先日、日本のゼロ成長具合についてツイートしました。
日本がマイナス成長であるデータ。
【GDP】
1997年 543兆円
2020年 539兆円【平均所得】
1997年 467万円
2019年 436万円【1世帯あたりの平均所得金額】
1994年 664万円
2017年 551万円なぜ、これで危機感を持てないのか。
茹でガエル状態だからです。
積極財政が本当、必要です。
大きな反響がありましたので記事にします。
記事では「日本人の危機感がない理由」「緊縮財政は世論が支持している」「積極財政派の運動はピントがずれている」などについて言及します。
積極財政を実現するにはどうしたらいいのか? そのためにはまず、現実認識をしっかりすることから始めなければなりません。
日本人はゼロ成長に危機感ゼロ
日本は1997年から未だにゼロ成長です。
しかし、日本経済に対する日本人の危機感のなさは瞠目に値します。
マスメディア、有識者、政府、政治家。
彼らは1997年と2020年のGDPが同レベルであることに言及しません。
知らないのか、知っていてスルーしているのか。
近視眼的に前年比だけで経済を読み解けば、人々の認識も否応なく近視眼的になります。
「前年に比べて低調だ、いや好調だ」
この程度の認識しか持てなくなります。
日本は20年以上前とGDPが同レベルです。
社会人になったときからデフレとなると、むしろデフレが通常になります。
こうして、現在の状況の異常性を感じられなくなります。
日本が20年以上ゼロ成長である各種のデータ
実際のデータを表で確認しましょう。
GDP | 1997年 543兆円 | 2020年 539兆円 |
平均所得 | 1997年 467万円 | 2019年 436万円 |
1世帯あたりの平均所得金額 | 1994年 664万円 | 2017年 551万円 |
就業者人口 | 1997年 6557万人 | 2019年 6724万人 |
データはツイートしたときのものです。
年数が揃っていないのはご容赦を。
就業者人口は興味深いデータですので追加しました。
20年以上経つにもかかわらず、GDPはマイナス成長でした。
ゼロ成長のデータの意味を読み解くと?
上述した表を読み解くと「安い国日本」の実態が浮かび上がってきます。
まず、GDPは微減です。
平均所得や1世帯あたりの平均所得金額は激減でした。
興味深いのは、就業者人口が増えている点です。
GDPを増やさずに人件費を削ったため、共働きが増えて就業者人口も増加しました。
所得減少で労働市場へ参入せざるを得なくなり、それがさらに人件費低下圧力に転換します。
どうしてこうなったのでしょうか?
日本は20年間、何をしてきたか
どうしてこうなったのか。その答えは、日本が20年以上にわたり行ってきた規制緩和、民営化、構造改革にあります。
規制緩和や構造改革、民営化は効率化・合理化です。
業務や人件費、コストの無駄を省き競争力を高めます。
したがって、日本人の所得が減少したのは当然です。
合理化や効率化を行ってきたのですから。
コストや人件費をカットして経営の効率化を進めた結果、日本はどうなったのか?
GDPはゼロ成長。
所得は激減。
デフレは恒常的に。
この状態が20年以上続き、すでにデフレしか知らない大人すらいます。
私も社会人になるときにはデフレでしたから、デフレしか知りません。
こうして日本人は茹でガエルになりました。
知らないので、危機意識を持ちようがありません。
積極財政への転換で再び経済成長を
解決策は何か? 非常に簡単な話です。
規制緩和や構造改革、民営化などの各種改革をやめることです。
そして、緊縮財政一本槍を改め、積極財政に転換する必要があります。
言葉にすればこれだけです。
積極財政に転換すればGDPは伸びますし、労働分配率などの問題はあれど所得も伸びるでしょう。
毎年3~5%程度の経済成長など簡単なはずです。
言葉にすれば容易です。
だから、積極財政派は「財務省のせいだ」「自民党のせいだ」「いやいや、野党がだらしないのだ」「マスメディアに洗脳されているのだ」と悪者を欲しがります。
「誰かのせいで積極財政ができない」という物語は受け入れやすいからです。
しかし、本当に誰かのせい?
以下に興味深いデータを示しましょう。
コロナ禍での積極財政に危機感を抱くか? との問いに、8割が「はい」と答えています。
「いいえ」はわずか2割。
世論は緊縮財政を支持しているのです。
おそらく、規制緩和や民営化などの改革について世論調査をすれば、規制緩和や改革が支持されるでしょう。
実際に2019年の朝日新聞の世論調査では、消費増税に納得している人たちが過半数以上でした。
じつは、世論こそが積極財政を阻んでいるのです。
「世論こそが積極財政を阻んでいる」と主張すると、「他の世論調査では『景気対策』『社会保障』などが常にやってほしい政策のトップではないか! 世論も積極財政を支持しているはずだ」との反論があります。
景気対策や社会保障をしてほしいことと、緊縮財政を支持することは矛盾しません。
「お金を使わず、ウルトラCをやれ」ということです。
積極財政には世論を動かすことが必要
日本が20年以上にわたりゼロ成長で、日本人が茹でガエル状態になっている現状を紹介しました。
そして、世論こそが緊縮財政を支持してゼロ成長を助長しています。
仮に、世論がマスメディアに洗脳されているとしても、民主主義では世論こそが重要です。
声高に「洗脳している!」とマスメディアを責め立てても意味はありません。
なお、マスメディアが洗脳している説を私は採用していません。
バカバカしいからです。
なぜなら、マスメディアも単なる企業であり、マスコミ人も単なるサラリーマンです。
「国の借金○○兆円! 国民1人あたり~」と書いておけば収まりが良く、校閲も通り、記事としてのインパクトや見栄えもします。
「国民1人あたり~」が多用される理由なんてその程度のものです。
閑話休題。
何にしても、積極財政への転換には世論を動かす必要があります。
20年以上も経路として固定された世論を動かすのは並大抵ではありません。
積極財政派がそれぞれ、工夫して発信することが必要でしょう。
まとめ
日本は1990年代からゼロ成長を続けています。
2000年から現在まで、インフレ率1%を超えたのは2008年と2014年だけです。
日本はずっとデフレ気味でした。
日本がゼロ成長の理由は簡単です。
規制緩和や構造改革、民営化などの各種改革で経営の効率化を図ってきたからです。
経営の効率化とはコストカットであり人件費の抑制です。
人件費が抑制されれば所得が減少し、需要が減ります。
需要が減れば当然、デフレになります。
くわえて、政府も緊縮財政を続けてきました。
緊縮財政が続くのは、世論が緊縮財政を支持しているからです。
積極財政さえ行えば経済成長しますが、世論がそれを許しません。
したがって、積極財政を実施するには世論を動かすしかありません。
このことをしっかりと認識する必要があります。
論点は三つですね。
一、緊縮財政がなぜ支持されてゐるか。二、誰が決定権者か。三、どう変へるか。
一について、原因は「節約」といふ個人の道徳観を、誤つて国家に当て嵌めてゐるからです。政治家も言論人もマスコミ人も一般人も大抵は善意で誤解してをります。唯一、現在の財務省だけは悪意で(嘘を承知で)国家財政と家計を同一視してをります。
二について、高橋様は輿論ですが、小生は原動力が財務省の財政赤字を嫌ふ体質で、最終責任者(決定権者)はそれを容認する為政者(首相又は財務大臣)だと考へます。マスコミは物事を真剣に考へない愚かな体質なので財務省の尻馬に乗つてゐるだけですが、影響力は甚大であり輿論形成の決定要因です。馬鹿にしてはゐられません。
三について、最善のモデルは「高橋是清」です。当時の政治家も言論人もマスコミも輿論も「積極財政」のからくり(家計と国の違ひ)を理解してゐた訳ではありません。大蔵大臣・高橋を首相が信用して任せた結果です。とすれば、現在なら麻生大臣が「令和の是清」として英断すれば、輿論もマスコミも一気に「空気」が一変すると思ひます。ましてコロナ禍の現在は、世界中が積極財政であり、国内でも竹中平蔵、伊藤元重、田原総一郎までもが主張をMMT寄りに変へて来てをります。一大変革の絶好の機会です。ここで菅と麻生の首を刎ねて、安藤裕か西田昌司を財務大臣に据える内閣が誕生したら、世の中は一変します。輿論は頼りないものであり、あとから変はるものだと考へます。
>コストや人件費をカットして経営の効率化を進めた結果、日本はどうなったのか?
GDPはゼロ成長。
所得は激減。
デフレは恒常的に。
表面的な部分はその通りだが、金をばらまいてもすぐに解決できない傷跡がついてしまったね。
氷河期世代の非婚化
氷河期世代のノースキル化
産業発展の基礎となるインフラの未発展どころか老朽化
安全面の放置 法改正による安全面担保の不要化
技術者の減少 法改正による不要化
今からかねばらまいても、日本中のロリコン大企業が若者獲得競争と教育に死ぬほどカネかけておわりじゃないかな。で、Youtubeみて育った世代が待遇いいところにポンポン乗り越えていく。
大企業投資家に金が流れて、清掃のおばちゃんの給与は上がらず、下請け中小企業は苦しむ。
氷河期世代は中小企業で世間の好景気と関係なしに、今まで通り働いていくことになるんじゃないかね。トリクルダウンを肯定するひとはそれでいいんだろうけどね。
まず配るでもいいけど 後からでもいいからピンハネ中抜きぐらいは抜き打ち検査で晒上げてほしいね。
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