オレたちの安倍さんがもどってきた?~菅政権後を考える

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安倍前総理が、コロナ禍での積極財政、大規模財政出動の提言をしています。彼の政治姿勢(グローバル志向)は信用なりませんが、この提言自体は有用です。大いに利用して、菅政権後、与野党が積極財政策で競うような環境をつくりましょう。

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安倍前総理、大規模経済政策を提言

7月10日の新潟県三条市での講演で、安倍前総理は新型コロナ対応のため、大規模経済政策が必要だと指摘したそうです。

〇財源は国債発行だが、政府の子会社たる日銀が買い取るので政府債務は増えない。将来へのツケまわしにはならない。

〇国債発行でおカネが世の中に出て行くとデフレ圧力への対抗となる

〇新型コロナ対応の200兆円補正予算で100兆円くらいは財政措置をした

〇大規模経済政策で心配なのはインフレ率上昇と円の価値毀損だが、現在まったくそんな傾向はない。

〇早急にもう1、2回、大きなショット(国債発行による経済対策)を打つべきだ。

正しい認識です、菅総理の後は安倍さんだ!?

いっや~さすが安倍さん! 正しい認識です。

【日銀が買い取れば、国債発行は将来へのツケまわしにならない】
という部分は、正確には

“変動相場制で自国通貨建て国債発行は貨幣発行であり、そもそも将来世代へのツケまわしではない”

ということではありますし、

【新型コロナ対応の200兆円補正予算、そのうち財政措置は100兆円】は、

“真水すなわち実際の財政支出は30兆円”が実際のところ

ですが、大枠としては貴重な積極財政の提言と言えます。

さすが安倍さん! やっぱり菅総理の後は安倍さんしかいないィィィッ!

……なーんて言えるわけはありません。

あべこべ逆噴射政策

平成24年12月、積極財政への理解を示し「瑞穂の国の資本主義」を掲げる安倍晋三氏が総理の座に返り咲いた時は、

「これでデフレ脱却は実現、豊かで強い日本が復活する!」と我々積極財政派は祝杯をあげたものでしたが……

御存知のとおり、その期待は見事に裏切られました。
もう思い出すだにイヤな気分になりますが、

●積極財政は最初だけ、あとは緊縮でデフレ継続、経済成長なし

●二度の延期を経るも、消費税を倍の10%に引き上げ、法人税は減税

●外国人労働、派遣労働の拡大、竹中平蔵氏ら政商の利を図り、国民の賃金を抑制

●電力自由化、水道民営化の後押しなど、インフラ脆弱化・切り売り政策

●「もはや、国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました。」としてグローバル企業活動の国境の撤廃を目指す

●靖国参拝は1回きり、北朝鮮拉致問題進展なし、尖閣の実効支配後退、北方領土のロシア実効支配進展 などなど……

野党時代の言論はどこへやら、政権を担ったとたん、アメリカの属国の長、国際金融資本・グローバル政商の日本支店長に成り下がってしまいました。

権力維持のための緊縮財政

こういう履歴がありますから、今回の講演会での発言も、
「選挙前、積極財政派へのリップサービスか?」と眉に唾するべきでしょう。

緊縮財政・グローバル政策で国民経済を傷めつけたことを率直に認め、消費税廃止や減税にまで踏み込んだ発言をするなら、ちょっとは見直しますが。

結局のところ、安倍氏は
【権力獲得のために積極財政を訴え、権力維持のために緊縮財政を取った】と言えます。

八方美人! 誰にでも良い顔をし、敵を最小限にとどめ、できるだけ多く味方を作り、強者におもねる。それが彼のスタイルでしょう。

コロナ禍での政府支出拡大にすら危機感、という人が8割を占める日本ですから、緊縮財政に傾くのが当然です。また、民営化推進や外国人労働者増などのグローバル企業・政商向け政策も、権力維持のためには必要となります。

安倍発言を、自民党政治家(日和見)の啓発に

では今回の発言も、嘘つきの目くらましとして唾棄すべきかというと、そうでもありません。

安倍氏の政治家としての存在感は大きい。その彼が国債発行による財政出動を早期に行うべき、と述べたことは利用できます。

あの安倍さんが、国債発行は問題ない、早期に2回は大規模財政出動を行うべきと言っている!
一律給付金のおかわり~継続や事業者への全額粗利補償でコロナ禍に苦しむ国民経済を盛り立てよう!
アメリカも大規模財政出動や巨大インフラ投資で経済は絶好調、我が国も今やらなくてどうすんですかっ?! プライマリーバランス黒字化目標なんて破棄です、破棄ッ!

と自民党議員たちに意見するのです。

ご意見の際は、うずらさんの↓の記事が参考になります。
経済・財政常識の大転換

与野党が積極財政・財政出動の規模で争う

現在、菅政権の支持率は3割を切り、自民党の政党支持率も21.4%となっています。

地方選挙でもまったく振るいません。次回衆院選では単独過半数割れとも言われる状況です。

このような時には、与党で財政拡大の声が通りやすくなります。

低い支持率の下で衆院選や自民党総裁選を迎える場合、経済対策の規模は大きくなりやすいでしょう。

渡辺浩志 ソニーフィナンシャルホールディングス シニアエコノミスト 令和3年7月16日(金)

自民党内で積極財政への声を高めてもらうチャンスです。

加えて、我が国での国債発行は通貨発行であり、むしろ将来への資産づくりなのだということまで浸透させたいもの。

安倍発言をテコに、積極財政の選挙公約化が実現すれば、野党もグズグズしていられないでしょう。

国民民主・れいわのみならず、立憲民主党はそれ以上の積極財政策、消費税の減税どころか廃止を打ち出すことが期待されます。さらに、法人税増税や株主至上主義の是正、労働規制強化などに踏み込めれば、大きな争点を作れるでしょう。

選挙の前の世論形成が結果を決める

逆に心配なのは、弱り切った自民党が維新への傾斜を強めることです。

兵庫県知事選での共闘・勝利に味を占めたのではないかと危惧しているのですが、

維新と共に、旧来型の「身を切る改革!」「民営化で効率化!」「既得権益を打破!」という方向をくずさない可能性もあります。大衆の嫉妬心(ルサンチマン)に訴えて勝ちを得ようというパターンです。

こちらだと、野党側にも積極財政への踏み込み機運がイマイチ醸成されません。選挙自体も盛り上がらず、結局、自民と維新・公明が連立内閣で緊縮財政・構造改革は継続、という最悪の未来が見えます。

衆議院選挙は政治を変える一大チャンスですが、勝敗を決めるのはその前の世論形成です。
そしてさらに大事なのは、「和」の心、同胞を思いやり、共に豊かになって国を盛り立てようという心を広げることだと思います。

これを基礎に置きつつ、安倍発言でもMMTでも何でも活用して、政治家に、周囲の人々に積極財政の考えを広めてゆかねばなりません。ご協力いただければ幸いです。

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