「マスゴミ」という批判用語が、ネットでは使用されます。新聞やテレビの報道に対して批判、ないし糾弾するときに使います。
「マスゴミは嘘を垂れ流す、フェイクニュースだ」
「マスゴミは偏向報道ばかりしている」
「マスゴミの取材行為に迷惑行為があった。最低だ」
上記のような書き込みもよく見かけます。
本当にマスコミのせい? 批判されるべきはマスコミだけ?
マスゴミは嘘ばかり? フェイクニュースと誤報と認識
最初に結論を書きます。マスコミの報道より、ネットのほうが圧倒的にデマも嘘も多いです。
確かにマスコミの報道には「はて?」と感じることも、少なくありません。「国の借金が~」などの報道には「まだやっているのか!」とすら思います。
しかし「国債1000兆円」は嘘ではありません。「1000兆円の国債をどう捉えるか?」という、解釈の問題です。とすれば、フェイクニュースと断じることはできません。なぜなら……専門家である”経済学者”の見解に則っているのですから。
筆者が知る限りでは、マスメディアの「完全な虚偽報道、フェイクニュース」は少ない。多くは「フェイクニュースだ!」と主張している人物と、マスコミの認識ないし見解が異なっているだけです。
マスゴミの偏向報道! は事実だろうか
「マスゴミ」と使用されるとき、偏向報道も話題になります。
- 特定の発言を報じなかった
- 特定イデオロギーに肩入れしている
- 一方の事実だけにフォーカスして報じている
上記のような場合に、偏向報道といわれます。中には「安倍内閣の支持率下落」と報じると「偏向報道! フェイクニュース! 世論操作だ!」と騒ぐ一方で、支持率が上がると素直に信じる方たちもいるようです。
確かに産経新聞を読めば「安倍政権よりだなぁ……」と思いますし、朝日新聞は左寄りです。そもそも完全に中立な情報媒体など、存在しません。したがって「偏向報道」も「どの程度か?」が問題になります。
筆者は「これは問題すぎる!」という偏向報道をあまり存じません。
「国の借金が~」問題は、マスゴミのプロパガンダか?
反緊縮派からはよく「マスゴミが緊縮財政と国の借金をプロパガンダしている! それに国民が騙されている!」という主張がされます。
筆者は因果関係が逆なのではないか? と解釈しています。つまり「国民が国の借金を問題にし、緊縮財政を望んでいる」から「マスコミはそのように報じる」のではないでしょうか。
わかりやすい、一例をあげます。
- 総務省の有識者会議では27名中16名が「AIが発達して仕事が増える」と回答
- AIで失業率が上がるとしたのは、27名中3名だけ
- なぜAIに仕事を奪われる! しか報道されないのか? ショッキングで面白いから
「AIが発達しても、変わりません」はニュースになりません。驚きもニュース性もないからです。ですのでマスメディアはAIを報じるときに「AIに仕事が奪われる! 大変だ!」と報じます。これは偏向報道というより、単に「商売としてそっちのほうが、売れるから」です。
買う人は? 国民であり、消費者です。要するに「ショッキングじゃないと売れない=国民がそれを求めている」のです。
緊縮財政や国の借金問題も、同じ構造ではないでしょうか。「1000兆円で大変だ!」と「1000兆円あるけど問題ない」なら、どちらが消費者受けするでしょう。前者です。
もっともマスコミではなく、主流派経済学者の罪は非常に重いと思います。なにせ「財政問題というフィクションに、権威というお墨付きを与えた」のが彼らなのですから。
まとめ
マスコミには筆者も、不満に思うところは大いにあります。しかし筆者の情報のほとんどは、マスコミの報道からです。
※省庁や官邸などの、一次ソースを参照することももちろんあります
多くの批判にさらされたことで、最近の報道は基本的には「しっかりしたものが多い」と思います。少なくとも、ネットで出回るデマよりはよっぽど精度が高い。
また借金プロパガンダといわれますが、国民がショッキングなニュースを望むからこそだろうとも思います。逆に反緊縮の言説が出回るには、反緊縮の需要が多くならないとだめなのです。
結局の所「マスゴミ、といわれるほどには偏向も嘘もないんじゃない?」が結論でした。
>マスコミの報道より、ネットのほうが圧倒的にデマも嘘も多いです。
>筆者が知る限りでは、マスメディアの「完全な虚偽報道、フェイクニュース」は少ない。
確かにマスメディアには「完全な」虚偽報道はほとんどありませんが、だからといってその報道は信用に値するものと言えるでしょうか?断じて否です。なぜなら、メディアは客観的に正しい事実をベースにしながら、読者を欺いて自分たちの見解に誘導するような印象操作を行っているからです。また、メディアは自分たちにとって都合の悪い事実は報道しないという、いわば「報道しない自由」を恣意的に行使している。極めて悪質です。これに対し、ネットの場合は、仰る通り確かにデマや嘘も多いが、読者にまともな常識がそこそこ?あれば真に受けて踊らされるケースはさほど多くないと思います。ただ、いわゆるネトウヨ等の情報弱者の連中は分かりませんが。
>しかし「国債1000兆円」は嘘ではありません。「1000兆円の国債をどう捉えるか?」という、解釈の問題です。とすれば、フェイクニュースと断じることはできません。
とのことですが、このバカの一つ覚えのフレーズは正確に言えば、「国の借金は1000兆円突破、国民一人当たりの約800万円の借金を抱えている」です。このうち、前半は正しいが、後半は間違っている。つまり、嘘と真実を混ぜ合わせた文章であり、丸ごと嘘の文章よりも明らかに読者は騙されやすく、極めて悪質な報道であると言わざるを得ません。これをフェイクニュースと言わずして一体、何をフェイクニュースと呼ぶのでしょうか?
>つまり「国民が国の借金を問題にし、緊縮財政を望んでいる」から「マスコミはそのように報じる」のではないでしょうか。
確かにマスメディアも民間の営利企業であるから、そういった側面もあるかもしれませんが、果たしてそうした理由だけで説明できるでしょうか?
例えば誰でも分かる事例を挙げます。今まで大手新聞社はこぞって10%消費増税に賛成する論調でしたが、これも国民が、(将来の社会保障充実のためだと思い込まされているために、たとえ気が進まなくても)消費増税を支持しているからなのでしょうか?あくまでも主観的な意見ですが、「財務省や政府から軽減税率というニンジンをぶら下げれているために、大手新聞は彼らの意向に沿った消費増税の論調一色となった」。これが最大の理由だと考えられないでしょうか?あるいは、仮にそのようなエサをぶら下げられなくても、「政府の累積債務が膨らめばいずれ財政破綻する」というデタラメを新聞社のアホ幹部達が真に受けているからこそ、そのような論調になっているとも考えられます。
いずれにせよ、(読者である)国民が望んでいるからという理由だけで、メディアの論調が決まるなどという考えは極めて短絡的で間違っています。
>しかし筆者の情報のほとんどは、マスコミの報道からです。
※省庁や官邸などの、一次ソースを参照することももちろんあります
もちろん、各省庁の統計データやそれに基づいてマスコミが報道する客観的な事実やデータに関しては、当然、ブログを書く上での前提情報となるでしょう。しかし、だからといって、社説や論説等、マスコミの主観的な主張に関してまでも、それをそのまま真に受けているわけではないはずです。
ところが、読者や視聴者の中には、そうしたメディアの主観的な論説をそのまま鵜呑みにして信じてしまう人も多い(先の国の借金1000兆円云々の例のように)。そして、そのメディアの論説が間違いだったとしたら、バカを見るのは読者や視聴者達です。もっとも、これは彼らのメディアリテラシーが未熟であるが故の自己責任の結果だという意見もあるでしょうが。
>結局の所「マスゴミ、といわれるほどには偏向も嘘もないんじゃない?」が結論でした。
いいえ。客観的な事実に基づきながら、自分たちの的外れな考えに読者を導くために、巧みに印象操作をするような卑劣な報道をするようなマスメディアは、やはりマスゴミと呼ばれるに値するほどの組織・集団であると言わざるを得ません。
それから、ヤンさんも既に読まれたこととは思いますが、藤井聡先生が、「防災対策、行政頼み限界」と題する日本経済新聞の2019年10月14日記事に対する疑義表明の記事を書かれています。
https://38news.jp/media/14781
この日経記事こそ、「今後災害が生じても、被災地住民の自己責任に押し付け、防災対策のための財政出動をないがしろにしてもよい」という人命軽視のトンデモ論説かがわかるかと思います。
そういう意味では、日経こそ財務省や経済界の露骨なプロパガンダ機関であり、世を惑わすマスゴミ連中のなかでも最低最悪のクズメディア以外の何者でもないと断じることができます。
>最初に結論を書きます。マスコミの報道より、ネットのほうが圧倒的にデマも嘘も多いです。
そうだと思います。
ただし、ですが・・、マスコミが仮に流した1つのデマの方が、ネットの1つのデマよりもはるかに影響力が大きいかとは思います。
それは、やはり、それだけ現代においてもなんだかんだでマスコミの影響力は大きいからだと思います。
しかし、1つ1つのデマの影響力はマスコミの方がはるかに大きいとは思いますが、社会全体におけるデマの影響力で考ますと、マスコミのデマとネットのデマの影響力は、現代においては場合によってはイーブンくらいではないかとも思います。
(例えば、朝日新聞が過去に流した慰安婦報道のデマ1つは、ネットの10年分か20年分のデマと匹敵するぐらいのダメージを国家に与えたデマとなったのではないかと思います)
(それだけ、新聞のデマは、その数はネットのデマよりもだいぶん少ないかもしれませんが・・、その1つ1つの破壊力は、半端ないものとなるのではないかと思います)
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>したがって「偏向報道」も「どの程度か?」が問題になります。
朝日も産経も偏向報道をしているかもしれませんが・・、問題は、そんなことをしていながら新聞が公平中立をいちおうのところは謳ってる所ではないかと思います。(いやちゃうやんっていう)
この場合の問題は、公平中立の顔をいちおう表立ってはしながら、偏向をしていることではないかと思います。(その不誠実さ)
あとは、情報を伝える仕事のはずが、社会の木鐸を自称しているところですかね。
昔っから、天声人語ってなんやねんって思ってました。(天の声を人が語るって、おまえは天なのか?と。人ちゃうんか?と)
そんな意識で報道をしているから、偏向などと言われちゃうんでしょう、きっと・・。
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>これは偏向報道というより、単に「商売としてそっちのほうが、売れるから」です。
しかし、これは不誠実な態度ですよね?
とてもではないですけど、『近江商人の三方良しの精神』とは、かけはなれていると思います。
もちろん、近江商人の『三方(売り手・買い手・世間)』良しなので、けっして商売人(新聞屋・売り手)だけの問題とはこれは言えませんが・・、だからと言いまして、この話しはけっして商売人(新聞屋)を擁護できるような話しでもないのではないかとも思います。
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>逆に反緊縮の言説が出回るには、反緊縮の需要が多くならないとだめなのです。
これはそのとおりだと思います。
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>「マスゴミ、といわれるほどには偏向も嘘もないんじゃない?」
マスコミ叩きも、これは、土建屋叩きや公務員叩きに近くなってきたのでしょうかね・・・?
(まあ、私なんかは、マスコミの犯罪被害者やその親族なんかへの過剰なまでの取材攻勢なんかは、ほんとに嫌いですけどね・・)
(ありゃあ、俗にいうセカンドレイプに近いものがあります・・・・)
お邪魔しますです。
> 筆者が知る限りでは、マスメディアの「完全な虚偽報道、フェイクニュース」は少ない。多くは「フェイクニュースだ!」と主張している人物と、マスコミの認識ないし見解が異なっているだけです。
激しく共感するです。
記事って分解できるです。解説部分や所見部分とかを取り去ったコアの部分は事実でしかないです。もともとは、構成や文字数に合わせて付け足されていって記事が出来上がりますよね。記事ごとの違いはこの部分ですよね。
社説は事実を伝えるのとは違って解説や所見がメインです。新聞社や記者がどう思っているのか?が書かれた読み物ですよね。
「国の借金」と言った時点で虚偽報道です。「国の借金」では無く、「政府の借金」です。
また、国民が欲しているからマスコミも報道するというのはいかがなものでしょうか。
国民が欲すれば何を報道しても良いのでしょうか?。国民が「国の借金」の返済を肯定的にとらえ、それを返済すべきだと考えるのも長い間のプロパガンダの成果であって、貴方が想定している「賢い国民」が考えた末の結論ではありません。