サラリーマンにとっての副業のメリット・デメリット【もてはやされる背景も解説】

この記事は約6分で読めます。

日本では、正規・非正規を含め雇用者(サラリーマン、サラリーウーマン)が全体の89%を占めます。

マスメディアや政府は昨今、盛んに副業を喧伝しています。副業をおすすめするニュースや記事があふれ、政府は働き方改革で副業を推進。なにやら副業はブームのような風潮すらあります。

副業がこうまで喧伝される裏には、上がらない平均所得や雇用状況の変化があります。そもそも本業で所得向上が図られており、雇用が安定化しているなら副業なんて必要ないはず。

今回の記事では、副業がもてはやされている背景や理由について解説。くわえて、サラリーマンが副業をするメリット・デメリットもお届けします。

副業はやるべきなのか、やらざるべきなのか。記事を読んで一緒に考えましょう。

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副業がもてはやされている理由とは

副業がもてはやされている理由について解説します。

働き方改革で副業促進

2019年より働き方改革が実施されました。働き方改革では、働く場所や時間を自由に選択できる社会を目指しています。

そこで、厚生労働省は2019年から、働き方改革を通じて副業・兼業の推進を行っています。モデル就業規則を改正し、副業・兼業の規定について新設。

このように、政府が副業・兼業を推進しているのが実態です。

年金2000万円問題

年金2000万円問題も副業に関係しています。

金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」によれば、老後の20年~30年でおよそ2000万円が不足するとの試算が発表されました。この問題を巡って、いかに老後の資金を捻出するかが議論されています。

より所得を得ることが必要なので、副業が注目されています。

雇用形態と所得の変化

日本は2000年以降、新自由主義に舵を切り、非正規雇用が4割近くにまで増加しました。また、1997年をピークに所得は下落。

1997年の平均所得は467万円でしたが、2020年の平均所得は433万円でした。四半世紀近くの時間がありながら所得が上がっていない先進国は日本だけ。

こうした雇用形態と所得の変化の中で、政府は働き方改革で副業を推進しています。

結論から述べると、「政府として積極財政も所得向上もできない。したがって、自己責任で所得向上を目指して欲しい」というのが副業の推進なのです。

副業のいろいろな統計と数字

いろいろな統計がありますが、副業をしている人の割合はおよそ10%~18%なのだそう。

副業としてメディアに取り上げられる仕事は、「プログラマ」「Webライター」「アフィリエイト」「Uber EATS」「YouTuber」など。

副業の平均収入は4.3万円~6万円で、時給は約1600円。1ヶ月に約30時間を副業に充てている計算になります。

メディアで華々しく「月収100万円の副業!」などと取り上げられるのは例外中の例外。なお、副業の職種については「株・FX」が約20%、「サービス業」が約18%、「アフィリエイトやネットショップ」が約13%とのこと。

サラリーマンが副業をする理由

サラリーマンが副業をする理由に挙げるのは「収入を増やしたい」が8割以上。そのほかに「好きなことを仕事にしたい」「スキルを得たい」といった動機より、収入が欲しいという割合の方がダントツで大きいです。

参照:https://www.toonippo.co.jp/articles/-/855491

副業のメリットとして「スキルを得られる」「社外に人脈ができる」といった点が強調されますが、それはきれい事。実際には、収入を増やしたいという切実な願いが副業につながっています。

サラリーマンが副業をするメリット・デメリット

サラリーマンが副業をするメリット・デメリットについて解説します。

メリット①収入の増加

副業をする上でもっとも大きなメリットが収入の増加。

副業で増加する収入は平均して4万円~6万円ほど。時給は平均すると1600円だそうです。とすると、副業に費やす時間は1ヶ月に30時間ほど。

年収にして50万円~70万円ほどの上乗せが期待できます。

メリット②スキルを得たり経験を積んだりできる

副業をすることでスキルを得たり、経験を積んだりできるというメリットもあります。

Webライターやプログラマ、エンジニア、動画編集といった副業はスキルが必要。これらの副業を経験することで稼げるスキルが身に付きます。

ただし、スキルを身に付けるには多くの時間と労力が必要。1年くらいは下積みのつもりで頑張ることが求められます。スキルを身に付けるために、講座や学校に通うのもよいでしょう。

メリット③収入源を分散できる

万が一、本業でリストラされても、副業があれば食いつなぐことができます。

分散はリスク管理の基本。収入源を分散することで、本業で何かあってもリスクを分散することができます。

現代社会は雇用が不安定化し、本業でもいつ何があるかわかりません。副業でリスク分散を図るのは賢い選択かも。

デメリット①働き過ぎになる

副業のもっとも大きなデメリットは、働き過ぎになること。

本業で1日8時間、週に40時間働いているとします。さらに、副業をすることで休日がつぶれ、仕事を休む暇がなくなります。

本業で残業がある人も珍しくありません。その上、副業をするとなると明らかにオーバーワーク気味。ワークライフバランスが崩れるのが副業のもっとも大きなデメリットです。

デメリット②本業に差し障りが出る

休みがなくなると本業にも差し障りが出ます。

人間は休みが必要な生き物。ずっと働き続けることはできません。しかし、副業をはじめることで休日が減り、労働し続けることになります。

過剰労働は生産性や仕事への集中力を低下させます。本業に差し障りが出ると、会社に迷惑をかけたり思わぬミスをしたりすることも。

本業に差し障っては副業の意味がありません。

デメリット③損をしたり時間を無駄にしたりする可能性も

副業の業種でもっとも多いのが「株・FX」でした。

株やFXはゼロサムゲームであり、必ず勝てるとは限りません。また、運用する資産の規模によって利益額が大きく変わります。そのため、少額で運用していても大きな利益は見込めません。

株やFXは必ず勝てるわけではなく、そのため時間を費やしたのに収支はトータルでマイナスといったことも。

ほかにも、損をする例としてアフィリエイトやブログがあります。半年~1年は収益が出ないと言われていますが、下手すれば一生収益が出ません。そのため、費やした時間が無駄になることも珍しくありません。

スキルを得ようとして講座やスクールに通った費用が無駄になるケースも。

副業は「今できること」からはじめるのがおすすめです。

まとめ:サラリーマンと副業の今後の課題

なぜ副業がここまでもてはやされているのか。

政府は「好きな場所で好きな時間に働ける社会を目指す」としています。しかし、その裏には「所得向上を政府に頼らないで欲しい。所得向上も自己責任。副業で好きなように稼いでください」というメッセージが見え隠れするように思えます。

実際に、1997年をピークに日本の平均所得は減少。

そして、副業をする人の8割以上が所得増加が目的です。

本来、積極財政を行うことで所得向上を図り、本業のみで豊かに暮らしていける社会を目指すべきでした。しかし、政府はそのようにしようとはしません。

自己防衛として、副業が必要な時代が来ているのかも。

なお、副業をするなら「リスクが少なくコンスタントに稼げる」「時給が高い」「在宅ワーク」の3つの条件を満たしているものがおすすめ。

自分に合った副業を見つけて、緊縮財政時代のこの時代を乗り越えましょう。

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