GoToはコロナへの経済対策にならない-コロナが先か経済が先か

この記事は約5分で読めます。

 GoToキャンペーンはもともと、アフターコロナとして立てられた経済対策です。よってコロナへの経済対策にならないのは至極当然の結果です。

 しかしそれはGoToだけでしょうか。じつはコロナへの経済対策のほとんどはGoToと同じく成立しません。
 コロナを鎮めつつ経済を活性化するのは不可能です。

 なぜ不可能なのか、わかりやすく解説します。

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GoToキャンペーンとは

 GoToキャンペーンとは7月22日に始まった経済政策で、コロナ禍で苦境に立たされる飲食業界・観光業界・エンターテイメント業界などを支援し、消費を喚起するための政策です。

 よくGoToトラベルのみが取り上げられますが、他にもGoToイートやGoTo商店街、GoToイベントなどがあります。

 GoToトラベルは旅行すると1泊で最大、2万円の補助を受けられます。日帰りだと半額の1万円です。

 政府からの補助金で消費を活性化するのが、GoToキャンペーンの主な目的です。

GoToキャンペーンとコロナ

 GoToキャンペーンとコロナ拡大の相関は今のところ「わからない」のだそうです。2ちゃんねる解説者のひろゆき氏によれば、政府は相関を調べていないのでエビデンスが存在しない状態とのこと。

 常識的に考えると、人が動けばコロナは感染拡大します。GoToキャンペーンがコロナ拡大に一役買っていても不思議はありません。
 しかし問題はそこではありません

 GoToキャンペーンがコロナで苦境に陥っている業界への支援だとすれば、コロナが拡大するほどに支援しなければならないはずです。
 しかし実際はコロナが拡大するとGoToキャンペーンは停止せざるを得ません

 GoToキャンペーンはもっとも支援が必要なときに止まってしまうのです。したがってコロナへの経済対策としてのGoToキャンペーンは、あまり筋のいい政策ではありません。

コロナ対策と経済対策は両立しない

 GoToキャンペーンだけをやり玉に挙げてきましたが、じつは経済対策そのものがコロナと両立しづらい構造であると筆者は第2波以前から主張してきました。

 経済とは人の営みです。経済を活性化すると人の営み、つまり消費や移動が活発化します。すなわちコロナを拡大につながります。

 経済の活性化とコロナの沈静化は両立しません。

 経済の活性化がプラスの経済政策だとすれば、給付金や保障はマイナスにならないための経済政策です。
 プラスにするとコロナが拡大するのであれば、給付金や休業補償、粗利保障などでマイナスを抑える経済政策を行うほかありません。

 現在、第3波は拡大中です。休業補償や粗利保障、給付金などを議論し、用意し始めるべきではないかと思います。

自粛要請とGoToキャンペーンという矛盾と混乱

 今のところ菅総理は、GoToキャンペーンの取りやめを考えていないそうです。そのためGoToキャンペーンと自粛という矛盾したメッセージを国民は受け取り、混乱します。

 また自粛要請という言葉そのものがちぐはぐなのです。詳しくは以下の記事にて解説しています。簡単に言えば「強制ボランティア」と同じ語感を持っています。
 自粛要請ではなく、正しくは「外出を控えることを要請」です。

自粛要請とは?使われ始めた時期やねじれた言葉の意味について解説
 「自粛要請」と聞くたびに不思議に感じます。あなたも語感に違和感がありませんか? もし感じるならとても感性が鋭いです。 自粛要請とは何なのか? 使われ始めた時期や言葉の意味、そしてあなたが感じている違和感の正体について迫ります。 結論を言え

 他にも特措法によれば、政府による緊急事態宣言が出て初めて自粛要請ができたはずです。緊急事態宣言解除後に自粛要請する法的根拠はありません。
 したがって現在、自粛要請、時短要請を出している自治体は法的根拠を欠いている可能性があります。

 つまり――。

  1. 自粛要請とGoToキャンペーンという矛盾したメッセージ
  2. 自粛要請という言葉そのものの矛盾
  3. 緊急事態宣言という法的根拠を欠いて自粛要請している可能性

 このように政府や自治体の対応はわりとカオスで矛盾だらけです。この矛盾をある程度解消していかないと、ますます混乱するでしょう。

まとめ

 経済を活性化させる経済対策は、コロナの沈静化と両立しません。論理的に自明であり厳然たる事実と言っていいでしょう。

 GoToキャンペーンだけでなく、ほとんどの経済対策がコロナの沈静化と両立しないのです。よって経済の活性化という攻撃的な目標ではなく、国民の生命や暮らし、雇用を守るという防御的な経済政策がコロナの渦中には必要です。

 とはいえ後手後手に回らざるを得ないことにプラスして、我が国は長年、緊縮財政を多くの国民が支持してきました。
 いきなり積極財政に切り替えられるわけがありません。

 つまりここから先、さらなる混乱や迷走が繰り広げられる可能性は高いでしょう。

 第3波がこれ以上ひどくなる前に収束してくれることを祈念するばかりです。

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チャーリー須賀
5 ヶ月 前

GoToキャンペーンとは、旅行関連業者や、飲食業者を助ける施策ではありません。
消費者と業者の間に立って手数料を稼ぐ・・・・菅の回りに群がる銭ゲバ達の為のものです。
当方も飲食業を営んでいますが、1000ポイント(1000円)を使って頂くと200円の手数料が
取られます。勿論消費税が10%つきます・・・
「複雑極まりない手続きを強いられながらGoToのキャンペーンに参加するんじゃなかった!」
と腹を立てています。菅政府は本物の無能集団です。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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