カネよりも橋を当たり前に通れる生活の方が大切だ

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9月の四連休は各地大変な人出があり、観光地も久しぶりに賑わったようで本当に良かったですね。

北海道や沖縄、京都、箱根等々、有名な観光地は連休らしい賑わいを見せ、中央道や関越道では30-40㎞もの渋滞が発生していました。(渋滞に巻き込まれた方はお気の毒でしたけど…)

四連休の混雑ぶりを見ていると、くだらぬコロナ自粛運動のせいでGW・お盆と行楽や帰省すら叶わず、Stay Home‼を連呼して抜け駆けを監視する自粛警察どもに抑圧された国民の鬱憤が一気に吐き出されたように感じました。

コロナ自粛厨にとっては歯噛みする思いでしょうが、これこそが本来あるべき姿だと思います。

いままで通りの日常生活を送りながら健康を保ち、未知のウィルスに対峙する、運悪く感染したなら粛々と治療を受け、周囲の者もそれを温かく見守り可能な範囲で罹患者をサポートするというのが、日本人として示すべき態度や民度ではないでしょうか。

さて、久々にTVのニュースで渋滞模様を眺めて感じたのは、日本全土に整備された公共インフラの堅牢さと、それらを残してくれた先人の努力や先見の明に対する敬意の念でしたが、下手をすると、ほんの数年後には、各所を結ぶ橋梁が老朽化や崩壊により通行不能となり、交通網が寸断され、大型連休ならずとも慢性的な渋滞に悩まされる日が来てしまいそうです。

『2028年に橋梁の半数が耐用年数を超過 インフラ老朽化の背後に潜む「人材不足」』

2028年に橋梁の半数が耐用年数を超過 インフラ老朽化の背後に潜む「人材不足」
高度成長期から半世紀、日本の巨大インフラの数々がいま「過渡期」を迎えている。日本のインフラ土木技術の高さは世界的に認められるところだが、橋やトンネルは定期的な点検・保守が必要不可欠だ。

「高度成長期から半世紀、日本の巨大インフラの数々がいま「過渡期」を迎えている。日本のインフラ土木技術の高さは世界的に認められるところだが、橋やトンネルは定期的な点検・保守が必要不可欠だ。数多くのインフラを検査する負担は、国や地方自治体の財政を圧迫しかねない。

インフラの耐用年数は一般におよそ50年間と言われるが、日本に現存するインフラの多くは高度成長期の1960年代に一斉に整備された。つまり既に多くのインフラは耐用年数を超えて補修や建替えが必要な時期に入っているのだ。(略)」

上記のコラムは2018年に書かれたものですが、2年経った現在でも公共インフラ老朽化対策は一向に進んでいないどころか、後退しているとしか言えません。

政府全体公共事業関係費の推移をみると、当初予算は2016年/6兆円→2020年/6.1兆円とほとんど増えていないうえに、1997~2001年あたりの9~9.7兆円という水準の2/3未満にまで落ち込んだまま、補正予算を加えた金額だとピークの1998年/14.9兆円の半分近くという体たらくであり、これは地方自治体でも同じ傾向にあります。

【参照先】

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/20200507/pdf/shiryou1_part1.pdf

ご紹介したコラムでは、問題点を次のように指摘しています。

  • 建設後50年経過する橋梁の割合が2018年/25%→2028年/50%へ急増する
  • しかも、建設年度すら不明な橋梁が、このほかに23万橋も存在する
  • 地方公共団体が管理する橋梁で行われる通行規制が、2008年/977橋→2017年/2876橋へ2.9倍に膨らんでいる
  • このままでは、2012年の笹子トンネル事故(死者9名)や2007年アメリカ・ミネアポリスの州間高速道路崩落事故(死者9名)、2018年イタリア・ジェノバの高架橋崩落事故(死者43名)のような大惨事を招きかねない
  • 事故防止のためには、インフラの劣化や破棄リスクを事前に把握するための予防保全や非破壊検査が欠かせない
  • しかし、橋梁だけでもアーチ橋や吊り橋など様々な種類があり、『鋼材は引っ張られる力に強い』『コンクリートは水を通しにくい』など材質による特性も多様であるなど、検査における重要ポイントが全く同じインフラはほとんど存在しないが、こうしたインフラの個別多様性に対応した検査が行われているとは言い難い状況にある
  • こうした状況を惹き起こしているのは自治体の予算不足と人材不足にある
  • 各自治体におけるインフラ検査の専門人材は慢性的に不足しており、橋梁保全業務に携わる土木技術者数が「0」と回答した割合が、市町村全体で22%にも上り、村だとこれが64%にもなる

要するに、

「カネがない」

「必要な人材を確保し育てる余裕もない」

「インフラ崩壊という重大な危機に対して、指を咥えたまま放置するしかない」

「事故で死人が出たらゴメンナサイ」

という負のスパイラルにどっぷり嵌っているのです。

まさに「貧すれば鈍する」、「人貧しければ智短し」の最たる例ですね。

橋が老朽化で崩壊するのをただ黙って見ているバカな国、愚かな民族がいったいどこにいるのでしょうか?

世界に関たる土木建設技術を有し、円という通貨(カネ)を無尽蔵に造り出せる日本で“カネがない”、“技術者が足りない”とボヤくのは、あたかも大海を泳ぐ魚が「水が足りない」と悩むようなものでしょう。

「カネが足りないって? お前は何を言ってるんだ? カネが足りないなら造ればよいだけだろっ!」、「人材が足りないって? ちゃんとした待遇を提示して体系的に採用・育成すればよいだけだろっ!」と叱り飛ばしたい気分です。

「財源探しに何年も掛ける時間そのものがもったいない。まずは行動せよ! 必要なカネは後から造ればよい」と声を大にして言いたいですね。

日本国内には約35000本の河川(一級河川14000本、二級河川7000本、準用河川14000本)の河川があり、総数で72万6千、橋長15m以上の橋梁だけで15万橋もの橋が掛かっています。

これらが老朽化で寸断されると、ほんの数m先にあるボールを投げれば届きそうなあちら側に渡ることすら不可能になってしまいます。

まさに橋梁は“交通や流通の要”なのです。(これはトンネルにも言えることですが…)

多摩川や墨田川、荒川あたりに掛かる橋が崩落したら、東京の交通網がたちまち大混乱に陥るのを想像すれば、老朽化した公共インフラの整備にカネを掛け、必要な人材育成を図ることが愁眉の急であるのが解るはずです。

日本の交通網がマヒするリスクを思えば、「財政赤字が~」とか「利権が~」とか戯けたことを抜かす暇などありません。

誰の負債にもならぬ貨幣を増産してインフラ更新に必要な財源を捻り出すか、あちこちの橋が崩落するのを黙って見過ごしアマゾンや楽天でポチッた商品が2~3週間経っても届かない不便な生活(=ロシア並みの流通レベル)を甘受するのか、答えは明らかでしょう。

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