谷垣禎一首相待望論。消費税倍増の安倍政権の惨状を直視し、いまこそ車椅子の宰相誕生による日本再生の道筋を探る。

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 消費税廃止で話題沸騰の「れいわ新選組」ですが、特定枠で身障者と難病患者の二名を国会に送り込みました。ならば保守派の良識派こそ、消費税を倍増し、ステルス移民作戦で日本の国柄を変えて、国家の店じまいを狙う安倍総理は直ちに退陣させ、後釜には同じく車椅子のアノお方こそ最適なのではないでしょうか?本エントリーは、私が数年前に発表した政治小説『増税派の谷垣首相が消費税を廃止した理由』を再掲載させて頂きます。以下本文です。

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『第一章:自民党T先生への工作員になった私』

『秘密結社・国家戦略特区』

 私は、秘密結社「国家戦略特区」の工作員『n』自民党T先生の元担当である。秘密結社と言っても本当にこのような組織があるのかも不明で、組織名も便宜上そのように表現しているだけである。というのも私は『影法師』という人物の指示通り動いてるだけで、組織の全容を全く知らない末端の工作員だからである。

『私が工作員になった理由』

 私はあるSNS機能のあるブログの読者で時々コメントする感じだったのだが、毎日ブログのエントリーをアップするある人物からの突如メッセージが届いた。そこには、あるメールアドレスが書かれており「貴女には日本を救う為に力を貸して欲しい」と記載されていた。私は興味本位で彼に空メールを送付した。

『マーケティング・コンサルタント』

 数日後、返信が届くとブログの驚くべき正体が明らかにされた。曰く将来総理になる可能性のある自民党のT先生に対しコンサルティング業務を行って欲しいというのだ。彼が約束したのは三点で、違法行為や身の危険が及ぶ作業は絶対に無い事。守秘義務がある事。そして多額の報酬が支払われる事である。

『とあるエージェントの日常』

 彼が具体的に教えてくれた工作の内容は他愛ないモノであった。T先生の後援会に入り法律を遵守した政治献金を行う。T先生の政治資金パーティや講演会に必ず参加する。T先生の選挙活動にボランティアとして参加する。そしてT先生に手紙やメールやFAXを送る。たったそれだけの普通の政治支援活動だ。

『具体的な指示系統について』

 報酬が魅力的だったのと、守秘義務を果たせば何時でも辞めて良いという事から、取り敢えずアルバイト感覚で気軽に始めてしまった。工作の指示は実に事細かな内容までされたのだが、内容の伝達がユニークだった。スマフォにインストールされた専用アプリに、指定された特定の人物のコメントをコピペするのである。

『罵詈雑言が指令に変換されるアプリ』

 専用アプリはインターフェースがLINEそっくりで目立たない工夫がされている。また利用するコメントは評論家Mのファンにしてアンチとして名高いあるクズコメンテーターが指定されていた。例えば「家畜www・・・・」から続く罵詈雑言コメントが「来週水曜日に以下のメールを・・・」と綺麗に変換されるのだ。

『人工知能かパスワードか?』

 私は、このアンチは実在の人物ではなく最新のテクノロジーを投入して作られた人工知能では無いか?と疑ったが、逆にパスワードとして利用しているだけでは?とも考えた。これで彼が罵詈雑言を書いてもアクセス禁止にならない理由が分かった気がする。ともかく私は、彼のコメントを一日中追っかける羽目となった。

『第二章:経世済民思想をインプットする工作』

『後援会でも顔が知れるようになる』

 私も熱心に活動したお陰で徐々に後援会でも知られる顔となった。後援会の関係者も私を有閑マダムとでも思っているのだろう。T先生とも直接言葉を交わす機会も出来て人柄に対し好意を持つようになる。東大出の元大蔵官僚で大物議員にも拘らず腰が低く「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を思い出したくらいだ。

『品行方正にして熱き心を持つ人物』

 T先生はかつて週刊誌にチャイナの工作員のハニートラップに引っ掛かったと書かれた事があったが絶対にそんな事は無い。「真面目一本やりな堅物」T先生の人物像を一言で現せばそうなる。数々の不祥事を繰り返す政治家を見るにつけ総ての国会議員が先生のような人格者であって欲しいと願う程である。

『新たな工作の指令とは?』

 このような日々を長く続けていた私だったが、ある時から後援会の新規会員を紹介する指令が新たに加わった。全く知らない人物なのだが相当数紹介したと思う。それから暫く経つとまた別の指令が加わる、それは言論人を招いて開く有料の講演会の企画だった。私は指示通りにあるコーディネート会社を訪れた。

『資金パーティを兼ねる講演会』

 企画の概要を説明すると担当者は、既に内容を把握しているかのような対応をしてくれた。内容を煮詰めてからT先生の事務所に企画を提案すると、政治資金パーティーを兼ねる部分が高く評価されて直ちに採用された。関係者のスケジュール調整も、かなり前から準備したかのようにスムーズに進んで行った。

『勉強会の豪華メンバー』

 講師陣は、中野剛志、藤井聡、柴山桂太、伊藤貫、施光恒、青木泰樹、佐藤健志、島倉原、三橋貴明などのメンバーに決定した。特に最初のオープニングには、T先生と縁の深い藤井聡、柴山桂太など招いて盛大に開かれたのだ。

『経世済民の思想を理解してもらうのが狙い』

 講演会は最初の数回はパーティー形式だったが徐々にプライベートな勉強会の雰囲気に変わって行った。T先生は主宰者として全回参加して頂いた。出来る限りその後に開かれる親睦会や二次会、更に三次会に参加して頂いた。言うまでも無いが、経世済民の思想をT先生により深く理解して貰うのが狙いである。

『第三章:T先生と経世済民と私の秘密』

『大成功だったシリーズの最後』

 講演会の最後は三橋氏が講師として招かれた。シリーズは何れも満員御礼が続きT先生もこの講演がある時は上機嫌なくらいだった。私は三次会の最後まで参加するのが指令な為に皆勤賞だった。今回も三次会の会場に向かったのだが到着すると、T先生、三橋氏、私と、帽子を被った見知らぬ男性の4名だけだった。

『先生との楽しき会食』

 先生や三橋氏は、会話が忙しく全く食事が出来ていないとの事なので、先ずは乾杯して会食をスタートするが、外のメンバーがちっとも来ない。地下のレストランだったので三橋氏と男性は、地上に出て皆を探しに行ってしまった。考えてみればT先生と二人きりになるのはこの時が初めてだったが予想外に話は弾む。

『明らかに酩酊状態になった先生』

 その後、暫くすると帽子を被った男性だけ戻って来て皆が別の会場にいる事が分かった。三橋氏は既に移動してしまったらしく、私と先生も帽子の男性と共に別の会場に向かう事にした。ところが店から出ると先生の様子がおかしい、明らかに酩酊状態に陥っている。仕方が無いので私が一人で何とか先生を支えた。

『黒塗りの車で向かった先は・・・』

 帽子の男性は、タクシーでは無く黒塗りのスモークガラスの車を用意して来た。それに何とか乗込むと先生は殆ど意識がない。帽子の男性は「少し休ませた方が良いでしょう」と語ると暫くして車は地下駐車場に吸い込まれて行った。車を降り先生をエレベーターに乗せて上部階まで移動したあと事件が起きた。

『呆気に取られるしか無かった』

 エレベーターを降りて扉を開けると、そこは今日私が泊まる予定のホテルだった。帽子の男性に促されて先生を一緒に担いで向かった先は、私の宿泊予定の部屋で男性は自分の持っていたキーで中に入った。先生をベッドに寝かすと男は、何と先生の服を総て脱がしてしまったのである。私は全く呆気に取られてしまった。

『一体何が起きたのだろうか?』

 帽子の男性は、服を乱雑に部屋にバラまいてT先生をベッドの中に寝かしつけた。唖然とする私に向かって彼は「ご安心下さい。私は貴方の『影法師』です・・・」と語るが、次の瞬間、私は自分がベッドの中にいる事に気づいた。正確に表現すると私は大きな物音がしてベッドの中で眼を覚ましたのである。

『狼狽して逃げ出した男性』

 音の方向を見ると男性が慌てて部屋から逃げ出して行く瞬間だった。顔が見えなかったが後ろ姿は明らかにT先生だった。どうやら私は、いつの間にか服を着たまま寝てしまったようだ。『影法師』だと謎の言葉を残した人物の姿も無く、私は一人部屋に残された。カーテンの隙間からは朝陽が差していた。

『工作員としての役割を終えた私』

 何とも気まずい昨夜の出来事だったが、翌日に指令を確認すると、先生へ詫び状を書いて、後援会を退会するようにとの指令であった。その手紙の文面が腹立たしく、私がまるで先生と不倫関係に有ったかのように取れる内容だった。手紙の内容を大幅に加筆修正して先生に送付し、私は指示通り後援会を退会した。

『後援会も秘密結社も退会した私』

 その後アンチのコメントをアプリにコピペしても指令は出なくなった。OSがバージョンアップするとアプリも消えてしまった。私を誘ったブロガーに連絡をしてもメールは戻って来る、どうやら私は組織も退会してしまったようだ。しかし毎月報酬は名義を変えて振り込まれている。これは口封じと言う意味だろうか。

『最終章:T総理の消費税と米軍基地ゼロの奇蹟』

『急展開した政局』

 その頃、時を同じく政局が慌ただしくなる。盤石だと思われていた安倍政権の支持率が急落し、安倍総理が退陣に追込まれたのだ。自民党では総裁選挙が行われ敵が少なく無難な政治家と思われたT先生が総裁に返り咲く。私が気になったのは先生の公約がそれ迄と微妙に変化していた点で、増税ありきでは駄目云々だ。

『消費税廃止とTPP不参加』

 緊縮財政派と思われていたT先生は大型補正予算を連続して実施し景気回復を実現した。更に想定外の動きとしては、突如、散総選挙に討って出たのである。また選挙中の野党との党首討論で、急に消費税廃止を打ち出し、庶民の喝采を浴びて歴史的な勝利を収めた。

『奇跡の政治活動』

しかし総選挙を経ているとはいえ、突然の消費税廃止の動議は、財務省に激震を見舞うが、T首相は更に間髪を容れず財務省の人事に内閣人事局を使って手を入れ財政破綻論者を黙らせ、圧倒的な議席数を背景に消費税を廃止してしまった。この間、僅か1年の出来事である。

『積極財政で日本大復活』

 また国土強靭化や、インフラ整備、自主防衛、尖閣沖の石油採掘や自前のエネルギー開発などの予算を組む為の数百兆円の基金を設立し法案を通過させた。原発や、野方図に建設され環境破壊の元凶となっている太陽光発電のメガソーラーは全て国有化し、原発は湯水の様に安全対策にカネを注ぎ込み全て再稼働させてた。国有化された発電所は無償で電力会社にリースされた結果、日本の電気料金は、主要国で最安値となり、日本経済再生の原動力となっている。

『在日米軍の追放に成功』

 また日米首脳会談では、日本政府が保有する100兆円に及ぶ米国債を財源に、米国とメキシコとの国境線に日本への石油天然ガスを輸出するパイプラインを建設し、それを取引材料に国内の米軍基地を全廃する事も合意した。このパイプラインの建設は、日米貿易摩擦の解消と共に、事実上トランプが望む国境の壁の役割を果たすものだ。ホワイトハウスで調印された安保条約破棄の上で定められた日米同盟条約は、日英同盟と全く同じ内容なので、日米双方が互いの戦争に巻込まれない利点がある。

『僅か2年で辞任の謎』

 T政権は景気回復で高支持率を確保していたが、政権三年目に入る頃、消費税廃止の責任を取ってT総理は突然辞意を表明した。本格政権を期待する声が高かっただけに驚きが大きかったが、本人の意志は固かった。しかしT先生の政策が総理就任前の主張と全く正反対の事を実現したのは大きな謎である。

『謎は謎のままが良いのか?』

 T先生が総理を辞職して数年が経ったある日、週刊誌にデカデカとT先生のスキャンダルが出ていた。ある祇園芸者の不倫告白なのだが出ていた写真は何と私だったのである。遠くから撮ったモノクロの写真なので、顔の特定は難しいが間違いなく私だ。状況が複雑過ぎて憶測が憶測を呼ぶが謎は謎のままで良いだろう。

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