熱海土石流と盛り土問題のトリニティ 緊縮財政・建設業界の保護・国民の安全は同時に2つまでしか実現できない

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盛り土〝無法地帯〟広がる崩落リスク - NHK クローズアップ現代 全記録
【NHK】26人が亡くなった静岡県熱海市の土石流。不適切な「盛り土」が被害を拡大させた“人災"の可能性が鮮明になってきた。事態を深刻に捉えた国は、盛り土の全国総点検に乗り出したがデータの精度が壁となりリスクを把握することさえ困難な状態に加え、直接規制する法律がないなど対策の限界も浮き彫りに。番組では“無法地帯"と化して...

「26人が亡くなった静岡県熱海市の土石流。不適切な「盛り土」が被害を拡大させた“人災”の可能性が鮮明になってきた。事態を深刻に捉えた国は、盛り土の全国総点検に乗り出したがデータの精度が壁となりリスクを把握することさえ困難な状態に加え、直接規制する法律がないなど対策の限界も浮き彫りに。番組では“無法地帯”と化している盛り土の現状と課題を全国各地で独自に調査し、命を守るためにいま何が必要なのかを考える。」

この番組を見たが、不適切な盛り土の被害から人の生命と財産を守ることへのNHKの本気度は残念ながら感じられなかった。なぜかというと、そのために極めて重要な積極財政への転換について全く言及がなかったからだ。

条例で盛り土を規制している自治体もあるが、条例では厳しい罰則を設けるにも限界があり、業者に指導しても従わなかったり、姿をくらましてしまい不適切な盛り土が放置されるケースが多くあるらしく、NHKが47都道府県に対して行ったアンケートでも法律が必要だという回答が91%にものぼる結果となったとのことだが、NHKは国の財政支援への要望については都道府県に質問しなかったのだろうか。

法律の整備は当然必要だと思うが、それと同時に多く自治体は盛り土対策への国の十分な財政支援を求めているはずである。地方自治体は貨幣を発行できないため盛り土対策を行うにも財源に限界があるため、法律だけできても国が緊縮財政のままで自治体に十分な財政支援を行わなければ法律はただの飾りで問題を何も解決できないのだ。

貨幣発行権をもちインフレ率の許容範囲における財政拡大の制約がない国が法律整備と同時に、自治体への十分な財政支援をして、パトロールや業者への監督・指導など盛り土対策に当たる自治体職員を増員できるようにしたり、不適切な盛り土の撤去等を行政代執行で行う場合に全額国庫負担として事業者から費用を回収できない場合に地方自治体に損失が生じないようにするなどの積極財政への転換なしに盛り土被害から国民を守ることはできない。

また、この番組では、国交省の建設業界の既得権益への配慮で法律整備が遅れたとの国交省や建設業界批判がされていたが、こういう的はずれの批判は盛り土問題解決に逆効果しかない。国交省が建設業界の利益を守ることはそれが国民全体の利益につながるならば全く悪いことではない。問題なのは緊縮財政の下で国交省が建設業界の利益を守ろうとしたために法律をつくらず盛り土問題が放置されるという国民に不利益を与えるようなかたちになってしまっているということであり、国交省や建設業界に責任が全くないわけではないが、それ以上に批判されるべきは緊縮財政を長年継続した財務省ではないだろうか。

積極財政の下であれば、公共事業の発注価格を引き上げて、コストをかけて残土を適正に処分しても業者に十分な利益が出るようにしたり、大規模な国営の残土処理施設を整備したり、残土処理に関する技術開発に十分な財政支援をしたり、堤防、道路建設、浸水リスクのある土地のかさ上げなど必要な公共投資を拡大し盛り土材として残土を再利用するなど建設業界の利益と国民の利益を両方同時に守ることができるのだ。

盛り土問題の解決に積極財政が必要だという簡単なことを、高学歴の優秀なNHKの番組制作者達がわからないはずはないと思う。NHKは盛り土被害から国民を守ることよりも財務省に忖度して記者クラブ利権などのマスコミの既得権益を守るほうが大事だと考えてるとしか思えない。

そんな無責任なマスコミに任せていては私達の安全は守れない。盛り土被害から自らの身を守るには私達国民が政府に積極財政への転換を求める声を上げるしかない。

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