昨年来日したステファニー・ケルトン女史の新著が発売されますが、ロイターのインタビューに答えたケルトン教授は、日本のMMTオタクが聞いたら激怒する様なコメントを連発しました!本家MMTでも、その程度なのですから、今後は皆さん極左MMTのデマなど一切気にせずMMTについて大いに語り合いましょう!
『ステファニー・ケルトンはMMTでは無いのか?!』
日本語で赤字神話と題される新著(英語版)が発売されるステファニーケルトン教授が、ロイターのインタビューに答えたのですが、それが傑作でした。何故なら?日本のネット空間に跋扈する極左MMT原理主義オタク(当方命名:にゅんMMT)が聞いたら、即座に『MMTでは、そんな事は言っていない!』と完全否定されるコメントを連発していたからです!さあ、MMTオタクの皆さん!得意の英語を駆使して、ケルトンを総攻撃する準備は出来ましたか?
『ケルトン教授MMTインタビューの概要』
リンク先のインタビューの全文を是非読んで欲しいのですが、まあ、印象としては、中野剛志さんか三橋貴明さんのMMTに関するインタビュー記事みたいな雰囲気で、日本では、そんな記事が出るとMMTオタクの連中が飛び出て来て、嘲笑気味に『MMTでは、そんな事言っていない!』とお決まりの台詞が飛び出すというパターンが、ここ暫く続いていました!
『MMT原理主義の刃は、提唱者のランダル・レイにも向けられた!』
日本のMMT原理主義者の信仰心は、イスラム原理主義者も逃げ出すくらいの深さです。昨年ケルトンの師匠でありMMT入門の著者であるランダル・レイ教授が、NHKのインタビューに応じた際も酷いモノでした。レイは、参与時代の藤井聡さんみたいに『政府が積極財政をすれば国の借金が減る!』と、うっかり喋ってしまったのです。その後のMMTオタクの慌てぶりは傑作で、最初はNHKの誤訳か?と怒り、次に確かに喋っている!レイはMMTの理解が浅い!と怒り心頭でした。でもMMTってレイが提唱した現代貨幣理論なんですけどね?
『MMTはインフレ率が酷くなるまで財政出動しろ!との理論です』
MMT原理主義者を怒らすのは簡単で、連中の前で『MMTはインフレになるまで財政出動しろ!との理論です』と言えば、地球の裏から飛んで来て!『MMTはインフレにしろ!とか?積極財政しろ!とか?言っていない!』と必ず絡んで来ます。ところがケルトン教授は、ロイターのインタビューで、『必要な分だけ政府は支出を増やすべきだ(中略)インフレ率が不快な水準に近づけば、支出を中止する時だ』と言っちゃってますヨ。笑
『MMTオタクの気持ちを敢えて代弁してみる!』
ただ私もMMTオタクの気持ちが分からなくも無いです。MMTが一番批判的な財政政策は、景気が悪い時だけ財政出動し、景気が良くなると支出を絞る財政政策です。一時期リフレ派の連中が言っていた、デフレ脱却の為に国土強靭化って言うが、じゃあデフレを脱却したらインフラ整備は必要無いのか?という難癖は、非常に核心を突くモノでした。要するに、必要な財政政策は、景気やインフレ率に関係なく常に行うべきだからです。
『MMTの素晴らしいのは継続的な財政出動を主張している点』
いわゆる既存の経済学でストップアンドゴーと言われる財政政策が主張されるのは、政府の累積した財政赤字を気にしてなのですが、MMTは、貨幣そのものが負債であるとの事実を明らかにしたので、政府が赤字なのは正常との認識です。むしろMMTでは継続的な財政政策が推奨され、それで経済成長を安定化させるべき!と正に国土強靭化など必要な財政政策にお墨付きを与える理論なのです。今回のケルトン教授のインタビューでもそれを確認できました。
『MMTオタクは害悪でしか無いのか?』
まあ今回のケルトン教授のインタビューを見ると、このくらいの短い記事でMMTを説明しようとすると、三橋さんや中野さんのMMTの説明と、ほぼ同じになるのだな?と思いましたし、それに目くじら立てて大騒ぎするMMTオタクの連中もホント害悪しか無いな?と思うのですが、連中も役に立つ場合もあります。それが竹中平蔵が導入を提唱するベーシックインカムに、MMTを利用しようとする勢力に対する攻撃です。
『JGPはベーシックインカムへのカウンター』
私が常々偽装MMTとして批判している方々、松尾匡、井上智洋、大西つねき、池戸万作らは、竹中平蔵が推進する究極のネオリベ政策であるベーシックインカムの理論的な背景としてMMTを活用しようと企んでいます。当然、本家MMTは、これらネオリベの動きを百も承知で、JGP(ジョブ・ギャランティ・プログラム/雇用保証制度)をカウンターとして用意しています。故に本家MMTでは、JGPはMMTと不可分と言うのですが、なかなかこの危険性が日本では伝わりません!MMTオタクの皆さんには、思想警察としてもっと奮起して欲しいですネ。
『コロナ禍に使えるのは、JGPだ』
今、東京では夜の街クラスターが問題になっていますが、結局、休業補償が不十分なのが、この問題の根本的な原因です。私は日当2万円くらいで、休業も立派な感染症対策の仕事と捉え報酬を出す形のJGPが有効だと考えています。仮に1億人が参加し、50日間自粛した場合、100兆円の財政出動となり、日本のコロナ禍にはちょうど良い規模の財政政策となります。ひとり10万円の見舞金としての給付金では足りな過ぎですが、この構造はベーシックインカムの問題点と全く同じです。
『愚直に積極財政を唱える武器がMMTである』
私がMMTに期待しているのは、増え続ける政府債務自体には何の問題も無い!必要な財政政策は躊躇なく継続的に行え!と論理的に説明できる経済学派は、今のところMMTしか無いからです。日本の諸問題の大半は、コロナ禍もそうですが、財政政策で解決可能であり、MMTの知見が広がれば、積極財政への道が広がります。極左思想を持つMMT原理主義者は邪魔な存在ですが、利用できることろは利用し、積極財政への武器としてMMTを積極活用したいものですね。
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