戦後ほぼ一貫して自民党が牛耳ってきたこの日本は、一時期総中流を感じるほどに上手く回っていましたが、世界中の人たちと一体化するグローバル化の中で、もう私たち全員を中流に保つことはしなくなりました。政治家が出来ないのか興味がないのかは重要ではなく、そうしない政党を支持し続ける、又は、他の政党の生まれる余地もない中、大衆は見捨てられたという現実を理解することが重要です。
財務省は省庁の中で一番権限があります。
財務省が財布を握っているからであり、各省庁はその財務省に納得してもらわなければ予算化は出来ません。
一般の公務員は世間の目も厳しく待遇はどんどん低下しています。
(企業は良くなっているところと悪くなっているところがあり、悪化した企業よりはよいです)
でも財務省は内閣より権限はないので、やはり政治である自民党政権が実権を握っています。
しかし、国の運営を官僚に任せなければどうにもならず、政治は財務省を取り込んでいるのです。財務省に美味しい餌をふんだんに与え、各省にも少しはおすそ分けが行きますが、やはり財務省が一番良いところを取ることを政治は黙認しています。
官舎一つとっても財務省が管理しているため職員は優遇されます。良い立地、良い建物に入りやすいのです。しかし、所詮国内では他の公務員とそれほど違う待遇にはできません。
ではどうするのか?
財務省には外務省同様海外勤務地がたくさんあります。
外務省の待遇も一時期批判されて少し落とされましたがまだまだ美味しいです。
しかし、日本の政府機関であれば待遇はある程度公表されるので無茶は出来ません。
世銀、ADBなどの国際金融機関、これが財務省の職員へのご褒美です。大量に出向します。(国際機関は好待遇です。特に金融関係は良いです。)
日本政府が出資はしても待遇などは公表しなくていいので、日本人が聞けば驚くような厚遇で出向しています。
給料だけでなく、出張時を含めた飛行機、座席グレード、宿泊代も高額が認められ、同伴する子供の教育費は何百万円の補助(インターに入るための高額補助)というのもあります。子供1人の教育費補助だけで日本人の平均年収だったりします。
こういう子供はスタート地点から他の子供と差がつき、将来に渡って親と同等か親より上を目指せます。
国内で小学校からの英語教育とか、高等教育無償とか、いくらやってもエリート待遇の子弟には追いつけないのです。砂漠の逃げ水のように。だから格差は広がる一方です。
この事実は全く公表されませんし、本人も黙っているので広まりません。
私も聞いた具体的な数字は控えます。国会議員がその気になれば調べられると思います。
公務員の世界では国会議員と財務省(経済界の御用聞き経産省と、グローバル化で出番の多い外務省も追随します)に分け前を与えて反乱されないように懐柔しているのです。
国会議員の歳費は他の先進国に比べてかなり高額ですが一向に減らす気配はありません。
政府に懐柔された議員も、一部の公務員たちも自分可愛さにもう政府に歯向かいません。
自分達さえ厚遇してもらえれば、国民のことよりも政権のために働くわけです。公務員への怨嗟からか理不尽なバッシングを受けることもある彼らにとって、国民なんかどうなってもよいという気持ちを持つこともあるでしょう。
日本が貧乏になってくれば、その分け前をめぐって競争が激化します。
皆中流は無理であり、一部しか上流になれずあとは下流なら、そして財務省の人間にはそれが可能なら、上流を目指すのが人間の本能で、そういう人たちに自分の未来を白紙委任状でお任せ状態なのが今の日本人です。
(日経 日本の競争力は世界30位、97年以降で最低 IMD調べ 2019/5/29から引用)