3月になるとメディアで9年前の東日本大震災にに関する話題が多く取り上げられる。NHKも3月7日のNHKスペシャルや9日のおはよう日本の特集で震災について取り上げていたが、安倍政権に忖度しているとしか思えないような内容で、復興や防災へのNHKの本気度は感じられなかった。
NHKスペシャルは「東日本大震災 40m巨大津波の謎に迫る」
というタイトルで、岩手県宮古市周辺を襲った予想を大きく上回る40mもの巨大津波のメカニズムを検証するというものだった。この巨大津波は地震の際に海底で地滑りが発生することで起こったもので、このような津波は東京湾や大阪湾など全国で発生する可能性があるが、従来の観測システムでは予測が困難だそうだ。
ここまでは良かったのだが、ここから導き出された結論が政権に忖度しているとしか思えない次の災害に備えるうえで役に立たないようなおかしなものだった。
防潮堤が必要という結論を何故か避けるNHK
巨大な津波が押し寄せ、人々が避難した高台でも一部で犠牲者が出たということやぎりぎりで難を逃れた人がいたことにふれていたので、当然、「防潮堤は一定程度効果を発揮したが、不十分なところもあったので人々の命を守るために東北被災地や今後の南海トラフ地震等で津波が想定される地域において、人々の生命と財産を守るためにより強靭な堤防の整備を進めるべき」というような結論になると予想していたが違っていた。
NHKの悪質な印象操作が津波犠牲者を増やす
番組後半では、防潮堤の近くの建物が津波で壊れる映像を流しながら、「津波が堤防を越えると逆に破壊力や速度が増し、被害が大きくなる」、「防潮堤を人々が過信して避難が遅れる」などの識者の見解を紹介するなどしており、防潮堤整備に否定的な方向に視聴者を誘導しようとしているように感じられた。
だが、これは明らかな悪質な印象操作だ。確かに堤防によってそのような現象が起こるのは事実かもしれないが、堤防がある場合よりも無い場合のほうが被害は小さくなるという説得力ある根拠が示されなければ、それは防潮堤を否定する理由にはならない。にもかかわらず、この番組の中では同じ場所に防潮堤が仮に無かった場合の被害シミュレーションは示されて無かった。堤防があっても無くても海の目の前の建物は津波が来れば必ず被害を受けるものであり、全体的に見れば堤防が無いよりあったほうが被害が小さくなるというのは子どもでもわかるはずだ。
証明されている防潮堤の有効性を無視するNHK
例えば、独立行政法人港湾空港技術研究所が釜石港に津波防波堤が無かった場合の想定と、東日本大震災の津波のデータを比較した結果、津波の到達を6分遅らせ、津波高を無かった場合の13.7mから8.0mに4割低くしたり、最大遡上高を無かった場合の20.2mから10.0mに5割下げるなどの効果があったことが判明している。NHKはこういう事実を無視したのである。
保身のために安倍政権に忖度して国民を見殺しにするNHK
NHKは、緊縮財政の安倍政権に忖度し、防潮堤に対する否定的な印象操作をしているとしか考えられない。
この印象操作の結果、四国や近畿、東海の太平洋沿岸など巨大津波が想定される地域で防潮堤の整備が不十分となれば、被害が広範囲に及ぶことで、せっかく避難して助かった人々の命が長期の避難生活による健康状態の悪化や、復興が遅れることによるストレスによる自殺などで脅かされてしまうだろう。NHKの罪は非常に重い。
防潮堤整備と防災意識向上は両立可能
防潮堤には一定程度の被害軽減効果があるのだから、津波が堤防を越える際の破壊力や速度増に対しては技術的な面で対応し、そうした現象の発生しにくい防災インフラを整備すれば良いし、防潮堤を造ることと、防災教育等で人々の避難意識を高めることを両立するのは可能なはずだ。
生活に困窮する被災地のシングルマザー
おはよう日本の特集では被災地のシングルマザーの現状について取り上げていたが、これにもNHKの安倍政権への忖度が見られた。その方は、介護の仕事で月15万円の収入があるのだが、住んでいる災害公営住宅の家賃が上がり子どもを育てるために貯金を切り崩す苦しい生活をしているとのことだった。
安倍政権の失政に全くふれないNHK
これを見れば、安倍政権は、口先だけで復興を言っていただけで、社会保障のためだと言って消費税を10%に増税したのに介護職の収入は十分に増やされず被災者に重い税負担を強いただけだったというのは明らかである。
しかし、NHKはこのような安倍政権の失政への批判や、国債発行を財源とした消費税の廃止、災害公営住宅の家賃無償化、介護職の賃金大幅アップ、全国一律の最低賃金の時給1500円以上への引き上げ、給付型奨学金等の教育への政府支出拡大などの有効な解決策に言及せず、地域のコミュニティ云々と意味不明な指摘をしていた。
NHKに公共放送を名乗る資格があるのか
被災者に寄り添うふりをしながら、政権への忖度を優先するような放送を続けるNHKには公共放送を名乗る資格はない。
お邪魔いたしますです。
反論になってしまうのを心苦しく思いながら、コメントいたしますです。
>防潮堤が必要という結論を何故か避けるNHK
>証明されている防潮堤の有効性を無視するNHK
三陸は幾度となく津波の被害に遭っています。防潮堤の有効性を語るのは、とうの昔に終わっているのです。震災の前に既に防潮堤が建設されていることでも判ります。無いという選択肢は存在しません。
問題になるのは、高さ・構造・門です。自治体によっては、かさ上げや高台移転で、防潮堤に対する考え方は様々です。防潮堤の高さが景観を損なうってもめてましたよね。
>NHKの悪質な印象操作が津波犠牲者を増やす
この放送は民間へのものとなるはずです。公の側は、既に議論され防潮堤は建設されています。つまり、防潮堤は既に有る前提になっているのです。
防潮堤が既に在るのですから、残るのは過信せずに避難するだけなのではないでしょうか。
>保身のために安倍政権に忖度して国民を見殺しにするNHK
東日本大震災の番組でもあり、景観などで議論され防潮堤が既に建設されているのですから、忖度には当たらないと思います。
他の地域への提言ならば、東日本大震災と限定しない番組で行われるでしょう。防潮堤がないとか貧弱なら、直接取材して公に訴える番組づくりも出来ると思います。
真っ向否定の方向になってしまいましたが、コメントを残しますです。