大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年2月20日(令和2年2月20日)
河合様のアンサー記事に対してさらに意見を述べたく、再度派遣業に関して考えてみました。
政府支出増と組み合わせて、労働者優位の社会を実現へ
また、派遣社員なら雇っていた企業も、正社員なら雇わない可能性もある。
引用元: 公共派遣について
だから、専門職以外の派遣業を禁止すれば、正社員になれない人が出る恐れがある。
派遣業を禁止していた1990年代の時代に戻すだけとしても、当時以上に正社員の雇用に及び腰の企業が、膨大な数の派遣社員を新たに正社員にするとは河合は信じられない。
上記の件に関しては、おっしゃる通りとしか言いようがありません。
政府支出を増やして正社員を雇用しないと労働力が安定的に確保できないほどの好景気を実現するべきでしょう。
私が主張する現実的な派遣規制案(仮呼称)だけでは駄目で、消費税廃止、公共投資増、ユニバーサル・ベーシックインカムなどでデフレから脱却し、年率4%程度のインフレにしないと正社員になれず解雇される方が増えてしまうと考えています。
派遣業に対する規制強化だけでは片手落ちと言われても仕方ないでしょう。
また、河合様のご意見を見るに、就業保証プログラムの代替案としての公共派遣というのはあり得るのではないかという考えに至りました。
就業保証プログラムとは何か
「就業保証プログラム(Job Guarantee Program)」 とは、就労意欲のある失業者に対して、仕事を提供する仕組みのことであり、完全雇用の達成を目的とした政策手段として位置付けられています。
就業保証プログラムは、働く用意と意欲がある適格な個人なら、誰でも職に就けるように政府が約束するプログラムである。
L・ランダル・レイ. MMT現代貨幣理論入門 (Kindle の位置No.5996-5998). 東洋経済新報社. Kindle 版.
中央政府は、統一された時給を福利厚生と共に提供する共通プログラムに対して資金を拠出 する
失業者に職を提供するための資金は中央政府が拠出し、時給と共に福利厚生(社会保険や有給休暇など)も受けことができます。
中央政府は就業保証プログラムにおける統一基準賃金を定め、中央政府が引き上げることを議会で承認するまで固定されます。
※統一基準賃金は必ずしも現在の最低賃金である必要はないということに注意
就業保証プログラムにおける統一基準賃金よりも高い賃金を支払うことができれば、民間企業は就業保証プログラムから人材を引き抜くことができるので、民間企業の労働力獲得を公共機関が阻害しにくいという特徴がございます。
就労意欲がある者であれば、誰でも就業保証プログラムの仕事を引き受け、仕事ができるので、中央政府が決定した事実上の最低賃金として統一基準賃金は機能します。
仮に、民間企業において統一基準賃金よりも低い賃金を提示されたら、その民間企業での就業を拒否して、中央政府が用意した就業保証プログラムの仕事をすることになります。
東京都の最低賃金は1013円ですが、日本政府が就業保証プログラムを実現して、統一基準賃金を1500円にすれば、事実上の最低賃金は1500円になるということです。
※参考記事:東京都最低賃金を1,013円に引上げます
就業保証プログラムのデメリットを解消できるのでは
就業保証プログラムにはデメリットもございます。
以下において簡単にまとめさせていただきます。
1、就業意欲がある日本国民すべてに仕事を提供するのが困難
2、民間企業の事業を圧迫するのではないか
3、中小零細企業の離職を誘発するのではないか
公共派遣であれば、民間企業への就業を中央政府もしくは地方自治体が斡旋することになるので、仕事を提供しやすくなります。
公共派遣であれば、民間企業の事業に労働者を参加させることになるので、事業圧迫ということにはなりません。
公共派遣であれば、中小零細企業にも労働者を派遣することになりますので、中小零細企業の労働力不足も解消するでしょう。
こういった公共派遣が一般的な労働者の権利を最大限守り、最低賃金以上の金額を支払うようになれば、民間の劣悪な派遣業は打撃を受け駆逐されることになるでしょう。
※劣悪な派遣業に打撃を与えつつ、TOBを仕掛ければ安価に民間派遣会社を買収可能です。
これに加えて、子供食堂などの公共的な事業も継続的に行えば、かなりの仕事量を確保できるのではないでしょうか。
専門職では無く、非正規雇用されていた労働者を守るためにも、利用できるのではないでしょうか。
公共派遣を紹介予定派遣に限定するというのはどうだろう
紹介予定派遣とは、派遣期間(最長6ヶ月)終了後、本人と派遣先企業双方合意のもとに社員となる働き方です。
引用元:紹介予定派遣とは
一定期間「派遣」で働くことで実際の仕事内容や職場を見極められ、未経験でも希望の仕事に就けるチャンスがあります。
また、自分だけでは探せなかった企業に出会え、転職活動にかかる労力や時間も節約できます。
ただ、公共派遣を制度化して、民間企業へ労働者を派遣するとなると、民間企業が労働者を正社員として雇用するインセンティブが薄れてしまうという可能性が高いのではないかと思います。
ある程度のお金さえ出せば、政府もしくは地方自治体から労働力の供給を受けることができるので、自社で従業員を雇う必要性が低減してしまうからです。
ではどうすればいいのかと申しますと、公共派遣を「紹介予定派遣」にすれば問題解決なのではないでしょうか。
簡単に言えば、公共派遣を受け入れる企業で一定割合の労働者を正社員として雇用するならば、法人税減税、一定割合以下ならば法人税増税とすれば、派遣社員を自社の正社員として雇うことになります。
正社員雇用率60%以上ならば、法人税減税、正社員雇用率30%以下ならば法人増税という線引きで始めて、正社員雇用率が上向かない場合はその線引きを変更したり、法人減税だけでなく補助金を支給するなど制度を徐々に改変すればいいのではないでしょうか。
こうすれば労働力の供給だけ受けて、雇用創出という社会的責任を放棄した企業は駆逐されるでしょう。
場合によっては正社員雇用率10%を下回ったら罰金というのも効果的かと存じます。
本日は以上です。
今回の記事も、絶対に正しい意見とは思ってません。
コメントをいただければ幸いに存じます。
なるほど、非常に深い考察がなされており、感心しました。
確かに公共派遣の働きに依存し過ぎると、民間企業が公共派遣任せになって正社員を雇用しなくなる可能性もありますね。
そうすると、確かに正社員の雇用に真面目な企業と不誠実な企業の差を利用しにくいですね。
そういう面からすると、民間企業の雇用努力を引き上げる為にも、従業員の雇用形態や賃金や待遇に応じて、法人税の割合を決定するのがいいでしょうね。
TO:河合様
コメントをいただき、誠にありがとうございます。
多忙故コメントに返信できませんでした。ご容赦下さい
>>なるほど、非常に深い考察がなされており、感心しました。
ご評価をいただき、ありがとうございます。
派遣を問い直すことで、考えがまとまったような気がします。
就業保証プログラムの代替案としては公共派遣に賛同できるかもしれません。
※まだ理論としての粗が目立つので、もっと練り込みたいというのが正直なところです。
別の話になるのですが、山本太郎氏の年金廃止の件、
本当なのでしょうか。
第一次情報源をいただければ幸いに存じます。
あの反緊縮財政派の山本太郎がそんなことを口にするとは信じられないです。
以上、よろしくお願い致します。
お邪魔いたしますです。
>こうすれば労働力の供給だけ受けて、雇用創出という社会的責任を放棄した企業は駆逐されるでしょう。
ここ、好きですね。ムチ型一辺倒をアメ型へ転換する解だと感じたです。
シルバー人材センターの「請負」って方向性と、純粋な派遣との住み分けや取り込み。アウトソーシングって言うものの事実上の請負を取り込んで行けたらばと思うです。漠然として纏まってないです。
JGPまで昇華させるなら必須。派遣に絞れば無関係って辺りかなって考えてるです。
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(。ー_ー。)ノ おいらのよーな、ろくな資格もない凡人が気軽に職を求められる派遣でなくなるのは気になるです。ある意味、セーフティーネットの役割になってるかもです。「一般派遣」「丙種派遣」とかで、住み分けかな。
請負が形を変えて残ったよーに、悪知恵が働く人が、何かたくらむのかなー。