積極財政は、多くの問題解決の扉を開く

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日本は数多くの問題を抱えており、それぞれ解決が図られています。しかし政府が支出をしぶるため、なかなか成果が出ません。積極財政~経済成長は問題解決への共通の手段、中間目標となるものです。思想の違いはさておき、多くの人々が一致して訴えることで実現への道が開きます。

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日本には問題が山積み

我が国は現在、様々な問題を抱えています。
例えば……

  • 可処分所得の伸び悩み:勤労者の使えるお金は、この20年間で11%も減少
  • 婚姻減少~少子化:経済的に結婚できない若者が増え、少子化に拍車がかかる
  • 外国人労働者(移民)の増加:受入の要件緩和が進み、文化的摩擦や労働環境の問題も噴出
  • 貧困層の割合高止まり:昭和60年(1985)に12%だった相対的貧困率が15%超
  • 株主優先主義:株主の意向により、短期的利益(配当金)が重視され、投資や人件費が抑制される傾向
  • 円高・輸入物価上昇:電気・ガス代が2割弱上昇、食品価格も上昇する一方、実質賃金は3か月連続マイナス
  • 食料自給率低下:令和2年(2020)のカロリーベース自給率は37%と最低を更新
  • 緊迫する世界情勢:中国の台頭~台湾・尖閣諸島の危機、露宇戦争、北朝鮮のミサイル恫喝

並べて見るだけで、何だか嫌気が差しますね。
しかもこれら以外の問題も山積みなのですから、なおさらです。

共通の原因~消極財政(緊縮財政)

これらの問題には、それぞれ様々な原因がありますが、
一つ、共通のものがあります。

それは政府の消極財政(緊縮財政)です。

基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化

消極財政(緊縮財政)とは政府支出が少ないこと、政府がケチでお金を使わないことです。

平成14年(2002)以来、政府は閣議決定で基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化を目指しています。

「税収のみで政府支出をまかなうようにしよう!」ということですから、
税を増やす、支出を削る、国債発行(通貨発行)を抑制する、となります。

これは財政法第4条をタテに、財務省が推し進める政策です。

政府支出を増やせば、経済成長する

国家の経済規模を計る国内総生産(GDP)は、民間消費+民間投資+政府支出+輸出-輸入。

政府支出は社会保障費や公共事業、公務員給与などです。
これを増やせばGDPは増え、経済は成長します。

逆に抑制すれば、GDPは増えません。
そして、GDP(国内総生産)=国内総所得ですから、我々の所得も増えません。

「国内総所得」が増えないため、「可処分所得の伸び悩み」の原因となります。
さらにそれはほかの問題にも波及します。

政府の問題解決能力は、カネをどれだけ使えるかに左右されるのですから、当然です。
その意味で、消極財政/緊縮財政は甚大な被害を出し続けています。

積極財政とは、継続的な政府支出の拡大

政府支出は問題解決の大きな力

消極財政/緊縮財政をひっくり返したものが、積極財政です。

基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化を目指さず、
国債(通貨)を大いに発行して政府支出を継続的に拡大します。

様々な問題解決のために、政府が惜しみなくお金を使い続けるということです。

「カネがあれば全て解決!」というわけではもちろんありません。
しかし、人々の力と知恵を集め、向かうべき方向へ大きく動かすことができます。

なお、政府支出拡大には、減税や社会保障負担減、授業料無償化なども含まれます。

安倍元総理暗殺による停滞

現在も閣議決定「骨太の方針」に基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化は残っています。

しかし今年は、それが重要問題解決の妨げになってはならない旨の文言が入りました。
積極財政への転換へ大きな一歩です。

その一方で、安倍元総理暗殺により、岸田首相ら消極財政派(財政均衡派)の政治勢力が増しています。
財務省の在り様も変わっていません。

継続的財政拡大を可能とする環境の実現は、道遠しの状況です。

「積極財政」「経済成長」への忌避・嫌悪

「積極財政」や「経済成長」を目的とすべきでない?

一方で、「積極財政」やそれによる「経済成長」への忌避・嫌悪はまだまだ多くあります。
国債を「借金」として無用な恐怖を抱く人、「小さい政府」を好む人、市場原理主義の人など……

中でも不思議なのは、全体としての「積極財政」や「経済成長」を目的とすべきでないと言う人です。

防衛や食料自給、公共インフラ維持・改善などのために政府が支出を増やすのはよい。
問題解決のための財政出動は行うべき。しかし、「積極財政」「経済成長」そのものを目指すことには否定的。

といった論調をネット上で目にすることがあります。
政商として悪名高い竹中平蔵氏らも政府支出増に賛同しつつあることから、積極財政にもイヤな印象を持つのかもしれません。また、経済成長というと「強欲な資本主義」「野放図なカネもうけ」が想起されがちです。

しかし、このような考えは実にもったいないものと思います。

「積極財政」抜きで、個別の問題解決は困難

「積極財政」「経済成長」抜きに、各種の問題を個別に解決するのは困難です。

  • 防衛問題のために予算を増やせば、他の予算が削られる。あるいは増税される。(すでに財務大臣がそのような発言をしています)
  • 消費税ゼロを行えば、社会保障費を削る!と言われる。(先の参院選挙時、自民党幹事長の発言)

ある問題への対応が、他の問題の解決を妨げてしまいます。

問題同士で、互いの解決を邪魔し合うかっこうです。

「積極財政~経済成長」という共通手段/中間目標

「積極財政~経済成長」は多くの人々を結びつけ得る

上に例示したような問題を解決することが大目標だとして、
積極財政とそれによる経済成長の達成は手段であり、一里塚、中間目標です。

ここを通過すれば、互いの邪魔をすることなく、問題の改善に取り組むことが可能になります。
予算を奪い合わずに、一緒に前へ進めます。

「積極財政~経済成長」を目指すことは、様々な社会問題を改善する人々を結びつけ得るのです。

「政府の赤字は国民の黒字」「日本の国債発行は通貨発行」と気づけば、
多くの人々が「積極財政~経済成長」の一点で力を合わせられます。

もちろん、ある分野へ一時に予算を投入し過ぎると、
人的・物的資源に偏りが生じ、他分野へ悪影響が生じるかもしれません。

しかし、それもまた経済成長により国家全体の供給能力が高まることで、解消に向かうでしょう。

「積極財政~経済成長」という手段/中間目標を経なければ、我が国の停滞は続いてしまいます。

強欲資本主義者らを喜ばせてでも……

一方で、積極財政への転換が成れば、強欲資本主義者を利する面はあります。

法人税減税・労働規制緩和・大企業の四半期決算開示など、株主優先主義が大手を振る我が国です。
経済成長による果実で、彼らは大いに笑うことでしょう。

しかし、日本以上に株主優先主義と思われるアメリカでも、順調な政府支出による経済成長で、働く人の実質賃金は伸びています。

腹立たしくはありますが、いわゆる強欲資本主義者らを喜ばせてでも、まずは積極財政~経済成長を行わねばなりません。

その上で、あるいは同時並行で法人税増、労働規制強化、四半期開示廃止、設備・人材・技術開発投資の奨励などに取り組む。それが多くの国民とその生活にとって良いのではないでしょうか。

とにもかくにも、積極財政を求める声・勢力を大きくして、財務省主導による低成長~衰退の時代を終わらせねばならないと強く思います。

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3 コメント
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Reply to  バケツリレー
1 ヶ月 前

本当に大変ですね。
ご家族の方の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
お大事になさってください。

Reply to  うずら
1 ヶ月 前

ありがとうございます。
おかげさまで回復に向かっていますが、リハビリにかなりかかりそうです。
目処がつきましたら、投稿再開したいと思います。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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