身を切る改革は無意味で無駄な単なるパフォーマンス

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 先日、以下のツイートをしたところ大きな反響がありました。

よく「身を切る改革!」で、議員歳費を減らすとの主張を見かけます。

衆議院 465人
参議院 248人
議員歳費 2181万円
議員歳費合計 約155億5000万円

日本の国家予算 100兆円以上

議員歳費を5割削減しても78億円。
実質的な意味は全くなし。
これが「身を切る改革」の正体です。

 身を切る改革で議員歳費を5割カットしたとしても、たったの78億円程度しか節約できません。
 日本の国家予算は100兆円以上。

 身を切る改革とは単なるパフォーマンスです。
 なぜパフォーマンスするのか?
 国民受けがいいからです。
 身を切る改革とさえ言っておけば、消費増税だって受け入れるからです。

 本稿では身を切る改革の正体について迫ります。
 そして、いかに身を切る改革が無意味か言及します。

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身を切る改革は誰が言っている?

 身を切る改革は誰が言っているのか? 主張しているのは維新のイメージがあります。
 しかし、ざっと調べてみたところ「旧民主党」「日本維新の会」「公明党」「自民党」「国民民主党」が身を切る改革を主張していました。

 旧民主党は野田政権時代に、首相官邸ホームページにて「身を切る改革、力強く進めています」と掲載しています。
 維新はあちこちで「身を切る改革」と連呼しているのはご存じの通り。
 公明党は2017年の都議選で「身を切る改革の先頭に」としています。
 2019年の消費増税時には、与野党の中から身を切る改革の声が上がったとのこと。
 国民民主党も維新とスクラムで、参議院の定数6削減法案を提出しています。

 身を切る改革を言っていない政党の方が少数です。
 共産党や立憲民主党は「身を切る改革!」と言っているソースが見つけられませんでした。
 他にも、れいわ新選組も身を切る改革は言っていません

身を切る改革の中身は?

 身を切る改革とは一体何なのでしょうか。

行政のスリム化

 身を切る改革で第一に上げられるのは、行政のスリム化や国会のスリム化です
 効率化、スリム化するのが身を切る改革の意味です。

 野田政権では「身を切る改革、力強く進めています」と、公務員削減を強くアピールしていました。
 維新も大阪都構想などで行政のスリム化をアピールしています。

 このように、身を切る改革とは「(公務員の)身を切る改革」というわけ。

議員定数や歳費の削減

 「(公務員の)身を切る改革」では、政治家は身を切っていないじゃないか! と批判されます。
 したがって、政治家の身を切る改革もあります。

 政治家の身を切る改革は「議員定数の削減」「歳費の削減」のどちらかです
 歳費をいくらかカットして「我々も身を切っています!」とアピールするのが身を切る改革です。

 そして、政治家の身を切る改革とともに、大抵は消費増税など「庶民の身を切る政策」も一緒に実施されます。

 身を切る改革とは「庶民が痛みに耐えているので、政治家も一緒に痛い思いをすること」です。
 決して庶民の痛みはなくなりません。

国会議員の歳費を5割カットするといくら浮く?

 身を切る改革ではしばしば、国会議員の歳費カットなどに言及されます。
 仮に、国会議員の歳費を5割カットするといくら予算が浮くでしょうか?

 答えは78億円。

衆議院 465人
参議院 248人
議員歳費 2181万円
議員歳費合計 約155億5000万円
5割カット 約78億円

 ちなみに日本の国家予算は100兆円以上。

 国会議員の歳費カットがいかに無意味かわかります。
 パフォーマンス以上の意味はありません。

身を切る改革で本当に切られる人たち

 国会議員などが身を切る改革でパフォーマンスをしている間、本当に身を切られる人たちがいます。

行政のスリム化で行政サービスが低下

 行政のスリム化と言えば聞こえはいいですが、公務員をクビにして規模を縮小するのが狙いです。
 なぜ縮小するのかと言えば、予算を小さくするためです。

 緊縮財政のために行政のスリム化は行われます。

 多くの公務員がクビになれば、行政のサービスは低下します
 たとえば、生活保護のケースワーカーも多くは非正規雇用だそうです。
 他にも、ハローワークの職員も非正規雇用が多いそうです。

 非正規雇用で職員は専門性が求められ、過重労働になります。
 一方、利用者にとってはサービスの低下が懸念されます。

 行政のスリム化で本当に身を切るのは、政府や国会議員ではありません。
 利用者や働いている人、つまり我々庶民です。

公務員の非正規化でワーキングプアの増加

 行政のスリム化を行うと予算が圧縮され、正規職員が少なくなり非正規職員が多くなります。
 現在、非正規職員の割合は3割近くになっています。
 それも、年々増えるばかりです。

 正規雇用と非正規雇用の賃金差は1.5倍に及びます。
 非正規雇用の拡大はワーキングプアや低所得層を生み出します。

 行政のスリム化とは、回り回って庶民の働く場所や給料が奪われることになります。

身を切る改革パフォーマンスとともに通される庶民の身を切る増税

 身を切る改革と同時に、大抵の場合は何らかの政策が実施されます。
 たとえば、2019年の消費増税は好例でしょう。

 消費増税のたびに「身を切る改革で政治も襟を正す!」などとバカな言説が巡ります。
 仮に、国会議員が歳費を5割カットしたところで、たかだか78億円です。
 何の意味もなく無意味です。

 こうした「身を切る改革」という無意味なパフォーマンスとともに、庶民は本当に身を切らされるのです。

まとめ

 身を切る改革派共産党、立憲民主党、れいわ新選組以外のほぼすべての政党が主張しています。

 身を切る改革とはパフォーマンスです
 政治家や国会議員の生活が苦しくなるわけではありません。
 行政のスリム化は回り回って庶民を苦しめます。
 国会議員の歳費削減は5割カットしたとしても、わずか78億円程度の話です。

 パフォーマンスのための宣伝費としては安いものでしょう。

 身を切る改革で本当に身を切らされるのは庶民です
 身を切る改革を掲げる政党を見たら「庶民いじめしている政党」と思って間違いありません。

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ホワホ
3 years ago

ケースワーカーを非正規にするのは現場の機能不全の元なので、絶対にやめるべきなんですけど
むしろ率先して入れ替わってるんですよねぇ…

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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