我が国の政府・国会・官僚の連中って、本当にバカ揃いで困ったものです。
新型コロナ危機への経済対策はまさに右往左往、二転三転し、その挙句、国民の期待を大幅に下回る内容に着地しそうです。
年収7万5000ドル(約825万円)以下の国民全員に大人1200ドル/人、子供500ドル/人の直接給付を即断したアメリカ政府の賢明さが心底羨ましいですね。
『政府・与党、10万円超の現金給付で調整』
「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策について、政府・与党は、自己申告に基づいて生活に困っている世帯などに1世帯あたり10万円を超える現金を支給する方向で調整を進めています。(略)
焦点の現金給付については、自己申告に基づき生活に困っている世帯などに1世帯あたり10万円を超える額を支給する方向だということです。また、感染拡大が終息した後の中長期的な景気対策としては、「商品券」の支給を軸に詰めの調整を行っています。(略)
こうした中、自民党の岸田政調会長は29日、経済対策の規模感について日本のGDPのおよそ1割にあたる56兆円を上回る額という認識を示しました」
“20万円だ、10万円だ、5万円だ、リーマン超えだ”と1か月余りも時間をかけてさんざん大騒ぎした結果がこれです。
「自己申告」…
「生活に困っている世帯」…
「1世帯当たり10万円」…
「商品券」…
いやはや、財務省をはじめとする増税緊縮派の“国民には絶対カネを渡したくない”という怨念や執念を感じる条件やキーワードばかりが羅列されたクソ対策に強い憤りを覚えます。
自己申告とはいいながら、いざ申請受付の段になると、減収を明示する疎明資料を見せろだの、生活苦を証明する公的認定を貰ってこいだのと要求されるに決まっています。
こんなものは、ガチの失業者以外に現金給付する気はないと言ってるのと同じで、ついでに配る商品券とやらも、どうせ世帯当たり1~2万円程度のお年玉以下の金額で終わるでしょう。
岸田政調会長は、56兆円規模の経済対策をやると息巻いていますが、真水の金額はせいぜい10~12兆円程度で、残りは何の役にも立たない融資枠や信用保証枠の拡充、民間事業者の投資で水膨れさせるしかないでしょう。
“聖域なきバラマキによる経済成長と国民生活の向上”が持論の私としては、緊急経済対策及び需要力創出対策として、「休業補償+消費税廃止+社保料免除+継続型給付金支給」の断行を要求したいところですが、政府の及び腰を見ると、そんなレベルには到底届きそうにありません。
ただ、ここ最近、新型コロナに関するネットニュースのコメント欄を見るたびに、驚いていることがあります。
それは、いつもは“国の借金が~”、“財政赤字は次世代へのツケ回し”、“政府は支出を減らせ”しか言わない連中が、今回ばかりは“いますぐ国民一律の現金給付をしろ”という意見一色に染まっていることです。
いくつかピックアップしてみましょう。。
「一律10万円支給が一番確実で一番早く一番国民が助かるんだよ」
「利権絡みの役に立たない〇〇券等は国民は望んでいない。休業、失業で明日の生活に不安を抱いている人も多く、今は現金が何よりも望まれているだろう」
「なんだかんだ言ったって現金! 預金に回すからダメとか商品券がいいと言うのは追加対策の案として。早急に現金支給を望んでいる人が多いと思うし助かるし現金もらって嬉しくない人っていないはず」
「商品券にするくらいなら、現金支給の方がいいよ」
「最初は全国民に10万円給付と言って、国民は喜びました。国を誉めました。次に商品券や魚券や和牛券までは、なんとか商品券はまだ許せるが、魚券和牛券ふざけるな!それで、とどめは所得減少世帯だけ対象にするだと、ふざけるな!国民は怒っています」
「国民全員に10万円以上支給!それ一択!」etc
あれっ?
たしか、
「ベーシックインカム(給付金)が日本人を皆殺しにする」とか、
「給付金が社会を破壊する」とか、
給付金リスク論を必死に吹聴する輩もいたような…
感度の鈍い給付金嫌悪症患者には、コメント欄に溢れかえる国民の本音を目の当たりにしていったいどう思うのか、ぜひ正直な感想をお聴きしたいですね。
私個人は、
「消費税廃止か、給付金(BI)かというくだらぬ政策選択論には与さず、両方とも実施すべき」
「給付金には所得制限を設けるべき(世帯収入1,500万円~2,000万円辺りに制限ラインを設定)」
「現金か、商品券かで揉めるくらいなら、最初に現金給付し、次月に商品券を同額配布すればよい」
「給付するならワンショットだけではダメ。継続給付の実施に踏み切るべき」
という立場ですが、ネットのコメント欄に沸き起こる“現金給付を!”という声を聴くにつけ、新型コロナがもたらす経済浸食に対する国民の恐怖心を犇々と感じます。
多くの国民は、雇用喪失や所得激減、収入途絶というリスクが眼前に迫っていることに怯え、もはや、財政再建だの、PB黒字化だの、無駄遣いだの、バラマキだのと言っておられぬほどテンパり、“いますぐカネをバラまけ、俺にカネをよこせ”と叫ぶしかありません。
それほど、皆、不況に追い詰められているのでしょう。
こういった現実を顧みず、
「給付金の盛り上がりは、消費税廃止の声を警戒する緊縮派の仕掛けた罠だ」
という妄想を盾に、
「必要な人には少な過ぎ、不要な人には多過ぎるのが給付金の問題点だ」
とミスリードするバカもいます。
まさに、経済対策費を出し惜しむ財務省の片棒を担ぐ“走狗”、経済苦境に直面する国民の気持ちを逆撫でする愚論中の愚論ですよ。
給付金と消費税廃止とを二律背反の関係に押し込め、消費税廃止か、給付金かという選択論に拘る態度は、都合の悪い財出論を各個撃破しようとする財務省や増税緊縮派の政治家どもをサポートし利するだけです。
ちっぽけな生理的嫌悪感から給付金だけを排除したがる連中が、財政派の仕掛けた罠に嵌ったことにすら気付けないのは、本当に情けないですね。
「K1の関係者に給付金を20万円配っても焼け石に水」
「高齢者や公務員みたいにパンデミックによる被害ゼロの連中にカネを配っても無意味」
という妄言こそ無意味です。
政府の自粛要請で経済的被害を蒙った事業者に配るべきは給付金ではなく休業補償ですから、K1関係者に給付金を配るなんて例を挙げること自体、話のすり替えや悪質なミスリードの類いでしかありません。
また、高齢者の平均収入は300万円程度で、生活が大変苦しいor苦しいとの回答が55%を超えており、“高齢者=楽隠居”といったイメージで騙るのは、現実を知らぬ素人です。
【参照先】
ついでに、国家公務員の平均年収は686万円だそうですが、こんなもの、子供が2人もいればかなりキツキツな生活で、贅沢なんてできるレベルじゃありませんよ。
自分に都合の良いイメージだけでモノを騙るのは、経済論者として失格です。
国民は自分たちの生活を護るためにも、新型コロナ対策を出し渋る政府や国会、財務省の連中を厳しく叱責し、もっと多額で実効性のある経済対策を出せと要求せねばなりません。
なのに、幼稚な政策選択論に固執して給付金を攻撃し、給付を渋る政府の肩を持つなんて、もってのほか。
給付金が“必要な人には少な過ぎ、不要な人には多過ぎる”というのなら、必要な人に配るカネ量を「少な過ぎないレベル」までぐっと引き上げ、不要な人には配らなければ済むだけの話です。
そんな簡単な理屈すら理解できぬバカ者は、積極財政論普及の足を引っ張るだけですから、おとなしく部屋でソシャゲでもやってろと言いたいですね。
妄想や私怨に立脚した愚論の馬脚ほど、知らぬは御本尊だけですぐに露わになるものです。
お邪魔いたしますです。
貰うことばかりに着目されて、使うことの経済効果が語られてないと思うです。
経済復旧の後押しになりますから、一石二鳥なのだと考えています。その片側だけ注目されてるのではないでしょうか。
弱者に譲るとか多いって言ってる人達は、貰ってしまったら無駄遣いをしてでも経済を回すとは考えないみたいですね。
あまりにも経済効果に着目されないのは、おいらの考え方がおかしいのか、当たり前すぎて言及されないのかのどちらかなのでしょう。
考え方がおかしいって方じゃ無いことを願いつつコメントを残すです。
使うことの経済効果が発揮されるためには、一度限りの給付では不十分で、継続型の給付金を実行し、国民の所得不足に対する不満と不安を取り除かねばなりません。
今回の政府・自民党の経済対策は、ワンショットの給付金にすら遠く及ばない愚策でしたから、使うこと以前に貰うことすらできないというオチで、日本は更なる不況に見舞われるでしょう。
因みに、使うことの経済効果というと、「給付金か、公共事業か」、「給付金か、消費税廃止か」という選択論に持って行きたがるバカもいますが、懐さえ温まれば、黙っていても国民はカネを使うものです。