「二つの緊縮財政勢力」
日本には二つの緊縮財政勢力がある。
それは、右の緊縮財政勢力と左の緊縮財政勢力である。
以下、前者を緊縮右派、後者を緊縮左派と呼ぼう。
以下、その特徴を挙げる。
緊縮右派
・低所得層への増税を支持。
・社会保障費等の削減を支持。
・分配を極力減らし、低所得層救済は最小限にとどめる。
・最低賃金制度の廃止を支持する急進派すらいる。
緊縮左派
・高所得層への増税を支持。
・軍事費・技術開発費等の削減を支持。
・高所得層からの分配で低所得層救済に賛成。
両緊縮勢力の共通点
・緊縮財政主義であり、政府支出を最小限に抑制すべきと考えている。
・特に公共事業費の削減にかなり熱心。
・低賃金移民の大量受け入れにも熱心。
勿論、緊縮右派も緊縮左派もどちらも間違いである。
「緊縮右派の間違い」
緊縮右派の政策は低所得層の負担が大きい。
これでは、低所得層が消費や投資に向ける資金を減らして、消費や投資が縮小してしまう。
消費や投資を拡大させるには、低所得層もお金に余裕がないといけない。
また、格差が拡大し、経済成長も鈍化し、良い面がない政策である。
緊縮右派の経済政策は、分配自体を毛嫌いする為に、経済に多大な悪影響をもたらす。
「緊縮左派の間違い」
緊縮左派は分配を唱えているところは、我々積極財政派と同じである。
しかし、緊縮左派の分配は、企業や高所得層からの低所得層への分配であり、既に民間市場に出ているお金内での解決である。
現在の日本では、企業や高所得層ですら、そこまで多くのお金を持っていない。
特に中小企業は厳しい。
低所得層への救済の分配をしたら、企業や高所得層すら共倒れしてしまう。
緊縮左派は、緊縮財政という間違った経済観に立って政策を立案しているから、このような間違った解決法しか提示できない。
「積極財政派が説く正しい解決法」
積極財政派は正しい分配法を説く。
すなわち、民間市場のお金が少なくて流通速度も遅いから、低所得層どころか企業や高所得層も分配の原資のお金を沢山持っていない。
だから、政府がお金を財政出動で大量に使用して、民間市場に供給するしかない。
つまり、積極財政派と緊縮左派は、同じ分配を主張しているようだが、政府からのお金か企業や高所得層からのお金かで違うのである。
積極財政派が説く分配とは、政府からの財政出動による分配で、景気調節・格差是正も達成しながら企業や高所得層にも負担をかけない最善の分配であり、デフレ下の日本はこれ以外の分配は愚策となる。
「結局、緊縮財政打破しかない」
積極財政派が説くようなまともな分配策が実行されないのは、左右の緊縮財政派が圧倒的に積極財政派に比べて強い為、政府のお金による低所得層への分配を異常に毛嫌いしているからである。
まともな分配策、すなわち政府のお金による低所得層への分配が実行されるには、どうしても緊縮財政を打破しなければならない。
『正しい分配をせよ!!』に対する反論
https://shin-geki.com/2019/06/07/
>現状の日本では、経営者と労働者、高所得層と低所得層が分配の面で、緊縮財政という間違った経済観から、無意味極まる論争をしています。
要するに、キミは日本では所得格差が生じており、富の再分配の問題が顕著になっていると認識しているんだろ?
でもね、日本のジニ係数を見るとそれほど深刻な状況にはなっていないんだよね。
『世界のジニ係数 国別ランキング・推移』
https://www.globalnote.jp/post-12038.html
まずね、人間の能力は一様ではないのだから、結果の平等を要求すれば不平等な結果を招くという認識を持つべきだ。
確かに、弱者が生きて行けない社会は正さなくてはならないが、資本主義経済を用いて共同体を運営している以上は経済成長を目指さなければ多くの弱者を生み出すことになるんだよ。
過度に結果の平等を求めることは自由競争を阻害することになるわけだから、市場に手を突っ込んでコントロールしようと考えてはいけないんだよ。
要するにね、経済成長し続けなければならない資本主義経済に於いて所謂福祉国家は成り立たないわけよ。
キミは、資本主義経済のメカニズムとルールを知らないから無邪気に福祉国家を叫んでしまうんだよ。