アイドル新党なでしこ! 第65話 大阪ダブル選挙 後編

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あとがき(原作担当 遠藤万次郎)

 今回も2015年の大阪における、ダブル選挙(大阪府知事選挙、大阪市長選挙)のお話の続きです。当時の論点を思い出しながら、というのがいつもは多いのですが、今回は直近に「大阪市廃止・特別区設置住民投票」があったため、ほぼリアルタイムということでシナリオを書きやすくはありました。

 作画担当へシナリオを提出する前の段階で、ワード、エクセル、フォトショップなどを普段は使用して制作しているのですが、今回は珍しくというか、十数年ぶりくらいにアドビのイラストレーターを使っています。「グループ」「パスのオフセット」「整列」とか、便利で特徴的な操作が少し懐かしかったです。

 さて、普段からYouTubeで政治系動画を視聴されているだろう皆さんなら、一度くらい上記ゲーム「Hero Wars」の広告を見たことがあるのではと思います。私も仕事の息抜きに、こうしたパズルゲームでもやってみようかと思ってクリックしたら、本来はもっと別な本格派の課金ゲームだったようで、もの凄い時間とお金を吸い取られてしまいました(笑)。ネットでは皮肉を込めて詐欺広告と書かれていて、攻略サイトでも「そもそもこんなゲーム、やらない方がいいwww」などと書かれている始末ですが、面白いことは面白いので困ってしまいます。

 「ゲーム内のミニゲームでしかないパズルゲームで新規ユーザーを釣る課金ゲームらしいが、とりあえず投資は最小限にして遊んでみようと」と思っていても、いくつかあるゲーム内通貨や宝石を交換するのと同じ感覚で、電子データである自分のクレジットカードでも入金操作を行ってしまい、これが結構やっかいです。私は昔、CGIで動くブラウザゲームのゲームマスター(管理人)をしていたこともあり、ユーザー心理をくすぐる仕掛けには耐性や理解があるはずなのですが、あの手この手で課金へと誘導されてしまいました。

 運営側の視点に立ってみると、いかにユーザーを飽きさせず毎日遊んでもらうか、古参のユーザーばかりがゲーム内の資産を貯め込み、後発のユーザーが逆転できないような不公平があってはいけないだとか、色々と考えなければいけないことがあります。ゲーム内のアイテム価値のインフレに注意しなければならず、懲罰的な災害イベントを考えたりとか、とにかく運営の第一の仕事はゲームバランスの調整にあるのです。これって現実の内政、租税による懲罰効果や所得再分配、政府と中央銀行が行う物価調整に共通するところがありますよね。

 そしてゲーム内の通貨は、運営にとっていくらでも増減が可能な電子データです。本当に重要な富や財産は、ゲームシステム(インフラ)やユーザーが課金してくれた日本円なりU.S.ドルなわけで、それらを国家運営に例えるなら「国富」と呼べるでしょう。日本のような条件の国の自国通貨なんて、オンラインゲーム内の通貨と同じだと政治家や官僚が気づいてくれれば、わが国は積極財政に舵を切れるのかもしれません。

 さて、次回の配信日ですが、4週間後となる1月17日(日)を予定しています。長かったこの物語も、いよいよ次で最終回です。それではまた、次回のあとがきでお会いしましょう。

※たまにツイッターで呟くようになりました。一応、フェイスブックもあります。

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