思想

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杉本五郎中佐遺著『大義』|解説 第三章『「無」の自覚到達の大道』 井上雄彦『バガボンド』と和歌を通して

杉本中佐が禅の修行をした、 広島県三原市にある仏通寺の仏殿(写真:Carpkazu) 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。昨年に引き続き、戦前日本のベストセラー『大義』(杉本五郎著)の解説連載第4回です。 今回は第三章「「無」の自覚到達の大道」です。現代語での大意を示したうえで、これを現代...
政治・時事

日本の危機は衰退が続くこと。先人の努力の結晶に感謝し将来の我々と子孫に国力を残す必要性。

いやなことは意識しないと嫌なことにならないのかもしれない。しかし、無理に無視していたところで状況が勝手に好転することは基本的にはない。(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続) 韓国ネタに熱狂している我々日本の国民の姿を見るにつけ、それが肯定的であっても、批判的であっても、実は肝心かなめの問題について意識をわざと外...
思想

杉本五郎中佐遺著『大義』|解説 第2章『道徳』教育勅語の精神

越智通兄筆 橘曙覧(タチバナノアケミ)肖像画『大義』では橘曙覧の短歌が多く紹介されています。 戦前日本のベストセラー『大義』(杉本五郎著)の解説連載第3回です。今回は第2章「道徳」です。現代語での大意を示したうえで、私なりの解釈・解説を行います。原文はこちらの「大義研究会」のサイトでご覧ください。 第二章 「道徳」の大...
思想

ネトウヨとパヨク-物江潤 ネトウヨの対話不可能性と正義感の問題

政治的に対話不可能な人々、いわゆるネトウヨやパヨクは、普段から対話できないわけではありません。それどころか普通の、どこにでもいる人の可能性が大いにあります。 これはネトウヨとパヨクという、物江潤氏の著作でも指摘されています。  一体何が人間を、対話不可能な人にするのでしょうか? その構造を探ってみたいと思います。 物江...
思想

杉本五郎中佐遺著『大義』|解説 第1章『天皇』その2 人生は天皇のためにある! 

杉本中佐も尊敬する「大楠公」こと楠木正成 前回に続き、戦前日本のベストセラー『大義』(杉本五郎著)の解説連載第2回です。今回は第1章「天皇」の後半です。現代語での大意を示したうえで、私なりの解釈・解説を行います。原文はこちらの「大義研究会」のサイトでご覧ください。 第一章「天皇」 後半の大意 日本人は自分を救うことを目...
思想

杉本五郎中佐遺著『大義』|解説 第1章『天皇』その1 天照大神の御心を自らのものとせよ!

今年出版された改訂第3版 予告しておりました『大義』(杉本五郎著)の解説連載第1回です。この本は、戦前日本陸軍の将校で「吉田松陰の再来」と言われるほど部下の訓育に尽くした杉本五郎中佐の遺著です。原著は昭和13年に発刊されたものですが、今年7月に大義研究会から改訂第3版(戸塚陸男氏による解説付き)が出されています。杉本中...
政治・時事

なぜ保守主義者は国民主権や基本的人権を否定するのか?

保守主義の国会議員から、国民主権や基本的人権を否定する復古的な発言が定期的に飛び出します。これらの発言は通常の教育を受けてきた人からすれば、狂気の問題発言に映るでしょう。学者の言うようにこれらの発言は(彼らの考える)近代思想の否定であり、憲法観や自然権の否定だからです。しかし、日本の教育では保守主義についてはあまり説明...
思想

ネトウヨ、ルサンチマン、自己責任論とウィークネスフォビアの考察

先日、拙ブログにて書いたルサンチマンの意味と原因とは?自己責任論もルサンチマンが原因ですが、何かまだ足りない。そう直感してました。 書いたあとに、ルサンチマンの原初たる「嫉妬」を考えてました。  上記の稿で、プロフェッサーカオスさんからコメントを頂きました。そのコメントで「思考がつながった!」と直感しました。  ルサン...
思想

日本の没落-著:中野剛志の書評-受け入れるべき運命は文化の没落

だいぶ前に読んだ、中野剛志さんの著作「日本の没落」をレビューします。  日本の没落は、シュペングラーの「西洋の没落」の研究本です。西洋の没落は、奇書と言われます。また預言書とも言われます。 なぜ奇書を、中野剛志さんは真面目に研究したのか?  書評の中には「シュペングラーの奇書を解説するなんて、レベルが落ちた」という、辛...
思想

ガッチャマンクラウズインサイトが全体主義を強烈に描いている件

ガッチャマン クラウズ インサイトへ  読者さんにお勧めされて、ガッチャマンクラウズインサイトを見ました。なんでも、全体主義を強烈に描き出したアニメだとか。本当?  本当でした。下手なゾンビものより、恐怖ガンガン。全体主義怖い。 しかも制作側、本気。物語中に「サル」という単語が出てきます。このアニメ、現実の「サル」は普...
政治・時事

国会議員には自分よりも知力・体力・気力の勝る人を選んで代弁してもらうべき。なぜなら・・・

デモクラシー(民主主義)とは 民主主義とは有権者が様々な政党・候補者の主張を完全に理解したうえで、自分が求める社会を実現するためには誰に任せればいいのかを判断して投票することで成り立つ仕組み   ところが・・・ 行政サービスなどの社会システムは、「みんなが偏差値60程度(上位2割)の認知能力を持っている」ことを前提とし...
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ネトウヨの自己責任論は利己主義-アメリカより自己責任の蔓延る日本

タイトルには「ネトウヨ」とつけましたが、自己責任論の蔓延はネトウヨだけにとどまりません。  日本人のメンタルは、かなり自己責任論を肯定しているといえます。  「社会のせいにするな! それは自己責任だ!」とは、よく聞かれる言説です。低学歴なのも自己責任、貧乏なのも自己責任。危険に近づいたやつが悪い。安田純平さんの拘束も、...
思想

ジョジョの忠義な哲学 第7部~8部まとめ|忠義と永遠真理

プラグマティズムのウィリアム・ジェームズ(左)と忠義哲学のジョサイア・ロイス(右)  アメリカの哲学者ジョサイア・ロイスの名著『忠義の哲学』(Josiah Royce / Philosophy of Loyality)を漫画『ジョジョの奇妙な冒険』とミックスして超訳したものを、旧「進撃の庶民」ブログで連載させていただき...
思想

ジョジョの忠義な哲学 第5部~6部まとめ|忠義を育てるッッ!

アメリカの哲学者ジョサイア・ロイスの名著『忠義の哲学』(Josiah Royce / Philosophy of Loyality)を漫画『ジョジョの奇妙な冒険』とミックスして超訳したものを、旧「進撃の庶民」ブログで連載させていただきました。全8部のうち、1~4部のまとめを再掲したのに続き、今回は5・6部のまとめです。...
経済

資本主義とは?わかりやすく簡単に解説-知ってるようで知らない資本主義

資本主義。よく使用される言葉です。では「資本主義の定義とは?」と聞かれて、スラスラ答えられる人はいますか? じつは、ほとんどの人が答えられません。知らないのです。  かの有名なカール・マルクスなら「生産手段を資本家階級が有し、自分たちの利益追求のために、労働者に生産させる制度」と答えるでしょう。 主流派経済学者なら「自...