衆院選2021が終わりました。
我が国は民主制国家ですから、投票によって政治が変わります。そのときの世論を政治が測り、取り入れることとなります。
2021衆院選の結果が発表されました。
有り体に結論を申し上げるならば、維新の一人勝ちが今回の結果です。
令和に入り初めての衆院選は、非常に象徴的な結果となりました。世論はさらにラディカル(過激)な改革を望んでいるようです。
少なくとも、国会議員や政府は世論をそう受け止めざるを得ないでしょう。
今回の記事では、2021衆院選前の戦況予想から、衆院選の結果や解釈についてわかりやすくまとめます。
2021衆院選前の予想や戦況
2021衆院選前の話題はやはり「野党共闘」でしょう。立民、共産、国民、れいわ、社民が共同戦線を張り、289議席の小選挙区のうち200議席で野党共闘しました。
じつに7割の議席で野党共闘しており、その結果も大いに期待されました。
「政権交代とはいわずとも、自民党敗北は必至か?!」とまで囁かれていました。
Twitterでは大いに野党共闘で盛り上がりました。
筆者のフォロワーが反安倍・反自民が多いからという理由もありますが、野党共闘で勢力図が一新されるのを期待していた人も多いようです。
「#野党共闘で政権交代」なんてタグまで現れました。
一方、自民党の苦戦、維新の躍進も予想されていました。
大きくまとめると「野党共闘で立民や共産が躍進し、自民は苦戦する」「維新はある程度票を伸ばす」といったところが、2021衆院選前の予想でした。
2021衆院選の結果
この記事を書いている最中に議席が確定したようです。記事によれば、議席は以下のようになりました。
公示前議席は別途調べました。
党名 | 獲得議席数 | 公示前議席数 |
自民 | 261議席 | 276議席 |
公明 | 32議席 | 29議席 |
立民 | 96議席 | 110議席 |
共産 | 10議席 | 12議席 |
維新 | 41議席 | 10議席 |
国民 | 11議席 | 8議席 |
れいわ | 3議席 | 1議席 |
社民 | 1議席 | 1議席 |
自民党は15議席減ですが、公明党は3議席増で微増。
与党全体で見ると12議席減となっています。
立民は14議席減、共産は2議席減と野党共闘の代表的な党2つが議席減になりました。
国民は3議席、れいわは2議席を増やし、社民は1議席を守りました。
野党全体(維新をのぞく)で見ると、11議席減となっています。
与党、野党(維新をのぞく)がどちらも議席減であり、一人勝ちしたのは維新です。
公示前は10議席でしたが、蓋を開けてみれば41議席と4倍にまで伸ばしました。
2021衆院選全体をどう見るか
上述したように、今回の選挙結果は「維新の一人勝ち」という表現がふさわしいでしょう。
与党、野党が分配や積極財政を訴える中、改革や規制緩和を訴える維新が一人勝ちしたことになります。
一方、与党は議席数を減らしたとは言え、安定多数を獲得しました。
自民党のみでも過半数を獲得しており、選挙前の情勢を踏まえれば大健闘です。
野党共闘はほとんど機能していなかったか、維新という鳶に油揚げをさらわれる結果となりました。
衆院選前に期待されたほどの効果はありませんでした。
野党では立民が一人負けで、枝野幸男党首の責任問題に発展するかもしれません。
改めて思い知らされたのは、改革勢力や改革世論が「強い」ことです。
今回の選挙で与党・野党ともに維新以外は分配を掲げていました。
その分配に反対する改革勢力が維新に投票したと考えられます。
維新の一人勝ちは、令和日本の象徴的な出来事なのかもしれません。
まとめ
筆者自身も野党共闘に期待していました。しかし、結果はこの有様。
Twitterでは自身の主張に近い人をフォローするものですから、世論の動きや全体像が見えにくくなります。
そのため、多くの人が今回の選挙結果に落胆しているかもしれません。
れいわ支持、立民支持界隈は少なくとも大きく落ち込んでいることでしょう。
しかし、維新の伸張は衆院選前から予想されていましたし、野党支持がいまいち盛り上がりませんでした。
維新の一人勝ちという結果になるべくしてなった、と見るべきでしょう。
なお、国政における維新の発言力の増大は、令和も平成と同じく改革を重ねて沈滞していくという危機的状況の引き金になるかもしれません。
令和は平成よりさらに悪くなる可能性すらあります。
それだけ、今回の維新一人勝ちは象徴的な出来事でした。
>改めて思い知らされたのは、改革勢力や改革世論が「強い」ことです
自民の総裁選で新自由主義からの脱却やプライマリーバランス黒字化目標の凍結が争点になり、今回の総選挙で所得再分配や消費税減税がバラマキだなんて言われて警戒されはしたものの、蓋を開けてみれば「吉村がんばってる!」「身を切る改革!」「既得権の打破!」「バラマキはポピュリズム。無責任だ!」に負けた感がありますね。ネオリベ維新、主張はほとんど詭弁とデタラメなのですが、ネット民ではない大阪のおっちゃんおばちゃんに波及するにはまだ時間がかかるのでしょう。
国民民主党の議員を筆頭に、国会議員らの貨幣観、財政観、租税観に成長が見られたことは少し収穫ですが、まだ議席数には直結していないため、我々もまだまだ頑張らないといけませんね。
>ネオリベ維新、主張はほとんど詭弁とデタラメなのですが、ネット民ではない大阪のおっちゃんおばちゃんに波及するにはまだ時間がかかるのでしょう。
早く波及してくれればよいのですが……。
世論の転換は並大抵ではないでしょうね~。
早速の記事お疲れ様です。
投票率戦後三番目に低い55.93%ですってね。自民が票を金で買って有罪くらっても、公文書改ざんしても現金受け取っても……その他いろいろやらかしても半分近くは動かないんですね。投票した人含めて国民の大半は「引き続きお願いします」ということになりました。
自民は過半数で、自公維合わせた改憲勢力は3分の2超、惨敗もいいとこです。
これ次の参院選どうなるんでしょうね。維新の飛躍が恐ろしくて、今後が危ぶまれます。
改革勢力、緊縮勢力はまだまだ強いですね~。
次回の参院選は来年です。
やはり、維新が伸張する予感がします。
野党共闘が想像以上に弱かったですねえ・・・。
自民党・野党共闘・維新候補の三つ巴という、どう考えても野党共闘有利の選挙区でも自民候補に負けてたところもありましたから、ほんとこれは想像以上です・・。
立憲民主党も、小選挙区ではそこそこ戦えてましたが、比例で完全に票を落としましたねえ・・。
それは畢竟、立民に対する国民の相対的評価の下落を意味します。
選挙前からひそかに思ってたことではあるのですが、立民は、脱原発とか、集団的自衛権廃止とか言わずに、政策は自民党とほぼ同じです(減税はしますが)。ただ、我々が政権取ったら安倍政権時代の不正の闇は全部暴露します・・とかの方が、もしかしたら票を稼いでいたかもしれないですね・・。
正直、中国の脅威が目に見えるようになった現代において、防衛を軽視するような発言や、急進的な脱原発は、一般庶民には受けないのでしょう・・。
れいわの山本さんが当選しましたから、他の野党連中を消費税廃止(積極財政)で引っ張ってほしいですが・・。
また、自民党の改革タカ派の河野や石破や小泉が大勝したことも、嫌ですねえ・・。
こういうことが、自民党内の緊縮改革派の勢いもつけかねない気もしますし・・。
躍進した維新共々、嫌な前兆だと思いますね・・。
結局、立民の減税の話しがきちんと有権者に伝わっていなかったというのもあるのでしょうね・・。
まあ、財政出動に懐疑的な立民議員もいまだいるみたいですから、一般有権者にも、根拠無き減税など、旧来間違って言われてきた放漫ばら撒きにしか聞こえず、そう思った有権者が身を切る改革といった嗜虐的で自傷行為的な公約を掲げる維新に流れたのかもしれません・・。
三橋さんも、自身のブログで立民の公約をふわっとしていると評していましたし・・。
どういう理由で消費税を下げても大丈夫というのがもう少し浸透しないと、みんな身を切る改革という自傷行為に流れてしまうのかもしれませんね・・。
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世間での積極財政派の数は、比例での国民とれいわの獲得票数の比率が出ればわかるかもしれませんね。
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また、自民党が想像以上に強かったのは、ここに来てコロナ患者がいっきに減ったというのもあるかもしれませんね・・。
ここ1~2年の諸外国の選挙は、コロナ対策の失敗のせいか、与党、もしくは現職の大統領候補の敗北が多かったです。
しかし、今回自民党は勝ったと表現しても十二分な議席は得ました。
菅前総理等も、立民統一候補との一騎打ちで大差で勝利したのを見ると、少なくとも地元では菅さんの名誉挽回・汚名返上はなされた感じがします。
嫌らしい話ではありますが、選挙があと最低でも1ヶ月早ければ、もしかしましたら結果は多少は違っていた可能性もあるかもしれませんね・・。
野党、弱かったですね~。
野党共闘する以上、公約はふわっとせざるを得ないのかもしれません。
枝野幸男代表の責任問題がどうなることやら、と注視しています。