菅直人が「橋下徹はヒトラーを思い起こさせる」と論評したことに端を発し、Twitterが炎上しています。
橋下徹は「ヒトラーにたとえるのは国際的に御法度!」と反論し、吉村洋文は「国際法上あり得ない!」断言しました。
本当に?
今回の記事では、菅直人の発言からその後まで、丁寧に時系列で順を追ってことの顛末を解説します。
くわえて、橋下徹や吉村洋文の嘘を明らかにし、その後、個人的に懸念している点についてまとめます。
菅直人・橋下徹ヒトラー騒動の経緯
菅直人・橋下徹ヒトラー騒動の経緯について明らかにします。
ことの発端は、2022年1月21日に菅直人がツイートした以下の発言。
2つめのツイートの「主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」が、騒動の端緒となった発言です。
菅直人の発言に対し、橋下徹が以下のようにツイートしました。
橋下徹は「ヒトラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度」と反論しています。
さらに、維新の会の吉村洋文は「(ヒトラーになぞらえることは)国際法上あり得ない」と断言。
「国際法上あり得ない。どういう人権感覚をお持ちなのか」と批判し「元総理でもあり、現在も党で責任ある立場の方。発言は重い」と語った。
Twitterでは当初、以下のような見解が出ました。
- ヒトラー礼賛がダメで、ヒトラーにたとえるのはOK
- ヒトラーにたとえるなんてとんでもない
- 橋下徹は過去にヒトラーと発言してなかった?
- 国際的にヒトラーとたとえるのはよくあるのでは……
橋下徹擁護、菅直人支持が入り乱れ、大炎上した次第です。
なお、複数の記事やツイートによれば、マスメディア――特にテレビは付和雷同で「国際的に御法度」に同調していたのだそう。
有識者が同調していたという話もあります。
燃え上がり、炎上したことの顛末は以下のごとくオチがつきました。
なんと橋下徹は5年前、藤井聡をヒトラー呼ばわりしていたのだとか。
見事なブーメランです。
さらに、2012年に橋下徹は民主党をヒトラー呼ばわりしていました。
これも見事にブーメラン。
かくして、以下のごとく尻すぼみな見解に。
ヒトラーをある個人とか団体に重ね合わせて批判するっていうのは、これは一律タブーという僕は考え方。
なんと、「国際的に御法度」から「僕の考え方」に降格した次第です。
立憲民主党に抗議した維新の会や吉村洋文は、はしごを外された格好となりました。
ヒトラーになぞらえるのは国際的に御法度?
橋下徹は「ヒトラーにたとえるのは国際的に御法度」と発言し、吉村洋文は「ヒトラーになぞらえるのは国際法上あり得ない」と言いました。
本当に?
アメリカのトランプ元大統領やバイデン大統領、イギリスのボリス・ジョンソン首相、フランスのマクロン大統領、カナダのトルドー首相、ドイツのシュルツ首相やメルケル元首相、イタリアのマリオ・ドラギ首相、中国の習近平といった面々がヒトラーにたとえられています。
国際的にまったく御法度ではなく、橋下徹の発言は嘘っぱちでした。
たとえること自体は論評の範囲内です。
くわえて、吉村洋文の「国際法上あり得ない」という発言も嘘。
事実であるなら、どの国際法に違反しているのかを、弁護士である吉村洋文は明確に提示するべきです。
菅直人・橋下徹ヒトラー騒動はヒトラーに失礼?
たとえに持ち出されたヒトラーも迷惑しているかもしれません。
なるほど、確かに橋下徹とヒトラーの共通点は多いでしょう。
しかし、比較するには以下のような点でいささか力不足感が否めません。
- ドイツの第2次世界大戦当時の人口は約7000万人、大阪市の人口は270万人。扇動する人数が違いすぎる
- ヒトラーはドイツ中を扇動したが、橋下徹が大阪都構想で扇動できたのは大阪市の半分だけ
- ヒトラーはアウトバーンを作ったが、橋下徹は壊してばかり
- ヒトラーは失業者を減らしたが、橋下徹は減らしていない
- ヒトラーは悪名と言えど教科書に載るが、橋下徹は教科書に載らないだろう
弁舌の巧みさやポピュリズムといった点で、確かに共通する点はあります。
けれども、菅直人は橋下徹を褒めすぎでしょう。
菅直人・橋下徹ヒトラー騒動の個人的見解
今回の炎上の特徴は以下です。
- 橋下徹は過去に、石原慎太郎にも「ヒトラーのよう」と”褒められて”いる
- 菅直人の「ヒトラーを思い起こさせる」発言は論評の範囲を逸脱していない
- 橋下徹が反発するのは理解できるが、「国際的に御法度」という嘘はよくない
- くわえて、吉村洋文も「国際法上あり得ない」と嘘を吐いている
- その嘘が露わになり、橋下徹は主張をさらりと転換
批判に対し反発するのは理解できます。
今回のヒトラー騒動の特徴は、ポンポンと息を吐くように嘘が出てくることです。
「国際的に御法度」「国際法上あり得ない」といった、もっともらしい嘘が出回りました。
さらに、「国際的に御法度」発言を検証もせず、メディアは付和雷同で垂れ流したのです。
筆者としては、危惧すべき点が2つあると思います。
まず、嘘をつくのはよくありません。
橋下徹は有識者やコメンテーターとして、吉村洋文は公人として嘘は御法度です。
こういった立場の人たちが嘘をつき始めると、民主主義は瓦解します。
なぜなら、嘘の情報によって国民が正しい判断ができなくなるからです。
次に、マスメディアは本来、事実かどうかをチェックする役割があったはずです。
ところが、今回の「国際的に御法度」発言をチェックもせずに垂れ流しました。
複数の記事やツイートによると、有識者やコメンテーターが付和雷同で賛同していたそうです。
メディアから検証する力が急激に失われているのかもしれません。
まとめ
菅直人の「橋下徹はヒトラーを思い起こさせる」発言が、なぜか大炎上しました。
維新の会や吉村洋文は立憲民主党に抗議し、橋下徹も激しく反論。
反論として「国際的に御法度」「国際法上あり得ない」といったロジックが使われましたが、これらは嘘だと判明します。
この時点で2つの問題が生じています。
すなわち、「嘘をポンポンと公人や有識者が吐く」「メディアに嘘を検証する能力がなかった」の2つです。
維新の嘘つき体質は今に始まったことではありませんが、近年はじわりと支持率を上げています。
懸念は深刻になるばかりです。
民主主義で嘘は致命的。
こういった嘘を許さず、とことん追求しなければなりません。
個人的に今回の騒動を見て思ったのは・・、
立憲民主党弱くなったなあ、でした・・。
政党支持率や所属議員の差が自民党とどんどん広がり、それと反比例して維新との支持率・議員数の差がどんどん縮まる・・。
言いたかないですが、2軍同士の争いだなあと思いました・・。(1軍はもちろん議員数・支持率からも自民党)
本来最大野党の立憲民主党は、自民党とためをはらないといけないのに、維新とやりあっているのです・・。
こういうところからも、立民の退潮が手に取るように見えて、なんというかもうちょいがんばれよとは思ってしまいますね・・。
なるほど、そういう見解もありますか。
確かに、2軍同士の争いですね~。