レイテ沖海戦に空母もなしに巨艦大砲艦隊として向かう武蔵は、白装束のごとく白いペンキで塗られた形出航したという。ただただやられて死ぬばかりの作戦にどれだけの意味があったのかわからないが、それでも、フネは沈めても人は救いたいという艦長の計らいはあったらしい。大本営のごとく保身のために事実を伝えず危険な状態にさらし続ける態度は国民を思ってのことでは決してないだろう。(決断-レイテ沖海戦)
国民の側からすれば、何のためにこんな言い方をするのかが不思議でたまらない答弁である。
なんかものすごいマイナスの経済指標が出ていて、金融経済や株価はどうか知らないが、実体経済が縮小の状況がこれまでにない形で出てきている。
続 衝撃!アベ・ショック! まずは、数字の確認。 ・経済成長率(実質GDP成長率) 年率換算▲6.3%(対前期比▲1.6%) 以下同
・民間最終消費支出 ▲11%(▲2.9%)
・民間住宅 ▲10.4%(▲2.7%)
・民間企業設備 ▲14.1%(▲3.7%)
・政府最終消費支出 +0.9%(+0.2%)
・公的固定資本形成 +4.6%(+1.1%)
・純輸出 対前期比+0.5% 内需の内、民需が総崩れ。官需は下支え。そして外需(純輸出)は、プラスにはなっていますが、実はこれは「輸出が減ったものの、輸入がそれ以上に激減した」という不況型プラスです。 ・財・サービスの輸出 ▲0.4%(▲0.1%)
・財・サービスの輸入 ▲10.1%(▲2.6%) 年率換算で個人消費、住宅投資、設備投資、そして輸入が一割以上も減るという「驚異的なショック」が日本経済を襲ったのです。
国内の経済活動が前年比1割も落ち込んでいる可能性を示している数字である。これまでの国内経済冷遇策と消費税10%までの増税の効果がここに及んでどうしようもない状況として表れた形だろう。
冒頭で述べた話は、このブログに挙げられてきた、首相答弁の記事からである。
日本経済、政策効果などで基調として緩やかな回復続く=安倍首相
安倍晋三首相は17日の衆院予算委員会集中審議で、日本経済の現状と展望に関し、「経済対策の効果もあり基調として緩やかな回復が続く」との見解を示した。馬淵澄夫委員(立国社)への答弁。
馬淵委員は同日公表された2019年10-12月期の国内総生産(GDP)1次速報が5期ぶりのマイナスに転じたのを踏まえ、政府の景気認識や経済見通しが過度に楽観的でないかとただした。
「基調として緩やかな回復が続く」
この言葉は、政府の公式な言い方で、官僚が作って首相が読み上げている答弁である。
どんなに悪い指標であっても、一時的なものに過ぎず、台風や暖冬やらいつもとちょっと違った風に見えなくもない自然現象のために、たまたまおかしくなった数値であり、決して、2回行った消費税減税と法人税減税による、実体経済より金融経済だったり、資本を外国に移すような企業活動だったりすることから、国内の経済環境が悪くなったことはない。あくまでも、潜在的な経済回復はこれまでと同じような基調で続いていく・・・という願望を述べているだけである。実際に経済がついてこない状況は、どうしようもなく漏れ出てきただけであって、少なくとも消費を痛めつける政策をする状況ではない、ということぐらいは直視しないと、まともな経済政策を出してきて実施するところまで行かないだろう。
官僚がどうのというよりは、政治家が現実を見て決めていく局面なのである。おかしなことを官僚がしているのであれば、当たり前のことであるが官僚の方を言うことを利かせなければならないのである。それが議会制の民主制というものだろう。与党が金儲けの権化となった企業の集まりである経団連のことを聞いていたとしても、実際のところ、経団連所属の企業としても世界経済の低迷を受けてどうしようもなくなっている状況で、土台となる日本経済をぶっ壊すことには、何の意義もない。金儲けの草刈り場とだけ思っているとすれば、そんな企業やそんな経営に日本の将来にとっては害悪でしかなく、どこかの外資に経営陣だけ吸収してもらい、経営陣を一新してもらいたい。当然、その結果似たようなことをするのであれば意味はないが。自由のためには、それを支える土台もきっちりメンテナンスしていく必要があることを忘れてはならない。