の場合
外貨建て国債の場合は財政健全化の必要があります。
外貨建ての場合は政府に通貨発行権がないからです。
たとえば、日本の場合だとドル建て国債を発行した場合、ドルを稼いで返済に充てなければなりません。
債務不履行(デフォルト)が発生する可能性もあります。
したがって、外貨建て国債を減らすために財政健全化が必要です。
プライマリーバランスを黒字化している国の割合
日本の財政健全化目標はPB黒字化です。では、PBを黒字化している国は、世界中でどれくらいあるのでしょうか。
日本政府はプライマリーバランス(PB)黒字化目標を掲げています。
では、世界183カ国中、PB黒字化をしている国は何カ国?
答え:わずか17カ国
9割以上の国はPBが赤字です。
そして、PBは赤字こそが正常です。
Twitterでつぶやいたところ、大きな反響がありました。
じつは、PB黒字化を成し遂げている国は世界183カ国中、たったの17カ国です。わずか1割しかいません。
なお、PB黒字化している国は小国ばかり。名前を聞いたこともないような国もあります。
PBは赤字こそが正常です。
現にG7やG20でPBの議論をしている国はありません。
PB黒字化目標とは、ゲームの縛りプレイみたいなもの。長年デフレが続いている困難な状況で、さらに縛りプレイとかバカバカしいですよね。
1995年の財政危機宣言と国債残高の推移
次もTwitterで大きな反響のあった数字です。
日本で財政危機宣言を出したのは、1995年の武村正義大蔵大臣です。
このときの国債発行残高は225兆円。
一方、現在の国債発行残高は932兆円。ところが、未だに財政危機は訪れていません。
財政危機はフィクションだったからです。日本に財政問題はありません。よって、財政健全化も必要なし。
ツイートの通り、日本が財政危機宣言を出したのは1995年です。1995年時点の国債発行残高は225兆円でした。
そして、現在の国債発行残高は932兆円です。
国債残高は4倍になっていますが、一向に財政破綻の兆しはありません。
それどころか! なんと長期金利は低迷する有様です。
1995年の長期金利は約3%ありました。現在は0.089%と0.1%を切っています。
財政危機宣言後、長期金利は30分の1以下になりました。
これは、市場が「他に貸し付けるところがないので国債を買いたいです!」というシグナルです。
なぜ国債を買いたいのか? 国債が安全で魅力的な資産だからです。
1995年の財政危機宣言は嘘でした。日本は財政危機でも何でもありません。財政破綻論は財政ではなく、論理が破綻しています。
まとめ
財政健全化の定義には「PB黒字化」と「国債残高の対GDP比減少」があります。後者が困難だと考えられているため、日本政府は前者を採用しています。
ところが、そもそも財政健全化の必要性はありません。なぜなら、日本国債はすべて自国通貨建て国債であり、究極的には政府が「自分で借りて自分で使う」ができるからです。
通貨発行権がある以上、デフォルトは100%あり得ません。
世界でPB黒字化を成し遂げている国はわずか1割でした。
PB黒字化を目標にしている国なんて、日本以外ありません。はっきり言えば「バカな目標」です。
日本は1995年に財政危機宣言をしましたが、あれは嘘でした。まったく財政は危機ではなく、国債残高は4倍に膨れ上がりましたが、長期金利は逆に30分の1程度になりました。
財政健全化は必要か? 数字からきっちりと検証し、総括する必要があるでしょう。
論説の趣旨には賛同しますが、コロナ危機(非常時)の年だけ抽出するのはフェアではない(印象操作を疑われる)ため、ツイッターの方で捕捉となる自作のグラフほかをリツイートさせていただきました。
・恋と呼ぶには気持ち悪い
・聖女の魔力は 万能です
・弱キャラ友崎くん
・セスタス
今期アニメは不作というか、面白いのは上記あたりですかねぇ……。
ツイート見ました。
なるほど、と思いリツイートしておきました。
・恋と呼ぶには気持ち悪い
・聖女の魔力は 万能です
・弱キャラ友崎くん
・セスタス
上記で見てるのは「聖女の魔力は万能です」だけですね~。
あとは
・僕のヒーローアカデミア
・キングダム
・憂国のモリアーティ
あたりでしょうか。
>今期アニメは不作というか、面白いのは上記あたりですかねぇ……。
あまりパッとしたアニメがありませんね~。