日本には生涯未婚率という指標があります。
生涯未婚率は1990年代まで一桁でしたが、2000年代に入り二桁となりました。
そこから現在まで、急激に生涯未婚率は増加しています。
今回の記事では、生涯未婚率の定義や推移、増加の割合について解説。
くわえて、生涯未婚率の高い県や低い県、未婚と既婚の幸福度の違いについても紹介します。
今は生涯未婚率は25.7%と、4人に1人が結婚しない時代です。
時代の現状をデータとともにひもときます。
生涯未婚率の定義とは?
生涯未婚率とは、50歳になっても結婚したことがない人の割合です。
50歳以上で結婚する割合は非常に少ないため、統計的にほとんど無視してよい数値です。
だから、50歳を1つの基準としています。
45~49歳、50~54歳の未婚率の平均値を算出し、それを50歳時の未婚率とみなしたものが生涯未婚率です。
生涯未婚率の推移と予測
以下、生涯未婚率では男性の数値を元にします。
1950年の生涯未婚率は1.5%でした。
その後、1990年代までは一桁台で推移します。
しかし、1990年代から生涯未婚率は増加しはじめ、2000年には12.6%と二桁台に突入。
そのまま増加を続け、2020年に25.7%となりました。
この数字は、4人に1人が50歳になっても結婚履歴がないことを示しています。
なお、2025年以降に男性の生涯未婚率の増加は緩やかになり、女性の生涯未婚率は2025年で上げ止まると予測されています。
生涯未婚率で男女差がある原因は?
2020年時点の生涯未婚率は男性が25.7%、女性が16.4%と大きな差があります。
この差がつく原因は再婚なんだそう。
「再婚男性と初婚女性」は「再婚女性と初婚男性」に比べて毎年1~2万人ほど多いです。
とすると、毎年1~2万人ペースで結婚履歴のない男女差が拡大することになります。
再婚の仕方が生涯未婚率における男女差の原因だと目されています。
男性の再婚は初婚女性に忌避されておらず、女性の再婚は初婚男性にとって重いといったイメージがあるのかもしれません。
都道府県で生涯未婚率が高いところ、低いところ
女性の生涯未婚率が高い県は「高知県」「東京都」「北海道」でした。
高知県が入っているのはかなり意外です。
逆に、生涯未婚率が低い県は「福井県」「滋賀県」「岐阜県」でした。
男性の生涯未婚率が高い県は「岩手県」「青森県」「秋田県」でした。
東京が入っていないのには驚きです。
逆に生涯未婚率が低い県は「滋賀県」「奈良県」「福井県」でした。
男女ともに滋賀県や福井県は生涯未婚率が低かったです。
生涯未婚率が増加した理由
日本の生涯未婚率が増加した理由は1つではありません。
複数の要因が絡まり合って生涯未婚率の増加が起こってます。
先に結論だけを述べます。
リベラルな価値観、個人の自由が重視された結果、お見合い結婚が減少します。
これを補ったのが職場結婚ですが、職場結婚も1990年代のセクハラ問題から徐々に減少します。
くわえて、1990年代後半からのデフレによる国民貧困化が拍車をかけます。
こうして、日本の生涯未婚率は増加していきました。
デフレによる国民貧困化
生涯未婚率は1990年を境に上昇しています。
1991年はバブル崩壊が起こった年であり、1990年代後半はデフレに突入しました。
2000年代に入り急激に生涯未婚率が上昇していることから、デフレが無関係とは考えられません。
デフレは非正規雇用の増加、平均所得の減少、国民の貧困化を招きました。
そのため、経済的な理由で生涯未婚率を押し上げた可能性が高いです。
お見合い結婚の減少
生涯未婚率の上昇は、お見合い文化が消滅した結果でもあります。
厚生労働省によれば、戦後はお見合い結婚が減少し続け、代わりに恋愛結婚が大勢を占めていきます。
1960年代を境に恋愛結婚がお見合い結婚を逆転します。
その後、お見合い結婚は減少し続け、2000年代には5%にまで低下しました。
逆に、恋愛結婚は結婚の9割を占めます。
「でもお見合い結婚は1960年代から減り続けているけど、生涯未婚率は1990年代から急激に上昇しているから関係ないのでは?」
こういった反論がありそうです。
しかし、生涯未婚率は「50歳で結婚履歴のない人の割合」です。
したがって、お見合い結婚が減少しはじめた1960年代に20歳であれば、1990年代に50歳となり生涯未婚率に算出されます。
1960年代は、生涯未婚率が上がりはじめた第1世代です。
職場結婚の減少
お見合い結婚の減少を補ったのが職場結婚です。
1990年代に職場結婚は婚姻の35%を占めました。
お見合いで出会えない男女が、職場で出会うようになったのです。
ところが、職場結婚は1990年代を境に減少し、2015年には19%に減少します。
減少した原因はセクハラが問題視されはじめたからだと考えられています。
まとめます。
お見合い結婚がリベラルな価値観で減少し続けましたが、それを職場結婚が補っていました。
その職場結婚もセクハラの問題化に伴い減少し、さらには1990年代後半からのデフレが追い打ちをかけます。
こうして、日本の生涯未婚率は2000年から急激に増加したのです。
生涯未婚で不幸せ?既婚と独身の幸福度調査
生涯未婚率が高いことは、国民の幸福度にどのように影響しているのでしょうか。
多くの研究で、結婚は幸福度を高めることがわかっています。
たとえば、全米経済研究所(NBER)によれば、全年代において結婚は幸福度を高めます。
一方、「結婚できる人はもともと幸福度が高かった」と指摘する研究者も。
しかし、一般的に結婚は人生の幸福度を高めると経験則で多くの人が理解しています。
しかも、研究によれば結婚による幸福度は長続きするようです。
人生の満足度は上記の図のとおりU字型を描きますが、結婚はU字型の底を浅くし、人生全体の幸福度をかさ上げしています。
こういったことから、生涯未婚率が高くなることは、国民の幸福度を下げると考えられます。
まとめ
生涯未婚率とは、50歳時点で結婚履歴のない人の割合のことです。
日本の生涯未婚率は1990年代まで一桁台でしたが、2000年以降に二桁台に増加し、現在では4人に1人が結婚しません。
ソロ社会の到来です。
生涯未婚率が上がった原因は3つ考えられます。
- デフレ
- お見合い結婚の消滅
- 職場結婚の減少
お見合い結婚が恋愛結婚に取って代わられ、生涯未婚率が上がりました。
しかし、1990年代は職場結婚がお見合い結婚の減少を補っています。
1990年代にセクハラが問題になり、職場の女性をご飯に誘う、褒めるといった行為が敬遠されはじめます。
こうして、お見合い結婚も職場結婚も減少しました。
くわえて、1990年代後半からのデフレも生涯未婚率に影響を与えています。
いまのところ、生涯未婚率は増加することはありますが、減少することは考えられません。
積極財政によって、少しでも生涯未婚率を下げる政策が求められます。
なお、未婚率を本格的に下げたいなら、お見合いの復活を真剣に検討しましょう。