正直に言ってみることも大事なこともある。話はそれからだ。(イエスタデイをうたって)
経団連のトップ企業がついにデフレ圧力の発端を切り始めた。
先日自動車の販売価格を、下げるという話を発表したばかりであるが、それをサプライチェーンに対して、その立場の強さを利用して値下げ圧力をかけ始めたのである。そう、それは、命令ではない、要請である。コロナの自粛を同じで、何も補償はないが、やらないとどうなるかわかっているよな、という無言の圧力で押し切るということがひしひしと伝わってくる。企業が自分の利益を守るためには当然の行動ではあるが、これだけ大きな義業になれば、雇用や経済に対して責任があるというのが冷静なものの見方というものだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61926060W0A720C2MM8000/?n_cid=SNSTW001トヨタ、部品会社に値下げ要請 業績悪化と材料費下落トヨタ自動車が一部の部品メーカーに、部品価格の引き下げを求めていることが分かった。年に2回(4月、10月)価格の見直しをしているが、途中の値下げ要請は異例。新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化www.nikkei.com
当然のことと言っているのは、その企業が経済に対して大した影響がない企業だったら特にそれを攻めるつもりはない。しかし、日本国の政策として、日本国内で生産拠点を中国やら東南アジアやらに追い出したあとに残った貴重な国内の生産活動に連動している自動車メーカーが、そのような「ミクロな」視点だけで済ませられるはずもない。それに対して、日本国は何もしないというのは、本当に良いことなのかということを考えなければならない。日本経済をどうしたいのか。このような行動に対して、具体的にどのように金を使えばいいのかということは、政府に迫られた問題である。少なくともこのことを放置して、サプライヤーの系列の少なくない数の企業が、その先の従業員、派遣、多くの労働者の雇用や賃金への低下の圧力をどう交わして、コロナを乗り切れるような環境にするのか。
西村大臣が企業に対して要請を出していた。これもまた要請である。そこで偉そうにいっていることは、政府は何もしません。勝手に努力しろ。カネは出さない。ということではあるが、上記のような状況に対して清貧左翼に批判されても金を出す。単にトップの企業を救うだけではなく、そのサプライチェーンにつながる企業や雇用されるに人間の生活に対して補償することを、現状の把握とそれに基づく想像力を働かして先回りでやっていくことが必要だろう。
出すことをためらわない。出し過ぎは後で調整するぐらいのスピード感が必要だ。
コロナの収束などは、早いのか遅いのか、新しい危険があるのか、逆に思わぬ弱毒化するのかは、実に不確実である。しかし、不確実なことを、楽観視する方向で手を抜くと、当然ながら収束していない状況では最悪の状況をもたらすのである。要するに、余分に対応することが必要だ。
これまでやってきた選択と集中とかムダを省くということが如何に間違った考え方なのかということを再認識する必要がある。当然、金だけピンはねするような商売は無駄であり、ものを作ったりサービスを生み出したり、労働に対する対価をしっかり労働者に届けられるようなものにつながる施策をその不確実性から無駄と切り捨てること自体が、「無駄」なのである。それが、資本主義の原理であったり、経済学の言う理屈で正当化しようというのであれば、それこそ無駄の極致なのだ。
>イエスタデイをうたって
ハルちゃん、大逆転でしたね。声優の演技もハマっていて、地味に面白いアニメでした。