前回、税収を増やし続けるには財政出動を増やし続ける必要があると述べました。
今回はそれを別の視点で見ていきたいと思います。
『私達が使う通貨』
税収を増やし続けるには財政出動を増やし続ける、という結論に向かう前に「私達が使う通貨」が増え続けないといけないと書きました。
では私達が使う通貨とは何でしょう?
『私達が使う通貨とは所得(給料)?』
通貨を使う為にはそもそも通貨を手に入れないといけません。
通貨を手に入れるとは通貨を受け取る事。
通貨を受け取るとは所得です。
わかりやすく給料といってもよいかと。
まとめると、
私達が使う通貨=所得(だいたい給料)
でしょうか。となると、
税収を増やし続ける
=財政出動を増やし続ける
=私達が使う通貨を増やし続ける
=私達の所得(給料)を増やし続ける
となります。
今までは増税をし続けてきてもなんとか大丈夫だったかもしれません。
しかしこの先所得や給料が増え続けないと、いくら増税しても税収は増やせず減り続ける時がいずれ来るのではないでしょうか。
なぜなら税とは「私達が使うお金(通貨)」を回収することです。
ならそのお金(通貨)を増やさないといずれ回収できなくなるのは当然の事。
ありていに言うと、税とは私達の財布の中のお金を回収する。
なら税を増やし続けるためには、私達の財布の中身が増え続けないと財布の方が先に空になるのは当たり前です。
『今だけ』
税収を「今だけ」増やすのなら、増税してさらに増税して私達の所得給料を減らし、国民が干からびるまで搾り取れば一時的にはできるかもしれません。
今増税して税収が(たまたま)増えた。
なら増税をし続ければ税収も上がるはずだ、となり増税が適切だという考えにもなります。
消費税10%が話題に上がりますが、上記の様に考えたら消費税を20%40%100%にしてもまだ足りない、もっともっと上げるべきだ!と言われるようになり増税が溢れ止められなくなるかもしれません。
『増税が税収の収入源だとした場合』
増税すれば税収は増えるんだ!、とシンプルに考えがちですね。
では増税が税収の源だとしたらどうなるのか。
税収を「今」増やそう!
→ 増税をして通貨を回収する量を増やす + 財政出動(通貨)を増やさないまたは、減らし続ける
→ 私達が使う通貨が減り続ける
→ 私達の所得給料が減り続ける
→ 私達が使う通貨が無くなり財布の中身が空になる
→ 税収(通貨の回収)をどうやっても増やせない時がやってくる
→ 税収が0になる
つまり、増税だけを続けて税収を増やすためには税収を0、つまり無くすべきだとなります。
財政の為に将来の税収を増やすために将来の税収を0にしよう! 税収を無くそう! と言っているのと同じ。
良いことだと思ってやったはずなのに、これはまともに税を回収できない状態、私達の将来の所得給料がなくなっている、つまり経済をぶっ壊すのを目指してしまっているのかもしれません。