安倍政権の功罪-支持ないし批判の認知不協和の深刻さを深掘り

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 現在は2020年5月。来年には安倍総理が退陣し、安倍政権が終了する予定です。

 「安倍総理しかいない!」と言っていた、熱心な安倍政権支持者はどうするのか? いささか意地悪な興味を、筆者は抱いています。

 閑話休題。そろそろ安倍政権の功罪について、冷静に総括してもよい時期ではないでしょうか。緊急事態宣言と新型コロナで、また評価は変わる可能性はあります。しかしいま、安倍政権の功罪を総括しておくことは、無意味ではないでしょう。

 先に結論を申し述べれば「安倍政権の功罪」ではなく、「安倍政権の罪と罰」と題するべきでした。

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安倍政権の功罪を論じる前に

 安倍政権の功罪を論じる前に、いくつか明らかにしておかなければなりません。

 ひとつは、功罪をどのように判断するか? です。もうひとつは、安倍政権で起こった主な出来事や政策についての整理です。

 簡単にそれぞれ、参照していきましょう。

功罪をどのように判断するか?

 功罪をどのように判断するか? 功罪の基準をどこに置くのか? は非常に重要な問題です。しかし我が国は民主主義国家ですから、主権者たる国民の利益、すなわち国益に沿えば功として、国益を毀損すれば罪として判断すればよいでしょう。

 国益はしばしば、国民が損をしても獲得しなければならない、国家全体の利益のイメージで語られます。しかし国民が損をして、取れる利益とは何でしょうか?

 国家とは国民・領土(領海も含む)・統治権力の3つから構成されています。民主主義国家で統治権力は、国民のために存在します。
 従って「国民が損をしても獲得するべき国益」とは、領土や領海以外には存在しません。

 以上のことから基本的に、国益とは「国民の利益」と捉えて判断することにしましょう。

安倍政権で起こった主な出来事

 次に安倍政権で起こった、主な出来事や政策を整理します。

2度の消費増税

 2014年4月と、2019年10月の2度にわたって安倍政権は、消費税を増税しました。どちらの増税でもGDPは、リーマンショック並みのダメージを受けました。

 消費税増税が行われた経緯は、非常に単純です。
 日本に財政問題が存在し、国債の増加は財政破綻につながるとの懸念から、プライマリーバランスの黒字化を目指す。これが消費増税を決断した前提条件であり、経緯です。

 もちろん、日本に財政問題は存在しません。財政問題が存在しないことの詳細は、以下の記事をご覧ください。

プライマリーバランスの嘘と緊縮財政-国力を疲弊させる経済政策
「日本に財政問題なんて存在しない」 上記は事実であり真実です。「そんなバカな! 1000兆円を超える借金があるじゃないか!」と反論したくなるでしょう。しかしほんの少しだけ、筆者の記事に耳を傾けて……いや、目を通してください。 筆者はこれまで

入管法規制緩和とインバウンド

 安倍政権では着実に、新規国債を減少させました。いわゆる緊縮財政が、7年間にわたって行われたのです。

 緊縮財政を前提とすると、本質的に景気回復や向上をさせる手段を失います。従って景気や経済のため、外部からマネーを取り込むという発想になります。
 例えば特定の市場の規制を解放し、外資を呼び込むといった発想です。

 入管法規制緩和やインバウンドは典型例で、安倍政権でインバウンドおよび外国人労働者が激増しました。

カジノ法案

 カジノ法案もインバウンドを取り込むための、規制緩和のひとつです。統合型リゾートIRを建設し、外国人観光客を呼び込むことが目的です。またカジの運営には、海外企業が携わることになっています。

 カジノ法案ではギャンブル依存症が問題になりますが、筆者はむしろ日本の外需依存症が問題だと考えます。

水道事業民営化

 水道事業民営化の建前は、老朽化した水道管の更新を促すためとされています。

 水道事業を民営化することにより効率的な運営が可能になり、コスト削減が進む。従ってその削減分を、水道管の更新に使用できる。このような理屈で、水道事業民営化は進められました。

 ……水道管を更新する予算を、政府が支出すればよいだけです。けれど緊縮財政が前提条件ですから、政府支出の増加による対応は却下されています。

 水道事業民営化では、水という生命維持に必要不可欠なインフラが、外資に握られる危険性があるとして反対が巻き起こりました。

安倍政権の功罪

 安倍政権の功罪を政策ごとに論じることも必要ですが、本稿では大まかに判断していきます。

新自由主義的な政策で国益を損ねた

 安倍政権の特徴は、新自由主義的であることです。小泉政権以来のラディカルな新自由主義です。

 新自由主義には、以下のような特徴があります。

  1. 格差を拡大させる
  2. 金融危機が頻発する
  3. 経済成長が最終的に低下する
  4. 国境が薄まることで、文化衝突が起きる
  5. ボトム9割は貧困化する

 新自由主義はグローバリズムとも容易に接続され、国や国境を薄める性質があります。よって国益になるはずがありません。

 新自由主義的性格は、安倍政権の功罪で「罪」と判断します。個人的にはこれだけで、赤点どころかマイナス100点です。

緊縮財政で実質賃金が低下

 新自由主義的性格の安倍政権は、プライマリーバランスの黒字化を目的として緊縮財政を続けました。結果はどうなったのでしょうか?

 世界経済が好調にもかかわらず、安倍政権下での実質賃金は民主党政権より5%も下落しました。

 国民の貧困化はもちろん、国民にとって損ですから国益の毀損です。緊縮財政も安倍政権の功罪のうち、「罪」に入ります。

長期政権下で外交が安定した

 安倍政権は長期政権化し、日本外交が安定したと評価されます。確かにコロコロとトップが変わるより、外交は安定します。

 但し、「マイナスで安定」か「プラスで安定」かで話は変わります。

 筆者の知る限り、安倍政権の外交成果はゼロないしマイナスです。

  1. 北方領土問題で大きくロシア側に譲歩して後退
  2. 北朝鮮問題は1㎜も進展なし
  3. 日米外交は日米FTAの強制などで押し込まれている

 そもそも軍隊がない日本が、外交の成果を出せるはずがありません。よって成果がゼロであれば、功罪の「功」と判断します。

 安倍政権は無用に成果を急ぎ、むしろマイナスに陥りました。よってやはり「罪」と判断せざるを得ません。
 マイナスで安定したら、ダメですよね。

認知不協和が深刻になった

 安倍政権の功罪で忘れられがちですけれど、嘘の多さは指摘されるべきです。モリカケ問題や公文書改ざんなど、様々な問題が噴出し、未だに解決していません。

 しかも安倍政権は「やると言えばやらない」「やらないと言えばやる」が深刻です。これは安倍政権だけの問題ではなく、日本全体にも当てはまります。

 例えば自民党は「TPP断固反対」と、2012年までは主張していました。しかし2013年には主張を180度変えて、TPPを批准しました。
 もしくは維新の会はどうでしょう。2012年のポスターで「大阪市は解体しません」と書かれていました。しかし大阪都構想は、大阪市を解体する構想でした。

 日本の政治全体で嘘やデマ、認知不協和が蔓延っています。その最たるものが、安倍政権です。やはり功罪で「罪」としか判断できません。

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まとめ 安倍政権の功罪と、支持もしくは批判の認知不協和

 困ったことに「安倍政権の功罪」と題しながら、罪しかありませんでした。むしろ「安倍政権の罪と罰」とでも、題した方が適切だったでしょうか。

 最後に安倍政権支持もしくは批判の、認知不協和について触れたいと思います。

安倍政権への判断国民の支持への捉え方認知不協和や矛盾点
①安倍政権はよい・だから長期政権
・だから支持率も高い
・国益の毀損に目をつぶれば、筋は通る
国益の毀損が「よい政治」という矛盾が生じる
②安倍政権はダメ・けれど国民は騙されている・騙される程度の知性で、善政が選択できるか?
③安倍政権はダメ・支持している国民もおかしい・民主主義は結果を保証しない、という結論に
・もっとも矛盾が少ない現実解釈

 安倍政権への解釈は、上記のように3通りあります。筆者は③の解釈をしていますが、一般的には①と②の解釈が多いです。

 このように表にまとめてみると、安倍政権の支持もしくは批判のどちらも、認知不協和に陥っているのではないか? との疑義が深刻です。

 安倍政権の功罪で、もっとも罪深いことは批判、ないし支持どちらも認知不協和に陥らせたことかもしれません。

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