あとがき(原作担当 遠藤万次郎)
現実の日本がコロナ騒動の真っ只中にあって、定額給付金がまだタイムリーな話題だということで、今回は貨幣発行と絡めてエピソードにしてみました。表題は「国民の賞与」でもよかったかもしれません。この漫画にしては珍しく、別な方(経済評論家の三橋貴明さん)が作成された図形をそのまま引用し、掲載させていただいたりもしています。
作中で話題になった「差し押さえ用としての価値が高い銀行口座」、こういうのがあればいいのにと昔から思っておりました。日本ではお金を借りている側や家賃を滞納している側の立場が異様に強く、たとえば簡易裁判所で少額訴訟を起こし、被告不在で勝訴できたとしても、それは原告が主張する事実関係が公的に認めらということに過ぎません。裁判所がお金の回収を代行してくれるわけでも、取り立てを手伝ってくれるわけでもないのです。
一般的な勤め人ではない相手から、「無い袖は振れない。借金は返せない」などと言われれば、こちらとしては事実上どうすることもできません。家賃を滞納している相手に対しても、強制的に部屋から追い出すわけにもいかず、引越し代を援助して出て行ってもらった方が、強制執行にかかる費用を考えると現実的だったりします。
年に一度とした場合の定額給付金のタイミングについて、これは撫子が考えたように、需要の高まる時期に行って弾みをつけるのか、それとも大和が考えたように、需要が落ち込むだろう時期の緩和や下支えに期待するのか、色々な考えがあるだろうと思います。現実の日本だと、まずは「給付金おかわり」の声を高め、それが実施されたあと、「ハイパーインフレとか長期金利の急騰とか、そんなん起こる気配すらないで!もっといけるやん」というような認識が共有されれば、20年以上続く日本の緊縮財政が改められる結果に繋がるのではないかと、密かに期待しているところです。
さて、次回の配信日ですが、4週間後となる8月16日(日)を予定しています。それではまた、次回のあとがきでお会いしましょう。
専門知識に乏しい方でも経世済民について無理なく日本経済の真実を学べる稀に見る傑作です。皆で力を合わせて中曽根・橋本(龍太郎)・小泉・竹中―日本に執念深く取り憑く疫病神―の呪いを打ち破ろう!
つい先日、竹中平蔵氏も、「定額給付金を毎月配り、そこからベーシックインカムへ移行せよ」みたいな発言をしていたことを知りました。もっとも彼は、「そして生活保護や社会保障は廃止せよ」とも言っていたわけで、添付の画像のように、目が点になりますよね(笑)。