コロナ禍による出産控えの影響もあり今年に入って出生率が急減しており、少子化対策がより一層急務となっている。そんな中で5月9日にNHKで放送された「時論公論 クエスチョン・タイム」という番組で「コロナ禍で縮むニッポン 私たちはどう生きる」というタイトルで少子化問題について取り上げていたが、あいもかわらず「限られた財源」とか「増税」とか「予算を高齢者から若者に」などと間違った貨幣観に基づくデタラメな意見しか出てなかった。緊縮財政をやめない限り少子化問題を解決することは絶対にできない。
「若者にも高齢者にも政府がカネを出す」が少子化対策の唯一の解
社会保障予算の配分を高齢者重視から若者重視にするというのは一見正しい対策のようにも見えるが実はこれは逆効果だ。年金の引き下げや医療費負担増などによって高齢者購買力が下がれば高齢者向けのモノやサービスを生産する若い世代の所得は間違いなく減る。そうなれば、どんなに子育て支援を手厚くしても出生率は上がらない。それに、デフレ下において生活のために働かざるを得なくなる高齢者が増えれば、間違いなく若者の賃金低下圧力が強まる。また、10代や20代の若者が家族の介護などで重い負担を強いられる「ヤングケアラー」の問題も深刻であり、彼ら彼女らの負担を軽減し子どもを生み育てられるようにするためには介護サービスは逆に拡充する必要がある。
出生率を増やしたいなら消費税はゼロにせよ
増税も論外である。消費税増税による景気低迷が少子化の大きな原因となっているのは長年続けられた「社会実験」の結果明らかになっている。少子化を解決したいなら、今やるべきは増税ではなく消費税廃止だ。
公共事業を削って子育て支援に充てるは少子化対策に逆効果 国民が安全に暮らせる国土でなければ子どもを生み育てることなどできない
少子化対策に回すために他の支出を削るというのも逆効果でしかない。こういう議論で必ずやり玉にあげられるのが公共事業だ。毎年のように集中豪雨や台風、地震など大規模な災害がどこかで発生するなど自然災害が激甚化しているなかで防災・減災のために必要な公共事業を削減すれば、コロナウイルス以上の人命の危険に国民が長期にわたってさらされ続けることは避けられない。そんな状況ではどんなに子育て支援が充実していても、若者が安心して子どもを生み育てるのは不可能なことは常識的に考えれば誰でもわかるはずだ。
こうすれば絶対解決できる少子化問題 政府の貨幣発行能力をもってすれば実行は十分可能 あと必要なのは民意だけ
少子化問題を解決するには、増税をせず、新規国債(貨幣)発行を財源として、現役世代の社会保険料減免と高齢者の医療や介護の自己負担軽減、年金支給額アップの同時実施、高齢者福祉と子育て支援予算両方の大幅増額、社会保障も公共事業も増額などの大規模財政出動を行うことが必要不可欠なのである。そして、変動相場制のもとで自国通貨建てで国債を発行できる日本政府に財政破綻のリスクは全く無いのだから、国民がそれを望めばインフレ率の許容範囲内であればそれを行うことは十分可能なのである。
若者高齢者重視で、氷河期は放置。
若者お年寄り優遇政策の自民公明が積極財政になったパターンですかね。
まったく共感できませんな。数十年という期間でみればそれでいいのかもしれませんがね。