2014年、2018年と安倍政権で2度にわたって、入管法規制緩和が行われました。2014年~2018年の4年間で、外国人労働者は60万人増えました。
年間でなんと、15万人の増加ペースとなり、日本はいつの間にか世界第4位の移民流入数を誇っております。
2018年ではさらに、外国人労働者が永住権を取得できる道を開いた、といわれます。
この先、日本の未来はどのようになっていくのか? について、常識的な観点から考察したいと思います。
日本人とは文化の異なる国からくる、移民
国家によって文化は異なります。中国人が当たり前と思うことが、日本人にはおかしなことであったり、またその逆もあり得ます。
では外国人労働者や移民は、日本の文化にすぐになじむのでしょうか? もちろん働きに来ているので、慣れようとはするでしょう。
しかしこれは、外国人労働者や移民が”まだ少数の場合”です。
数が多くなり、例えば中国人の移民が多く入ってきたとしましょう。
そうすると移民中国人は、中国人同士で固まっているほうが楽なのは当然です。
慣れ親しんだ文化や慣習で、気を使わなくてするのですから。しかも中国人同士なら、母国語で会話も可能なわけです。
全体としてはまだ割合が少ないから、上記のような弊害が”まだ”起こっていない、と考えるべきです。
このまま外国人労働者や移民が増えるとして、年間に何万人?
2014年の入管法規制緩和で、急激に外国人労働者は急増しました。以下のグラフをご覧ください。
2018年の入管法規制緩和が、外国人労働者や移民の永住を可能にするものだということは、先ほど書きました。
2014年以上の増加ペースになると考えるほうが、自然でしょう。したがって年に20万~25万人ペースに増加になるのではないか? と考えます。
仮に20万人ペースの増加とすると、2028年には320万人、2038年には520万人となります。
国際情勢などの変化で、もっと増える可能性だって考えられます。東南アジアや朝鮮半島で、難民が発生したら? などと想定してみれば、これ以上の数字も考えられます。
また2018年の入管法規制緩和では、外国人労働者が家族を呼び寄せることも、可能になったと聞きます。(特定技能2号)
単純労働での外国人労働者の流入も緩和されました。
20万人~25万人という私の考えすら、甘い可能性もあります。
その場合、20年後には外国人労働者や移民が、1000万人近くになっている可能性もあります。
移民・外国人労働者受け入れ何%で、日本人に弊害が出る?
欧州の例をとれば、移民が8~10%程度に割合になったら、もはや無視できない弊害が頻発することになります。
イタリア、ドイツ、フランスなどはおおよそ10%前後です。反移民政党が盛り上がっているのも、うなずける話です。
実際には5%ほどで弊害が出始め、10%になると「我慢ならなくなる」ので、移民と日本国民で衝突などが起きるのではないでしょうか?
文化摩擦で、日本人同新連帯も希薄になる
移民と日本人の衝突が起きるのであれば、通常は「日本人同士で、連帯する」となりそうなものです。しかし、そうはならないでしょう。
イギリスのブレグジットは、基本的には反移民から生まれた潮流です。
ブレグジットの国民投票のさなか、何がいわれていたでしょう? マスメディアやエリート層はひたすらに「ブレグジットに賛成するのは、一部の貧困で学歴のない奴らだ」と言い立てました。
国民同士による分断が起こったのです。
日本でもおそらくそうなるでしょう。
- 反移民で移民受け入れ制限を求める陣営
- 反移民で、移民排斥を訴える過激陣営
- 人権派で移民の人権尊重を訴える陣営
- 新自由主義的に、移民受け入れを良しとする陣営
ざっと考えても、これだけに分かれます。特に2.と3.の間の分断は不可避でしょう。
もっとも穏健に、移民受け入れに制限を掛けたとしても、移民問題が片付くわけではありません。
現在日本にいる移民を、強制送還などできないのですから。
移民受け入れ制限をすると「これ以上問題が、拡大することは防げる」のですが、これまで起こってきた問題が、縮小するわけではないのです。
多文化共生など、不可能だからこそ国家ができた
言語も異なる、文化も違う。それが同じ場所にいると、「国際化だ!」などという薄っぺらい論調が流行っています。
移民受け入れで国際化! ってやつです。
多文化共生も上記のような文脈で、主にEUで語られてきました。しかし……メルケルですら、「多文化共生は失敗だった」と認めているのです。
多文化共生が可能なのであれば、国家というのはとうの昔に姿を消していたはずです。
EUで失敗しているものを、なぜ日本ができると思うのか? 私には理解が全くできません。
多文化共生にしても、外国人労働者や移民にしても、日本で成功するはずがありません。
アメリカは移民大国といわれますが、アメリカで市民権をとるには、アメリカに忠誠を宣誓させるのだそうです。
ただでさえ、世論調査で日本国民は、日本国家に対して意識が希薄です。そんな国が、移民に「日本への忠誠を宣誓しろ!」とできるはずがありません。
EUですら失敗した外国人労働者や移民拡大を、なぜ日本は「自分はきっと大丈夫」と安易に思えるのか? 単に現実を見ていないから、としか言いようがありません。
現実なき国家はどこに行くのか? わざわざ明言せずとも、明白でしょう。