アメリカを嫌いな左派と、アメリカを嫌いな右派。――敵(アメリカ)の敵(ロシア)は味方理論――

この記事は約7分で読めます。

今回の記事は、ほぼほぼ前回の記事の追補である。

よって、今現在、日本人がウクライナ国を支持、もしくは応援すべき理由については前回記事をどうぞご参照頂きたい。

追記程度の話しではあるが、前回記事では少々不十分な部分があったのでここに記す。

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反米の種類には大きく分けて2つある

まず前回、親露反米になりがちな人々をマッチョ保守と呼んだが、より正確に言えば、これは保守とつくように右派系の人々に見られる傾向である。

日本で言うなら安倍支持者・アメリカならトランプ支持者系統である。

(ここで誤解のないように付け足すと、もちろん、上記のような支持者がみな親露派になるというわけではない、はずだと思うが。)

(また付け足すならば、反安倍でもフェミ嫌いでマッチョイズム信奉者は親露になりやすい傾向があるのではないかとも思う)

もう一つ、左派系に関してはこれは、アメリカ(欧米)的フェミニズム・もしくはリベラルを嫌うマッチョ保守とは違い・・・、

彼らは、アメリカ的な(もしくは欧米的な)権威主義を嫌うのである。

アメリカのやった罪

例えばまあ、アメリカのやったあまり感心されない行状と言えば、マニフェスト・デスティニーの名のもとで行われたアメリカ先住民の虐殺である。

または、ベトナム戦争での枯葉剤の散布、爆撃による殺戮。

さらには、ベトナム戦争開戦の動機であるトンキン湾事件などは、アメリカの歴史の中の闇中の闇である。

またさらには大儀名分が薄弱なイラク戦争。

・・等々である。

まあ上記の他にも細かい所はいくらでもあるのだろうとは思うが、上記の行動はその時その時の事情はあれど、決して、とうぜん称賛するにはちと違うかなと思うような事案ではあろう。

上記の抜粋だけでも、アメリカという国のろくでもなさを表すには十分ではないだろうか。

つまりは、アメリカによる弱い者いじめ(のようなもの)である。

つまりは彼らは、世界で起こった紛争の原因はアメリカであり、アメリカこそが世界の邪魔者であり、アメリカさえいなければ世界は平和だったと思っているのである。(もちろん、これは極端な人では、という話しではあるが・・)

国家権力も悪

ついでに、彼らは国家権力も大嫌いである。

権力とは悪であり、つまりは世界で一番権力のあるアメリカは世界で一番悪い存在というわけである。

国家は国民をつねに迫害する悪い存在だと思っているのである。

(もちろん、繰り返しになるが、これも極端な人では、という話しではある)

アメリカの権威主義が嫌いな左派

上記なようなアメリカの権威主義的(もしくは威圧的)な行動を見て、アメリカに特別嫌悪感を抱くような層が・・、今回の左派系の(敵の敵は味方理論で)親露・反米になりがちな人々の傾向ではないかと思う。

彼らはきっと、アメリカが大人しくしていれば、世界は平和だったかと思っているのではないかとは思うが・・、ただし、アメリカの他を圧倒するスーパーパワーが世界を縛っていたからこそ、ロシアや中国が目立った侵略行為を行えなかったのが、90年代(もっと正確に言えば2001年)までの世界のパワーバランス、もしくは世界秩序の正体でもあるはずである。

まあただしかし、とは言っても、それより上の方で列記した、アメリカ合衆国の『やらかし史』を見れば、アメリカを嫌いな人が一定数いても不思議ではないとは思う。・・・・が、それが行き過ぎて、人民を自分の好きなように殺せる独裁者をアンチアメリカのために応援するなどというのは、それはつまりはもはや、リベラルの名折れになるのではないかとも思う。

極端な意見(陰謀論)

もちろんそこまで行くのは、左派の中でもまた極端な人々ではあるのだろうとは思うが・・。

また、一般的左派も、一般的右派も、そこまで極端な人はそこまでは、いないはずである・・。

ただし、ネットは声が大きい人の意見の方が優勢に見える。

極端な人の極端な意見というのは、なぜだかどうしてもよく目立つものである。

(ちょっと古いが、twitterで安倍応援団だけフォローして見てれば安倍応援団がネットの大半と思いやすいし、反安倍派のtwitterばかりフォローしてれば、世間はもはや反安倍で一致団結しているようにも見える・・というような印象である)

つまりはそういうネットの、声の大きい人の意見というのは、よくよく目立つということである。

しかも、それだけを見続ければ、自分の意見は多数派で間違いないと勘違いしかねやすい。

しかして当然、上記のtwitterの例を見て頂いてもお分かりのように、決してそういうわけでもないのである。(特にtwitterは偏った意見が集団ごとにそれぞれ集住しやすい傾向があるかとは思う)

ネット右翼と同レベル

極端な人というのは、やはり極端であり、その意見もまた極端である。

それらは、会社の同僚や、学校の友達、家族等に話せばドン引きされるような話しである。

それは例えば、日本のマスコミ、政治は全て在日に支配されてるんだよー!(な、なんだってーΩΩΩ)っていうネット右翼等々と同レベルになってきているのである。(傍から見れば)

(注意していただきたいのは、上記のネット右翼レベルまで陰謀論史観にどっぷりはまった人は、さすがに反米左派の中でも少数派である。・・・少数派だとたぶん思うんだが・・・・・・・・。)

ネット右翼の場合は、韓国や在日が嫌いすぎて、論理構築がまず邪悪な韓国、在日が前提にあって、はた目から見ると無茶苦茶な理論に見えるような話でも、彼らの中では合理的な理論となるのである。

(ちょっと古い話だが、安倍政権時代に、在日が強制送還されるぞみたいな言説がネット右翼的には流行った時期があった。ただ当然、そんなことは起こっていない。しかし、都合の良い理屈と妄想で、彼らの中では大真面目にこれらは真実となっていたのである)

邪悪な存在は邪悪なんだから、邪悪であるはずだろう?

まとめると、反米(反欧米)にはおおまかには2種類ある。

1,アメリカの権威主義が嫌いな層(左派に多い)

2,アメリカのフェミニズム・リベラルが嫌いな層(右派に多い)

それが極端になると、両者ともに陰謀論臭い怪しい言説にも飛び込むし、反米の為にその敵対勢力を応援しだす。

敵の敵は味方というわけである。

邪悪なアメリカは邪悪でなければならない、なぜならば、邪悪なアメリカが全て悪いはずであるからだ・・・・。

(そんな人が適当な陰謀論を見つけたとする)

やっぱりアメリカは邪悪だ!すべてはアメリカが悪い!・・なに?、ちょっとおかしくないかだと?・・アメリカは邪悪なんだから、邪悪なアメリカが全て悪いに決まってるだろうが!・・邪悪なアメリカが邪悪な行動をとるというのが、なにがおかしいんだ!?

・・というふうな具合である。

(とうぜん筆者は、アメリカがまったく無罪だとも思わないが。そのへんの筆者の見解は前回記事を参照頂きたい)

嫌いを肯定するために現実を改変する

まあなんども書いてきてるように、上記のような人は少し極端な部類だが、だがしかし、そういう人も中にはいるということも、今回分析してみた次第である。

世の中には変わった言説を流しているやからも多いかとは思うが、おそらくこのへんの感じが、彼らの正体ではないかと思う。

誰か(アメリカ・韓国・在日)を嫌いすぎると、それを肯定するためなら現実改変もいとわなくなる人々がいる・・・という話である。

陰謀論者というのは、一般的な人からすれば不思議で疑問な存在かとは思うが、こういったところがその正体なのではないかと愚心する。

わろうべし悲しむべし。

(了)

(追記)

ちなみにこういう記事も見つけた。

↓ ↓ ↓

ツイッター上でウクライナ政府をネオナチ政権だと拡散しているのは誰か

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

興味深いものだとは思った。

もしよろしければ上記記事も是非に、ご一読願いたい。


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