卑劣にも財務省をはじめとする緊縮財政派は、災害による人の死や被災者の苦しみや悲しみまでをも利権のために利用する気のようである。
熱海市で発生した土石流では、逢初川に砂防ダムが設置されていたものの被害を十分に防げなかったようだが、良心と正しい貨幣観をもつ者であれば、政府が予算を増やし次に同じ規模の大雨になっても土石流による被害を防げるようなハード、ソフト両面の対策をすべきだと考えるはずだ。
しかし、緊縮派は貨幣観が間違っているうえに良心も皆無のようである。
避難だけでは守れない命を守るためにハード対策強化が必要という西日本豪雨の教訓を無視する愛媛新聞
これは7月7日付の愛媛新聞の記事である。一見、住民の自主的な迅速避難により命を守ることを促す記事のようにも思えるかもしれないが、私には「砂防ダムは役に立たない国の借金を増やすだけのムダな公共事業だからやめるべき」という方向に世論を誘導しようという意図を強く感じる。なぜかというと、過去の災害では避難により災害による直接的な被害から命が助かったとしても、家や仕事を失うなどの被災によるストレスによる自殺や病気、衛生状態悪化による感染症、復旧作業中の事故や過労、熱中症などの災害関連死が多く発生しており、本当に人命を守りたいという気持ちのある記者なら、住民に避難を促すと同時に、関連死も防ぐための災害自体を防止、軽減するハード対策強化の重要性も指摘するはずだがこの記事には全くそれが見当たらないからだ。3年前には愛媛県でも西日本豪雨で多くの県民が被災し、尊い人命が失われたにもかかわらず、愛媛新聞の記者は人命を守るためではなく、財務省への忖度で保身を図ることを最優先に仕事をしているようで大変許し難い。
政府がもっとお金さえ出していれば有効な対策を打てたのではないか
私は専門家ではないので断言はできないが、もっと大型の砂防ダムを建設したり、複数設置する、砂防対策の優先順位の判断や工法の検討にAIやスーパーコンピューターを活用しスピード化を図る、土砂災害対策に関する研究開発費を増額するなど、政府がお金さえもっと出していれば今回の被害をもっと小さくすることの可能な何らかの手だてをうつことはできたのではないだろうか。
違法盛り土問題も積極財政さえやれば迅速に解決できたはず
今回の土石流の大きな要因といわれている不適切な方法での残土投棄の問題についても、政府がお金さえ出していれば、指導・監督に当たる公務員を増員して残土不法投棄を防止したり、迅速に公費による残土除去や流出対策工事を行うなど手を打つことができたはずである。
熱海土砂災害は緊縮派の保身や出世のために起こった人災でもある 自分と大切な人を守るために一刻もはやく積極財政に転換を
この災害は、残土投棄による人災であるが、それだけでなく、変動相場制の自国通貨建て国債を発行できる日本政府の財政破綻リスクは無く、インフレ率の許容範囲内なら防災対策に財源の制約は存在しないにもかかわらず、財務官僚や御用学者、政治家らがその事実を無視して保身のために緊縮財政を継続したという意味の人災の側面もある。私達国民は、自分自身や大切な人の命と暮らしを災害から守りたいと思うならば緊縮派を絶対に許してはならない。