第一章では、今までの藤井氏の本では知ることが出来なかった、内閣官房参与着任までの経緯や、参与の仕事内容、参与辞任理由などが書かれてあり、お得感満載。
第二章の『安倍内閣の政策を「検証」する』では、グラフを活用しながら、安倍内閣が民主党政権時よりも徹底的な緊縮内閣であること、電力自由化、移民自由化、水道民営化、種子法廃止、TPP、日欧EPAなど、朝刊進撃でも取り上げてきた過激なグローバリズム・新自由主義政策などを批判されています。
また経済政策だけではなく、日韓合意問題、北方領土問題など、安倍外交の失敗を取り上げると同時に、日米地位協定の改定などについても言及されており、氏が、”日本独立”のために並々ならぬ熱い想いを抱いて、参与~言論活動をされていることが本書からヒシヒシと伝わってきます。
第三章では、参与の立場にいたからこそわかる「財務省支配の実態」と政商・竹中平蔵氏の事を取り上げ、これらの問題を解決しないことには、安倍の次の内閣が誰になろうとも、今とは変わらない「緊縮・構造改革」政治が行われることを読者に予感させます(グローバリストの改革バカの安倍と、緊縮を推し進め日本を滅亡に導く財務省の二つを並行して批判することが大事ということですね)。
最後の第四章では『令和八策』なるものを掲げて、この政策を各党が採用する場合の「具体的政治展開」として、与党の自民党シナリオ、野党シナリオについて言及し、「令和八策を採用する、国民のための政治勢力」の誕生が重要であることを氏は説きます。
と同時に、言論・メディアにおける「情報戦争」に挑む覚悟についても藤井氏は言及されています。
藤井氏は安倍内閣の元・参与の身でありながら、本書で徹底的に安倍政治や財務省を批判したのは何故なのか?
氏は本書の最後の方で、こう述べます。
“日本の政治を巡る「真実」に気がついてしまった者は皆、もはや「何も知らない自分」には戻れないのだ。つまり真実を知ってしまったが最後、真実を知ってしまった者としての責任を、好むと好まざるとにかかわらず、負うことになってしまうのである。”
本書を読んで、私と同様に「日本の政治を巡る真実」を知った日本人達が、一人でも多く立ち上がって、その場その場で出来ることをしない限り、安倍自民党のような、国益を放棄した「外資・大企業寄りの国民虐待政策」を止めることはできないでしょう。
これは、私達日本人の命の行方にも直結します。
この言論戦は、私達日本人の生存を懸けた戦争の一種であることを頭に入れておくべし。
最後に『令和八策』(内容の詳細は本書にて)を転載しておきます。
第一策 「国民・国際主義」の復権
第二策 「反緊縮」の確立
第三策 反グローバリズム化・反構造改革を通した「保護・連帯」の強化
第四策 「分産・協調」社会の構築
第五策 内務における「統治性」の回復
第六策 対米自立を起点として「自律・独立」の確保
第七策 外務における「勢力均衡」の探求
第八策 「文化伝統」の再確認