1000万人に生活保護が必要?生活保護の捕捉率と利用率の国際比較

この記事は約4分で読めます。

「日本には、生活保護を受ける資格をもつ人が1000万人います」

 こう言われて、ほとんどの人は驚くでしょう。
 しかし、本当です。

 「生活保護が過去最多!」と報道されますが、日本の生活保護の捕捉率は先進国の中で最低レベルです。
 生活保護が必要な人たちを放置しているのが日本の現状。

 今回の記事では生活保護の捕捉率・利用率の国際比較とともに、最低生活費の算出の仕方も解説します。解説する中で日本の捕捉率の低さに、あなたも驚くことと思います。

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生活保護の捕捉率とは

 生活保護の捕捉率とは、生活保護の利用資格がある人たちのうち、実際に何人が利用しているかの割合です
 厚生労働省は生活保護の捕捉率を22.9%と推計しています。他の研究結果でも、おおよそ2割程度でかなり低い状況です。

 生活保護の利用資格とは、最低生活費を所得が下回っていることです。最低生活費の計算方法については後述しますが、おおよそ月に10万円~13万円(年収換算で約150~195万円)が基準です。
 最低生活費は地域によって変化します。

生活保護の捕捉率の国際比較

 生活保護の捕捉率の国際比較を、日弁連の資料に基づいてまとめました。

国名捕捉率
日本15.3~18%
ドイツ64.6%
フランス91.6%
イギリス47~90%
スウェーデン82%
日弁連資料(2,010年)

 日本だけ突出して捕捉率が低くなっています
 イギリスは別の資料で87%とあります。

 日本の捕捉率がこれほど低いのは、生活保護がスティグマ(恥)になっているのが大きな要因です。くわえて、生活保護の制度が正確に知られていないことも原因でしょう。

 生活保護は憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限の生活」を送るための権利です。最低生活費を下回っていれば働いていても、金持ちの親族がいても受けられるのが生活保護です。

 日本では生活保護バッシングがあり、生活保護=恥という空気があります。
 生活保護の正しい知識を広めるとともに、空気を変えることが必要です。

5人に1人程度しか生活保護を利用できていない

 どの資料でも、日本の生活保護の捕捉率は2割程度です。
 生活保護の被保護者数は2020年の統計で206万人います。

 つまり、生活保護を必要としている人口は1000万人に上ると推計されます
 この推計は、2つの認識を私たちに投げかけています。

  1. 日本には生活保護が必要な人たちが1000万人もいる。もはや、豊かな国ではない
  2. 生活保護を必要としている1000万人のうち、わずか200万人程度しか生活保護を受給できていない

 生活保護は憲法25条で定められた権利です。12人に1人が生活保護を必要としています。
 喫緊の課題として、生活保護の捕捉率を高めていかなければなりません。

生活保護の利用率の国際比較

 参考までに、生活保護の利用率の国際比較も紹介します。

国名捕捉率利用率
日本15.3~18%1.6%
ドイツ64.6%9.7%
フランス91.6%5.7%
イギリス47~90%9.2%
スウェーデン82%4.5%
日弁連資料(2,010年)

 利用率の面からも日本の生活保護はハードルが高く、利用されていないことがわかります。ハードルが高い原因は、自治体による水際作戦やスティグマです。

 水際作戦とは、自治体が生活保護の申請をさせないようにすることです
 水際作戦はNPOのスタッフなどについてきてもらうことで回避できます。生活保護を検討している人は、生活保護支援団体に相談してみましょう。

最低生活費を計算しよう

生活保護の金額を1分で自動計算します!生活保護.net
令和3年度の生活保護費を簡単な入力だけで自動計算します。全国1742市区町村に対応。まずはお住まいの都道府県・市区町村を選択、次にあなたの年齢、世帯構成などを入力してください。1分程度の入力であなたが受給できる生活保護費を計算します。

 上記のサイトでは生活保護の金額を自動で計算できます。住んでいる地域と世帯員数、年齢を入力するだけです。
 私は11万5310円と出ました。
 なるほど、ギリギリ一人暮らしで食べていける金額です。

 上記は年換算で138万円で、年収に直すと172万円相当でしょうか。
※生活保護では住民税や所得税はかかりません。国民健康保険料も必要ありません。

 たとえば、東京都の港区なら生活保護費は13万円/月です。年に156万円、年収に直すと195万円相当になります。
 年収200万円以下の人は、一度上記サイトで最低生活費を計算してみましょう。
  手取りは年収の8割程度が平均です。 年収に直すには、生活保護費(月額)×12×1.25としましょう

まとめ

 日本の生活保護の捕捉率は海外に比べ、非常に低い値になっています。捕捉率は2割程度で生活保護受給者が200万人いますので、約1000万人が生活保護を必要としています。

 日本の捕捉率が低いのは「生活保護のスティグマ」「正しい生活保護の知識が広まっていない」の2点です。年収150~200万以下の人は生活保護受給資格をもつ可能性があります。
 上述した最低生活費計算サイトで計算してみましょう。

 「生活保護の捕捉率が低い=困窮者を800万人も放置」ということ
 生活保護の捕捉率向上は喫緊の課題です。

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