アルゼンチン国債を巡る投資家との攻防デフォルトこそが最善策になる

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アルゼンチン

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年5月14日(令和2年5月14日)

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債務再編問題で海外の投資家と揉める

事実上のデフォルト(債務不履行)に陥っている南米アルゼンチンの債務再編を巡り、米欧の機関投資家は20日、政府案を拒否した。
5月下旬の期限に向けて条件を再交渉する。
新型コロナウイルスの影響による経済縮小がアルゼンチンを襲うなか、債権者団とのせめぎ合いが続きそうだ。

(中略)
01年のデフォルトではヘッジファンドからの訴訟で泥沼状態に陥ったアルゼンチンだが、今回再編対象となっている国債には「集団行動条項(CAC)」が付与されている。
交渉で債権者の一定の賛成を得られれば、全体の合意として、強制的に債務再編を進めることができる。
少数のヘッジファンドなどが訴訟を起こして再建を妨害するのを防ぐ仕組みで、債務再編の難易度そのものは当時に比べ低いとされる。

引用元:アルゼンチン債務再編、再交渉へ 米欧投資家が政府案を拒否

かなり複雑さを増しているアルゼンチンの国債が債務不履行(デフォルト)している件なのでございますが、新たな動きを押さえつつ、できるだけ簡潔に事情をご紹介したいと思います。

アルゼンチンの国債は事実上デフォルト状態であるらしく、債務再編問題で揺れております。

あえてストレートに表現するならば、アルゼンチン政府が「借金を返済できないから、借金削減及び返済期限延長に同意してほしい」と債権者である欧米の投資家に依頼しているということになります。

それをオブラートの包んだ言い方で債務再編と表現しているだけのことなのです。
※これは余談ですけど、覚えて損は無いでしょう。

今回、債務再編の対象となっている国債には「集団行動条項(CAC)」が付与されています。

「集団行動条項(CAC)」とは債務再編交渉において、債権者の一定の賛成を得られれば、強制的に債務返済ができるという取り決めのようです。

小数のヘッジファンドなどがアメリカの裁判所などで訴訟を起こして債務再編を妨害することを防ぐ仕組みとして導入されたようです。

外国政府側の一方的な債務再編ということになると、ヘッジファンドも債券投資で損失を計上することになり、そのヘッジファンドが消滅するという可能性がございますので、債務再編に対する妨害も必死だったのではないかと推察します。

アルゼンチン政府が提示した債務再編の中身

アルゼンチン政府は元本の5.4%と利払いの62%を削減したうえで、3年間の支払い猶予などの条件を盛り込んだ新たな国債を発行し、既存の国債保有者に交換を求める債務再編案を公表している。
米欧の機関投資家などで構成する3つの債権者グループは20日にこの提案を拒否していたが、グスマン氏は「これ以上の提案はできない」と述べ、再交渉を拒否する姿勢を示している。

引用元:アルゼンチン、国債利払いを停止 債権者の譲歩狙う

アルゼンチン政府(国債の発行元)のグスマン経済相は元本の5.4%と利払いの62%を削減を債務再編として提示しています。

さらに支払いを猶予するための条件を盛り込んだ新規国債を発行して、それと交換を求めています。

国債償還ではなく、借り換え要求とは素晴らしい。

債券投資家としては死活問題になるかもしれません。
現金化できず、元本が保証されず、利払いも大幅減少です。

進撃の庶民の読者の皆様におかれましては、アルゼンチン国債の購入はお控えいただくのが賢明かと存じます。
※購入する場合はあくまで自己責任でお願い致します。

国債の国内消化と海外消化の違いが浮き彫りに

アルゼンチン政府は総額662億3800万ドル(約7兆600億円)のドル建て債務について、利払いの62%削減や3年間の支払い猶予といった条件をのむよう求めていた。
8日午後6時(日本時間9日午前6時)を締め切り期限としていたが、合意できたのは地元の債権者だけで、多数派である米欧の債権者団の支持を取り付けることはできなかったという。

引用元:アルゼンチン、債務交渉で合意できず 歩み寄り探る

アルゼンチン政府は債務再編を海外の投資家に求めていましたが、合意できませんでした。
日本時間2020年5月9日午前6時が合意期限だったそうです。

地元の債権者とは債務再編について合意できたようです。
国債の国内消化と海外消化の違いが浮き彫りになった事案となりました。

アルゼンチン国内の金融機関や投資家などはアルゼンチン政府とある意味では運命共同体という側面がございますので、債務再編で合意しやすいと言えます。

自国政府の信用が無くなり、政治的な混乱や経済的な混乱が発生して、不利益を被るのは国内の金融機関であり、国内の投資家でございます。

その一方で完全な部外者である海外の債券投資家は自分の懐事情以外興味無いので合意が困難です。

国債の債務不履行(デフォルト)の可能性について、国内消化なのか海外消化なのかはさほど重要ではありませんが、事実上の債務不履行状態に陥った後の債務再編という段階においては決定的な違いがあるようです。

アルゼンチン政府は強気の姿勢を崩さず

アルゼンチンのグスマン経済相は4日までに英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューに応じ、米欧の機関投資家との間で続いている債務再編交渉について、デフォルト(債務不履行)も選択肢から排除しない方針を明らかにした。
グスマン氏は「『幻想とバラ色のシナリオ』に基づいた取引は受け入れない」と述べ、債権者団が求める小規模な債務減免は拒否する姿勢を崩していない。

引用元:アルゼンチン財務相、デフォルト排除しないと示唆

アルゼンチンのグスマン経済相はアルゼンチン国債の債務不履行(デフォルト)も止むを得ないという方針であり、それが嫌なら政府提案の債務再編に合意せよと強気の姿勢を崩してはおりません。

アルゼンチンが今更デフォルトしても、投資家が損するだけであり、アルゼンチン国内にさほどの悪影響は無いので、この態度は正解です。

国内の金融市場から海外勢を追い出すこともできるかもしれないので、アルゼンチン政府としてはメリットが大きいと思います。

率直に申し上げて、グスマン経済相って何者なのでしょうか。
ここまでの胆力はどこから来るのでしょうか。

グスマン経済相はスティグリッツの弟子

ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授の門弟、マルティン・グスマン氏がアルゼンチンの次期経済相に就任する。
同国のリセッション(景気後退)からの脱却と債務の再交渉に取り組む。

引用元:アルゼンチン次期大統領、経済相にIMF批判派のグスマン氏起用

グスマン経済相はかの有名なスティグリッツ教授の弟子なのだそうです。
グローバル投資家に負けるような軟弱な人間ではございますまい。

今回の債務不履行を絶好の機会と捉え、自国通貨建てのアルゼンチン国債を発行して、国内消化してほしいと切に願います。
海外の債権市場に頼らない金融システムを構築してほしいです。

”この記事は反逆する武士の5月9日分の記事の転載です”

以上です。

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