BI嫌悪症は思考力を退化させる

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コロナ自粛厨の皆さんの期待を裏切り、緊急事態宣言解除後も大規模な第二波は発生していませんね。

まぁ、目に見えぬウイルス相手のことですから油断は禁物ですが、マスク・手洗い・うがいの励行と三蜜防止を念頭に各自ができる範囲の対策を取るよりほかありません。

頭のおかしな自粛厨は“完全自粛こそ絶対正義”と叫びますが、目まぐるしく変化する社会活動や経済活動を完全停止させるのは夢想家の暴論であり、現実には不可能です。

どうしても休業を要請せざるを得ない業種や従業員に対する完全補償を条件に、部分的なウイルス拡散防止策を取るしかないでしょう。

さて、一連のコロナ対策として、珍しく、緊縮財政派やリフレ派サイドから、家計や企業を問わず、コロナ禍で負った経済的損失に対する給付金を求める声が強く上がりました。

政治家や経済論者だけでなく、一般国民からも同様の意見が沸き起こり、「いまは財政再建とか言ってる場合じゃない」、「選別など無用。国民全員にカネを配れ」といった意見が、ネットニュースのコメント欄に溢れていましたね。

先日、10万円の特別定額給付金支給が全体の2割しか完了していないというニュースが流れた折りにも、コメント欄の内容は、“支給が遅すぎる”、“そもそも支給額が足りない”、“政府は早く給付金の第二弾・第三段を打て”というものばかりで、アベノマスクみたいに“そんな無駄なものは不要。浮いた予算を他に廻せ”といった批判は皆無でした。

全般的に、持続化給付金(企業向け最大200万円)や特別定額給付金(国民全員に10万円)に対して国民は好意的であり、“支給額が足りなさ過ぎ”、“支給が遅い”、”給付金のお代わりはまだ?“、“電通子会社の中抜き受託はケシカラン”という批判こそあれ、給付金そのものに文句をつけるアホはさほど見かけません。

残念ながら、積極財政派を装う一部の給付金嫌悪症論者の中には、個人への給付金は嫌悪するのに、なぜか企業や事業主向けの持続化給付金にはもろ手を挙げて賛成するという矛盾した態度を取る輩もいますが、私の知る限り、いまだに個人への給付金を否定するアホは、藤巻健史や小幡績あたりの周回遅れの増税緊縮論者くらいですかね。

給付金嫌悪症論者の御仁は、「うずらのBI礼賛論なんて聞くに堪えない。あんな奴の記事なんてまったく見ていないし、見るに気にもならん( -`д-´)キリッ」と言っておられましたが、私がBI嫌悪症の批判記事をアップすると、その直後に慌てたようにカウンターエントリーが立て続けにアップされるという不思議な現象が起きています。

「あれっ? 確かうずらの記事など見たくもないし、読む価値もない!」と言ってたはずなのに、そのレスポンスの素早さに驚嘆させられます。

自説を批判される嫌悪感は視界や空間を飛び越え、かの御仁の神経を刺激(逆撫で)するのでしょうか。まさに、以心伝心ですね!

件の給付金嫌悪症によるBI批判は、毎度おなじみのコピペ記事の繰り返しで、何の進歩もありませんが、せっかくの機会ですから復習の意味でその矛盾点を指摘しておきましょう。

『BIは竹中平蔵ら新自由主義者が提唱するトンデモ論だ』

世に出回るBI論の真贋を見抜く努力を放棄して、“新自由主義者が勧めるBIなんて碌でもない”と十把ひとからげで非難するのは、勉強の足りない幼稚なナマケモノです。

積極財政派が提唱する本物のBI(既存の社会保障制度の改良を図りつつ、国民の購買力向上や生活安全のためにBIを追加給付する発想)と、新自由主義者おススメの偽物BI(既存の社会保障制度を撤廃し少額のBIに置き換え)があるのは自明のことですから、偽物を批判し、本物を磨き上げる努力をすればよいだけのこと。

それすらできないのは、BIに私怨を抱き感情を暴発させるだけのエセ論者でしかありません。

ちなみに、竹中は企業への給付金である持続化給付金に大賛成(パソナも外注費を中抜きしているんですから当然ですが…)だそうですが、それについてどう思われるのか、給付金嫌悪症の御仁のコメントをぜひお聞きしたいですね。

「個人への給付は麻薬だ。企業への休業補償(という名の給付金)は絶対やるべし!」と絶叫しておられたようですが、当の休業補償(持続化給付金)が、電通やパソナといった新自由主義者のお仲間企業に寄生され、しゃぶりつくされていた件に関するご感想も聞いておかねばなりません。

そもそも、「竹中平蔵の賛成する事は全て間違っている!」なんてのは、あまりにも大雑把すぎます。

昨今は、「教科書を読めよ!」でおなじみのリフレ派の田中秀臣氏や高橋洋一氏だけでなく、これまで緊縮思想的発言に終始していた舛添要一氏や東国原氏辺りまで、コロナ対策としての積極財政策を(一時的とはいえ)支持する世の中です。

竹中平蔵が賛成する政策はすべて悪というのが真なら、緊縮主義者やリフレ派といった如何わしい連中が支持する積極財政論もすべて悪と言わざるを得なくなりますよ。

『ベーシックインカムは企業に対するお小遣いだ』

BIの支給分だけ企業は必ず給料を減らすから無意味という意見は、そんなもの法律で禁じればよいの一言で終了ですし、電通子会社の中抜きが大問題になるご時世に、BI分を給料から差っ引くような悪徳企業は世論やマスコミから滅多打ちの袋叩きに遭い、法の裁きを受ける前にボロ雑巾みたいにズタボロにされるでしょう。

我が国には、児童手当という支給対象を限定した広義のBIがありますが、私の知る限り、どんなケチな経営者でも、「うちの主任は子供二人分の児童手当をもらっているから、その分給料を減らしとくか」なんて鬼畜まがいの行為に及ぶアホを見たことがありませんよ。

BIは国から家計への所得移転であり、逆に消費税は家計から国への所得移転ですから、「BI=企業へのお小遣い」という命題が真なら、BIで給料を減らすような企業は、消費増税の折りには社員の懐具合を気遣って給料を増やすってことですよね?

『BI支持者は、国民一人当たり月100万円の支給を主張せよ!』

手詰まりになると極論を吐いて誤魔化そうとするのは無能の証しです。

かつて竹中平蔵は、積極財政論の第一人者と論争した際に、「国の借金をいくらでも増やせるなら、国債を5000兆円発行して太平洋を埋め尽くせ」といった趣旨のアホな反論をしたことがあります。

いまやすっかり議論のボールを遠くに投げることを忘れた給付金嫌悪症の御仁も、竹中氏の屁理屈に対して、「そんなくだらない極論を持ち出す時点でお前は議論に負けてるよ」と嘯いたのではないでしょうか?

そもそも、BI支持者で生活に必要な資金全額を国が支給しろと要求する者を見たことはありません。

月100万円貰えるなら結構なことですが、あまりにも低過ぎる現行の所得水準を見直して生活力向上を図るとともに、極度のインフレを避け、節度ある労働意欲を保つためには、月数万円(3-4万円というのが私案ですが…)という水準が妥当な線でしょう。

そういった議論をすっ飛ばし、「ゼロなのか、100万円なのか、どちかにしろ!」と捲し立てるバカの痴態を見るにつけ、かつてエッジの効いた積極財政論を語っていた御仁がここまで堕ちたのかと嘆息せざるを得ません。

国民の支持も高く、コロナ後の莫大な内需創出を埋めるのに極めて速効性の高いBIを、下賤な感情論で非難するような輩には積極財政論を語る資格など一mmもありませんね。

本稿を公開した途端、私の書いた給付金嫌悪症批判記事を読まないはずの御仁が、カウンター記事を秒でアップするのは目に見えていますが、できれば過去記事のコピペ再掲載ではなく、書き下ろしの新鮮な反論記事を期待しております。

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