竹中平蔵が推進するBIを本当に望んでいるのは誰か?『ベーシックインカムとは本質的に雇用主への補助金に過ぎない!』

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「コロナ禍の危機に便乗したショックドクトリンが横行する日本ですが、その最たるものがパソナ会長の竹中平蔵が唱えるベーシックインカムです」

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 『盛り上がるBI議論』

 コロナ禍の定額給付金を契機に、一部で盛り上がりを見せるベーシックインカム(BI)導入の議論ですが、私は労働と報酬の関係に革命を起こす社会改革運動と見ています。しかし働かなくとも、収入を得たいと考えているのは、何も労働者側だけではありあません。企業や経営者サイドも同じ事を夢想しています。

 『雇用主は奴隷が欲しい』

 働かなくとも収入が欲しいと我々が夢想するのと同じように、経営者サイドも、出来るだけ安い賃金、出来ればタダ同然で奴隷の様に嬉々として働く人材を欲しています。その証拠に過去数十年間の間で、テクノロジーの進歩で圧倒的に生産性が向上していますが、その殆どは労働者には分配されず、企業は少しでも安い賃金を求め、国境を超えて生産設備を世界中に移動させました。

 『パソナ会長の竹中平蔵が導入を求めるBIとは?』

 ベーシックインカムとは、ネオリベの始祖ミルトン・フリードマンが提唱した事で知られ、既存の福祉を全廃し、その分の金額を国民に直接配る政策です。最近流行の福祉制度はそのままに給付金を配るユニバーサル・ベーシックインカムの金額が、5万円から10万円程度なのも、その残滓です。

 『BI論者の夢を語ろう』

 駒沢大学准教授の井上智洋さんは、BI論者として知られますが、著書の中で次の様に語っています。『無意な営みでは無く、本を読んだり、映画を見たり、経済学の研究を進めたり、居酒屋に行ったりしたい。無駄な労働では無く、絵を描いたり、ギターを弾いたり、仲間とフットサルをしたり、カフェで友人と語らったり、家族で旅行をすべき』と、でも本当でしょうか?

 『BIは経営者と労働者のどちらに有利か?』

 仮に経営者と労働者が共に、BIの目指す労働と報酬の関係の断絶を求めているとしたら、その綱引きの勝者は一体どちらになるのでしょうか?それは間違いなく、BIの支給額が、今の物価水準で、我々が働かなくとも生活出来る金額になった瞬間まで、圧倒的に経営者側に有利な仕組みにBIはなるでしょう。

 『働か無くとも生活できる水準の給付で無ければ無意味』

 ベーシックインカムが労働者にとって有利な制度になるには、最低でも月20万円、出来れば30万円から40万円、希望としては月100万円くらいの支給額にならない限り、BIは、雇用主にとっての補助金としての機能するでしょう。働かなくとも生活できる水準の給付金を得て、BIは、我々に経営者と対等の関係を築くことが出来るのです。

 『BIの分だけ収入減になる』

 ベーシックインカムに賛同する皆さんは、仮に5万円のBIなら、毎月20万円の給与が、25万円に増えると思っているでしょうが、実際は逆です。今20万円の報酬が、5万円のBI分を引いた15万円に綺麗に減るのです。報酬減を法令で規制しても、雇用主は、あの手この手で報酬を削減します。新自由主義=ネオリベの恐ろしいのは、徐々に社会を改革する点です。

 『最悪なのは1万円のBI』

 一部のBI論者の中には毎月1万円なら今直ぐBIが可能と語ります。確かにこの水準なら政府支出は年15兆円くらいの増加ですから、大したインフレにもなりません。これを徐々に増やすと言うのも理論的には可能です。ところがBIの本質的な欠陥、つまり企業側の補助金という性格を鑑みると、これは悪手です。雇用主は、こっそり、少しづつ給与を減らすことが可能です。

 『最低毎年300兆円の財政出動を前提に理論構築せよ』

 仮に毎月20万円のBIを想定した場合、年間の政府支出は300兆円の増となります。BI論者の方に是非お願いしたいのは、政府支出が今より300兆円や500兆円増えても、インフレにならないとの理論構築をしてから、BIを語って頂きたいです。私は、積極財政派の消費税廃止論者ですが、流石に300兆円も政府支出を増やせば、酷いインフレになると思います。

 『究極のネオリベ政策は、積極財政の衣を身に付ける』

 BI肯定派の思想的なキモは、労働と報酬の関係の断絶ですが、同じ夢は経営者も抱いています。パソナ会長の竹中平蔵が真っ先にアフターコロナでBIを語った理由も同じです。日本の諸問題は、その殆どが積極財政で解決可能ですが、究極のネオリベ政策であるBIは、財政出動によって庶民を貧困化させます。その意味で、全ての積極財政派は、BIに反対すべきですし、BI派は、その理論的な欠陥の解決方法を模索すべきでしょう。

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当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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