SDGs(持続可能な開発目標)達成のために我が国が果たすべき最重要責務は積極財政への転換

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最近、「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉をよく耳にするようになった。これは、地球規模の様々な課題を解決し、人類の持続可能な発展を図ることを目的に国連が定めたものである。子や孫の世代にツケを残さないために今すぐ各国は行動を起こさなければならない。にもかかわらず日本政府はそれに逆行する政策をしており、しかもそれを容認する考えが世論の大勢となっている。それは何かというと緊縮財政である。

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我が国はすでに衰退途上国 他国を助ける余力はもはやない

貧困や飢餓などはアフリカなど遠い国や地域の問題で我が国には関係無いと日本人の多くが思っているかもしれないが、緊縮財政を続けた結果、我が国は「衰退途上国」と化しアフリカ諸国等とは少し異なるかたちで貧困などの途上国にあるような問題が発生しつつあり、途上国の課題解決に貢献する国力も失いつつあるのだ。

我が国自体がもはや貧困大国 人類のためにデフレ脱却しなければならない

SDGsは17項目の大きな目標で構成されている。1つ目の目標は「貧困をなくそう」だ。貧困撲滅のために先進国が果たすべき役割は自国の国民の購買力を高める政策を行い、発展途上国の産品をフェアトレードなどのかたちで買うことで人々の雇用や所得を改善することである。しかし我が国では長年緊縮財政と消費税などの増税の結果、相対的貧困やひとり親家庭の困窮など途上国とは異なるかたちで貧困問題が深刻化しており、途上国を助ける購買力は低下している。我が国は日本国民及び途上国の人々のために一刻も早く消費税廃止、社会保険料減免などの国民の購買力を高める積極財政に舵を切らなければならない。

飢餓撲滅のために我が国が果たすべき責務は国内農業の徹底保護

2つ目の目標は「飢餓をゼロに」だ。今、先進国の飽食による穀物などの大量輸入により地球上に十分な量の食糧があるにもかかわらず、経済力の乏しい国の人々が飢餓に苦しむという事態が発生している。我が国も国内で消費される食料の多くを輸入に依存しておりそれに加担しているといわざるを得ない。インドや中国などの膨大な人口を抱える経済大国との間で食糧の奪い合いは激しさを増しており、この状況で天候不順などによる大不作が発生するなどすれば日本人にとっても飢餓は他人事ではなくなる。日本国民だけでなく全人類を飢餓から救うために我が国が果たすべき使命は、国内の農業、漁業者への個別所得補償や農業技術開発への財政支援など食糧自給率を高める財政出動の断行である。

まずは国内で教育への財政出動を拡大せよ

4つ目の目標は「質の高い教育をみんなに」だ。我が国では教育への公費支出が乏しいために経済的に苦しい家庭では大学への進学などが困難になるなど経済格差が教育格差に直結している。このような現状は、日本国民にとってももちろん不幸なことだが、それに加えて、途上国の教育を支援する優秀な人材を日本から輩出することが妨げられるということでもあり全人類にとっての不幸でもある。我が国と世界のために日本政府は大学無償化や給付型奨学金など教育への財政出動をやるべきだ。

緊縮財政と水道民営化で発展途上国化しつつある日本の水道サービス

6つ目の目標は「安全な水とトイレを世界中に」だ。我が国では先人の尽力のお陰でどこに住んでいても高品質の上下水道サービスを享受できている。だが、これを維持し続けるには老朽化が進行している上下水道インフラの更新を急ぐなど今の世代が不断の努力をしなければならない。にもかかわらず、緊縮財政を続けたい日本政府はその責任を放棄し、上下水道事業の民営化という愚行を進めている。日本国民への高品質の上下水道サービスを維持するとともに、それによって培われた技術で途上国の水道整備に貢献できるように世論の力で積極財政への政策転換を一刻も早く実現しなければならない。

積極財政でインフラ先進国の地位を取り戻すことこそ我が国が行うべき国際貢献

9つ目の目標は「強靭なインフラの構築」だ。途上国の人々の生活水準の向上にはインフラ整備が非常に重要である。我が国はかつては国内での積極的なインフラ投資で培われた技術で途上国のインフラ整備にも大きく貢献していたインフラ先進国であった。しかし、緊縮路線をとるようになってからはインフラ投資も十分に行われなくなり、インフラの老朽化が放置され2012年に中央自動車道の笹子トンネルで天井板が落下するという重大事故が発生したり、今年2月の福島県沖の地震では、常磐道がお金をケチって対面通行で建設されたために崖崩れで上下線とも塞がれ長期間影響がでた。我が国は今や「インフラ後進国」なのである。その一方、中国は国内での積極的インフラ投資を行いそれにより培われた技術で途上国でのインフラ投資を行っている。しかし、途上国側に多額の借金をさせて政治的影響下においたり、ミャンマーで建設中のダムのように深刻な環境破壊が懸念されているケースも少なくないなど中国の援助によるインフラ投資には問題が多い。日本は大規模かつ継続的な財政出動を決断し、一刻も早くインフラ先進国の地位を取り戻さなければならない。

気候変動への対応にも積極財政が必要不可欠

13こ目の目標は「気候変動に具体的な対策を」だ。このために我が国が果たすべき責務も大規模かつ継続的な財政出動である。科学技術関連予算を倍増し、新エネルギー開発など気候変動対策に資する研究を推進したり、企業の省エネ、環境関連の設備投資への財政支援を拡充する、環境に配慮した商品を国民が買い支えられるように消費税廃止など家計の購買力を高める財政政策を行うなどの気候変動の防止、軽減策と、異常気象に強い農作物の品種改良、自然災害の激甚化に備えた治水対策強化や海岸堤防整備などのハード、ソフト両面の防災対策強化などの適応策の両方を積極財政によって国内において進め、それによって培われたノウハウで途上国の環境負荷を最小限に抑えながらの経済成長に貢献できるようにしなければならない。

積極財政による海上警察力強化で豊かな海を守れ

14こ目の目標は「海の豊かさを守ろう」だ。水産資源を守るためにはしっかりとした国際的なルールづくりとそれを守らせるための海上警察力の強化が必要だ。にもかかわらず我が国の海上保安庁は慢性的な予算不足に悩まされている一方で、中国の漁船は世界中の海で乱獲を行い、その後ろ楯の中国海警局には潤沢に予算が投入され、装備や人員をどんどん強化している。豊かな海を守るために海上保安庁予算の倍増、途上国への巡視船の無償供与などが急務である。

地球の森林を守るために日本は国内林業を徹底保護しなければならない

15こ目の目標は「陸の豊かさも守ろう」だ。我が国では輸入木材との競合で国内の森林資源が利用されず、結果として間伐などの維持管理が不十分になり山が荒れるということが問題となっている。一方、途上国では乱開発による森林破壊が深刻だ。この問題の解決には、林業への財政支援拡充により国内の森林資源有効活用を進めるとともに、海外の森林保護、再生に貢献できる人材を育てる必要がある。

緊縮財政は日本国民だけでなく全人類への裏切り行為

将来世代へのツケ回しだからと、政府による減税や歳出拡大に反対する国民はご高齢の方を中心に少なくないが、自国通貨建てである日本国債は日銀が買い取ってしまえば返済も利払いも不要になるので、インフレ率の許容範囲なら財政赤字の増加は全く将来世代の負担にはならない。一方で、それにもかかわらず、緊縮路線を継続してSDGs達成を困難にする方が将来へのツケ回しだ。この事実にひとりでも多くの方に気づいていただき、政府に対してSDGs達成に資する積極財政への転換を要求していただきたい。それによって、若者の未来が守られ、ご高齢の方々がご存命中もお亡くなりになられた後も下の世代から尊敬されるそんな世の中になることを心より願っている。

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21 日 前

積極財政で我が国の農業、林業、教育、インフラを守るという考え、よく分かりました。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民
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