「税収を増やす」のと「税収を増やし続ける事」1

この記事は約5分で読めます。

 前回、通貨と税についていろいろ書きましたが、そんなに税が大事なら返済を増やすために、税を強化する増税はしょうがないのでしょうか?

スポンサーリンク

『税収を増やすぞ!』

 さて財政再建を! 税収を増やすぞ! などなど色々叫ばれています。
 税収を増やすと聞いてまっさきに浮かぶのは増税です。
 増税して通貨を回収する量を増やせば、税収があがると考えますね。

『税収を増やし続けるぞ!』

 ここでは別の視点を挙げてみたいとおもいます。
 それは、「税収を増やし続ける事」です。
 たいして違わないのでは?、と思われるかもですが結構違ってくるのではないでしょうか。

『税収を増やし続ける為には何が必要か』

 税とは何でしょう。
 その意義や具体的な制度となると難しいですがやっていることはいたってシンプル。
 お金、具体的には「私達が持っていて使っている通貨」を回収する事です。
 となると税収を増やし続ける為には、私達が使う通貨が増え続けないといけません。
 では私達が使う通貨、つまり「円」を作っているのは誰か? 政府(日銀含む)ですね。
 政府はどうやって通貨を発行し、私達が使えるお金にするのか?
 それは、政府が通貨を使う財政出動する、ですね。
 つまり税収を増やし続ける為には、財政出動を増やし続けることが必要だ、となります。
 よくよく考えれば当然かも知れません。
 通貨を増やさずに、増税をして回収する量だけを増やしたら、いつか必ず手持ちの通貨の方が先に無くなります。
 だからまっとうに税を回収し続けようとするなら、「適切な時」に財政を増やす方に舵を切らないといけなくなる。

『お金の根っこにあるものは』

 しかしよく聞くセリフに、財政出動をし続けると通貨が溢れいずれそんなお金は信用されずハイパーインフレになるぞ! とか、将来ためには財政再建や政府の借金債務の削減しなければいけない、というのがあります。
 なぜそんな違いがでてくるのでしょう。
 それはお金の根っこにあるものがなにか? と考えるかではないでしょうか。
 一つあげると通貨を政府の負債と考えるか考えないかではないかと。

『通貨が政府の負債でない場合』

 通貨が政府の負債でないなら、通貨は物を「買うためのみ」の貴重な道具です。
 それをなぜ税で奪われないといけないのでしょうか。
 政府は、俺の貴重品を奪うなと言いたくなります。
 しかしその場合、通貨は私達の手元をずっといききして使っても通貨は無くならず、通貨を発行すればするほどに将来止めようがないほどに溢れだし、お金ばっかりが増えて買える物の方が少なくなり、それはいずれバブルやハイパーインフレになるとも考えられます。
 ならそんな通貨の発行は可能な限り減らすべきだ、という主張にも根拠がでてきます。
 
 別の面からみると、通貨が政府の負債でない、つまり政府は通貨を回収する義務がないのに税で通貨を回収するとは、通貨を税で貯めることができると言えるのではないでしょうか。
 つまり、いざという時にそなえ政府は増税をして通貨をためておく事が可能になる。
 さらに、貯め増やすには財政出動をして使って減らしては意味がない。
 だから、将来の為に今は財政出動は控えめにという考えにもなります。
 
 逆に、通貨が政府の負債だとしたらどうなるか。

『借金の返し方』

 ちゃんとした借金の場合、借用証書を書いて相手に渡しますよね。
 で、返すものを返したなら借用証書を戻してもらう。
 作った借用証書が手元に戻ってきたらそれで無事返済終了、借金はなくなります。

『通貨が政府の負債の場合』

 政府が通貨を作りそれが政府の負債というならば、通貨は政府の借用書となります。その借用書を渡す相手は国民です。
 でそれが政府に戻ってきたら、借用書が政府の手元にもどってきたという事。
 通貨が国民から政府の手元に返ってくる、つまり税で回収したら通貨は無くなると表現できるのではないかと。
 無くなるのだから政府は当然通貨を貯めておく事が出来ません。
 貯める事が出来るのは政府と対になる国民です。
 つまり通貨が政府の負債と考えた場合、政府が通貨を作りそれを財政出動の「出」と、税で通貨を回収する「入」のバランスをしっかり管理できれば、通貨を溢れさせることなく適切に増やす事が出来るようになるということになります(ただし外からの脅威が絡んできた場合はちょっと違ってきますが)。
 逆にいえば、出と入りが不適切なら通貨が溢れるバブルや、もしくは通貨が少なくなりすぎてデフレになると考えられます。
 もちろん言うだけなら簡単ですし、そこには単にお金だけじゃなく様々な事が関係してくると思いますが、結局は政府を含め私達次第ということではないでしょうか。

『税の収入源』

まとめると、
 
税の収入源 
=私達が使っている通貨「円」を回収する
=通貨「円」は政府(日銀)が作っている
=財政出動(政府支出)の額
=政府の頑張り! 

 
 となるかと。
 こう考えると、税収の根っこの収入源は増税ではないとなります。
 財政を増やすという政府の頑張りが税収の源であり、増税で税収が増えるのか減税で税収が増えるのかはその時の経済や国民の状況次第と。

『一時的なカンフル剤はどっちだ?』

 財政出動をして通貨を発行しても、それは経済にとって一時的なカンフル剤にしかならない。
 それより財政規律を守り増税をするべき、といった言葉を聞いた事があります。
 たしかに今だけという短い視点で税収を増やすとなれば、増税して私達から通貨を搾り取ることでもしばらくの間は可能かもしれません。
 でも今だけ増やせばよいのではなく、これからずっと税収を増やし続ける事を目的にすると通貨を財政で増やす事が必須になります。
 その場合、財政を減らす歳出削減こそが一時的なカンフル剤にすぎない、という事になります。

『「今」正しい事、「将来」正しい事』

 「今」税収を増やす、「これからずっと」税収を増やし続ける、と視点が少し違うだけで180度考え方が違ってくる。
 今正しい事をしても、それが必ずしも将来正しい事にならないという皮肉があります。
 どちらを目的にしているでしょうか。
 今だけ税収が増えてしのげれば、あとはどうなってもよいと考えているのか?
 将来のことまで考え行動しているのでしょうか?

Subscribe
更新通知を受け取る »
0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments
当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
0
Would love your thoughts, please comment.x