消費税は消費への罰金!デフレの日本で消費を抑制する愚かさ

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 消費税が導入されて30年以上が経ちました。現在の30歳以下は消費税がなかった時代を知らないことになります。

 消費税は1989年に導入され、幾度か引き上げられました。現在では10%の消費税が課せられます。消費税とは消費するごとに課せられる罰金です。
 老若男女、子供から老人まで、困窮している人から富裕層まで誰でも消費税を取られます。

 税金の役割から見直し、消費税が罰金であるという事実を本稿では確認します。
 くわえて、一見して公平そうに見える消費税がとんでもなく不公平であるという事実も解説します。

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税金の役割

 消費税を議論する前にまず、税金とは何かを簡単におさらいしましょう。

税金は財源ではない

 一般的には税金が財源だと考えられています。徴税して、そのお金の中から政府支出をまかなうという考え方です。
 しかし、税金が財源だという認識はちょっと考えてみても矛盾しています。

 たとえば、確定申告は毎年3月に行われます。2020年度の確定申告を2021年の3月に行います。2020年度の予算は確定申告で徴税される前に決定され、支出されています
 「徴税して支出する」ではない例の1つです。

 むしろ、支出してから徴税しているのです。これを現代貨幣理論(MMT)ではスペンディングファースト(政府支出が先)と呼びます
 政府は徴税するより先に支出し、支出した通貨を徴税によって回収しているに過ぎません。

 驚くべきことに、税金は財源ではないのです。

税金という規制・抑制

 では、税金の役割とはなんでしょうか。

 税金の役割を一言で表すと「規制や抑制」です。課税することでその行為を抑制する働きがあります。
 一例としては環境税が挙げられます。
 温室効果ガスを抑制するためにCO2に課税し、排出を減少させています。

 所得税や法人税、消費税などの一般的な税制も抑制につながります。所得税や法人税はインフレを抑制する働きがあります。
 また、法人税を上げれば儲けをため込むことを抑制し、経費として支出されるようになるでしょう。

 本題のテーマに戻れば、消費税は消費を抑制します。つまり、消費への罰金と考えられます。

消費税とは

 迂遠ですが消費税についても確認しておきましょう。消費税とは1953年にフランスの大蔵官僚であるモーリス・ローレが考案しました。
 なんとも余計なことを考えついたものです。

 日本では1989年に消費税3%が導入されました。1997年に消費増税が行われ5%になり、翌年から日本はデフレに突入します。2014年に8%、2019年には10%に引き上げられます。

 消費税は安定財源とされており、現在では税収の3割を占めています。

 一見、公平に見える消費税ですが、逆累進性の問題が指摘されています。逆累進性とは、低所得層ほど消費税が重税になるという現象のことです。

 たとえば、年収1億円の人と200万円の人がいました。年収1億円の人は生活費が1000万円です。したがって、消費税は100万円です。
 1億円の年収に対して100万円の消費税しかかかりません。
 一方、年収200万円の人は消費税が20万円です。

 1億円の人は収入に対して100分の1しかかかりませんが、200万円の人は10分の1かかります。これが消費税の逆累進性です。

 この例は極端ですが、消費性向は低所得層ほど高く富裕層ほど低くなります。

消費税という消費を規制する罰金

 消費税は考えてみると非情な税制です。消費すると例外なく消費税という罰金が課せられます。それはどんな状況、どんな人であってもです。

 一例を挙げれば困窮して、明日のご飯に困っている人も消費すれば消費税がかかります。生活保護や年金で暮らしている場合でも、低年収で最低生活費を下回る場合でもかかります。
 困窮してようが貧困にあえいでいようが消費税は等しく課せられます。

 生まれてきたばかりの子供にも、重い障害を負っている人にも、収入のない高齢者にも消費税はかかります。
 まさに、消費することへの罰金としか思えません。

 日本は長年デフレです。デフレとは需要<供給の状態ですから、消費や投資を盛り上げないといけません。ところが、日本はその逆をやり続けてきました。
 消費税という罰金によって消費を抑制し続けたのです。

まとめ

 税金とは財源ではありません。税金とは環境税に代表されるように、何かを抑制したり規制したりするための制度です。環境税ならCO2に課税することで、排出を抑制します。

 とすれば、消費税とは消費を抑制するための制度です。消費への罰金と表現してもいいでしょう。

 くわえて、消費税は決して公平な税制ではありません。低所得層ほど年収に対する課税の割合が高くなる傾向にあります。なぜなら、低所得層ほど消費性向が高いからです。

 消費税は生まれたばかりの子供から重い障害を持つ障害者、働けない高齢者、困窮して明日のご飯にさえ困る低所得層まで誰からも無慈悲に徴税します。

 消費税が罰金と表現される意味は、この無慈悲さも無関係ではないでしょう。

 昨今、野党共闘や野党が消費減税を掲げるといった話が囁かれています。ぜひ、消費税廃止に向けて政治が動いてほしいものです。

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