最低賃金でフルタイム働いたときの手取りは約11万5000円!

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 最低賃金でフルタイム労働をしたときの手取りはいくらになるのか? 計算してみると11万5000円でした。
 人間が月に160時間働いたときの価値が、たったの11万5000円。
 しかも、平均的な一人暮らしの生活費に遠く届かない金額です。

 日本の最低賃金は低すぎます。
 その実態を、手取額として計算することでわかりやすく解説します。

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最低賃金とは

 最低賃金とは使用者が労働者に支払うべき、最低限の賃金です。法律で定められており、都道府県によって金額が異なります。

 派遣労働、契約社員、パート、アルバイトなど雇用形態にかかわらず最低賃金は適用されます。どのような雇用形態でも、最低賃金以下の賃金で働かせることはできません。

 最低賃金を上回っているかどうかは、自分の月収を時給換算すると確認できます。たとえば、年収が200万円の場合は200万円÷12ヶ月÷1ヶ月の労働時間です。
 最低賃金は月収にかかる労働時間で計算されます。ボーナスや手当はのぞきましょう。

 年収200万円なら時給換算で約1040円になります。

全国の最低賃金

 全国の最低賃金は厚生労働省のサイトで、都道府県ごとに確認できます。

 厚生労働省によれば全国平均の最低賃金は902円です。最低賃金がもっとも低い都道府県は秋田、鳥取、島根、高知、佐賀、沖縄で792円です。
 最低賃金がもっとも高い都道府県は東京で1013円です。

 最低賃金は毎年10月に改訂されます。ここ十数年は年に1~2%程度の上昇幅でした。働き方改革では3%の上昇を目指すとされています。

最低賃金から計算したフルタイム労働の手取額

 最低賃金で働くとどれくらいの収入になるのかは、もっとも気になるところですよね。

 秋田、鳥取、島根、高知、佐賀、沖縄の最低賃金が低い都道府県でフルタイム労働(160時間/月)なら、最低賃金は792円で月収は12万6720円となります。
 手取額で10万円強です。

 全国平均で計算すると最低賃金は902円、月収は14万4320円です。手取りでおよそ11万5000円となります。
 東京なら最低賃金1013円で月収は16万2080円、手取りで13万円ほどです。

最低賃金月収手取額
秋田、鳥取、島根、高知、佐賀、沖縄792円12万6720円約10万円
全国平均902円14万4320円約11万5000円
東京1013円16万2080円約13万円

 一人暮らしの平均的な生活費についても調べました。

 家賃を抜いた生活費の平均は13万6000円ほどです。家賃を含む平均的な生活費は18万円ほどだそうです。
 貯蓄なども含めると一人暮らしで20万円は生活費がほしいところです。
 最低賃金では、この水準の一人暮らしは困難でしょう。

最低賃金とナショナル・ミニマム

 ナショナル・ミニマムとは国家が定める「健康で文化的な最低限の生活」のことです。ナショナル・ミニマム以上の生活が国家によって保障されています。

 最低賃金や生活保護がナショナル・ミニマムに相当します。
 日本では最低賃金が「健康で文化的な最低限の生活」の基準のです。この「健康で文化的な最低限の生活」は憲法25条で定められています。

 しかし、果たして11万5000円で「健康で文化的な最低限の生活」が送れるでしょうか? かなりギリギリで貯蓄すら難しいと思われます。
 くわえて、11万5000円では結婚や子育てもできそうにありません。

 日本政府の言う「健康で文化的な最低限の生活」は、結婚もせず子供も産まない人生のことでしょうか? そうではないはずです。

 最低賃金は最低でも1000円はないと人間的な生活が困難です。

最低賃金アップに対する反論

 最低賃金をアップしよう! と呼びかけると、必ず「中小企業が倒産してしまう!」という反論があります。
 ことはナショナル・ミニマムの話なのですから、政府が補助すればいいでしょう。

 くわえて、「生産性が向上すれば自然と賃金が上がるはずだ!」という反論も見られます。この反論は2つの意味で愚にもつきません。

 1つはナショナル・ミニマムの問題であり、生産性向上などまったく関係がないこと。人権や生存権の話をしているときに「もっと稼げば保障される!」と主張することのバカバカしさと同義です。

 もう1つは、生産性向上のためにも最低賃金をアップさせるべきです。むしろ、最低賃金をアップさせると生産性が向上します。
 生産性とは付加価値の増加です。付加価値の総合計はGDPとして算出されます。
 すなわち、生産性の向上=GDPの増加です。

 GDPの増加には需要が必要です。最低賃金は低所得層の所得を向上させます。低所得層ほど消費性向は高いですから需要も増加します。
 したがって、最低賃金は生産性の向上にもつながるのです。

 もっとも、生産性向上につながらなくても最低賃金はアップさせるべきです。

まとめ

 最低賃金の手取りがわずか11万5000円。この金額に筆者は衝撃を受けました。月に160時間働いて11万5000円です。や、安すぎない?! と多くの人が感じるのではないでしょうか。

 11万5000円では一人暮らしもなかなか困難です。貯蓄も厳しいでしょうから、安定した生活は営めません。
 結婚もできませんし、子供も作れません。

 これが、この国の定める「健康で文化的な最低限の生活」でしょうか?
 最低賃金のアップが必要なのは論を待たないと思います。

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