これ以上国民に不要な痛みを強いることは許されない

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台風15号による暴風被害、台風19号による東日本の広範囲にわたる水害さらには、その後の低気圧による集中豪雨と甚大な災害が相次ぎ多くの国民が苦しんでいる最中、愛媛新聞に許しがたい内容の投稿(写真)が掲載された。
 

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「公共事業が財政赤字を増やした」は明らかなデマ

無駄な公共事業が巨額の財政赤字の原因だと投稿者は述べているが、これは明らかなデマだ。下のグラフを見ればわかるように、公共事業に充てる建設国債の発行残高は平成の間ほぼ横ばいで、大きく増えているのは社会保障費等の財源不足を補う赤字国債だ。

必要な公共投資さえ行われていないのが現実

このように公共事業費が増えていないため、下のグラフのように我が国の無電柱化率は、東京都でさえわずか5%弱、他の道府県は多くが2%を下回っている。

また、厚生労働省の調査によると愛媛県で病院や福祉施設、避難所などの重要施設に水を供給している水道施設の半数で自家発電設備の設置などの停電対策が未実施となっているそうだ。河川の堤防整備率も首都圏の主要河川の多摩川でさえ、78.6%で未整備区間は28キロもある。全国に109ある一級河川の平均整備率は67.7%とさらに低い。こうした事実と台風15、19号の甚大な被害を踏まえれば、無駄な公共事業というのは間違いで、それどころか必要な公共事業さえ疎かになっていたのは明らかである。ろくなファクトチェクもせずこのような投稿を掲載する愛媛新聞に報道機関を名のる資格は無い。

 

「痛みを甘受」ってどういうこと?

財政健全化のために「国民も痛みを甘受する必要がある」と、主張しているのだ。その「痛み」とは何のことなのか具体的には書かれてないので、推測してみた。おそらく次のようなことだろう。
 

被災者に痛みを強いることは許されない

浸水リスクのある土地に住むのは自己責任であり政府は堤防整備などの無駄な支出はしない。被害に遭っても公費による再建支援は抑制し、被災者には自力再建をさせ、被災者が再建のための支出をする際にも容赦なく10%の消費税を課す。
  こんな考えでは災害大国で国民が安全に暮らすことはできない。

 

食料安全保障を放棄するのか?

台風15、19号は農業にも甚大な被害を与えた。また、長野や群馬、岐阜などの豚コレラ被害も深刻だ。さらに、愛媛県では8月下旬から続いた赤潮で養殖魚が大量死したり、原因不明の真珠貝の大量死で深刻な漁業被害が出ている。こういう被害を受けても農家や漁業者は痛みに耐えて、国に頼らず自力で何とかしろというのだろうか。それでは、いずれ庶民が安心安全な食べ物を安価に手に入れることは困難になるだろう。
 

財政再建のためなら能登の漁師から漁場を奪ってもいいのか?

石川県能登半島沖の日本海では北朝鮮漁船による違法操業が多発し、巡視船に銃を向けたり水産庁の船に挑発行為のすえ衝突し沈没するなど行動はエスカレートしているが、海上保安庁などの予算を増やすなどの無駄な支出はせず、能登の漁師の方々には漁業権を脅かされる「痛み」を甘受しろというのだろうか。そのような自国の主権を守ることを放棄した国は必ず亡びる。

 

財政再建のためなら「命の格差」も容認?

9月に厚生労働省が再編や統合が必要な公立・公的病院のリストを公表し、地方側は強く反発しているが、田舎に住む国民は財政再建のために命の格差という「痛み」まで甘受しなければならないのだろうか。そんなことは人道上絶対に許されない。

介護予算削減は財政再建にも逆効果

財務省は高齢者が介護サービスを利用する際の自己負担増を強く求めているが、これも「痛みを甘受する」ということなのだろうか。「痛みを甘受」して高齢者がサービス利用を控え結果、要介護度が上がれば社会保障費は増えるので逆効果だと思うが。

財政再建のためなら教育格差も容認?

大学入学共通テストの英語民間検定試験について萩生田光一文科大臣が「身の丈発言」をし大問題となっているが、「低所得家庭の子どもは財政再建のために公費支援に頼るな、進学を諦めろ」というのが「痛みを甘受する」ということなのだろうか。教育にカネを出さぬ国に未来は無い。

財政再建のためなら子どもを見殺しにするのか?

痛ましい児童虐待事件が後を絶たないが、財政再建の支障となる児童相談所などの関係機関の人員増は行わず、苦しむ子どもに「痛みを甘受しろ」と言うのだろうか。大人が子どもを守る責任を放棄することなど絶対に許されない。
 

そもそも国民が痛みに耐える必要は全く無い

財政再建が国民にとって本当に必要だというなら多少は「痛み」に耐えることも必要かもしれないが、今、財政再建をする必要性は全く無い。100%自国通貨建てで国債を発行している我が国には財政破綻のリスクは全く無いからだ。
このような投稿をすることは、災害に弱い国土、脆弱な食料安全保障、命の格差など本当の意味での将来世代へのツケ回しに加担することになる。この投稿者の方にはこのような考えを改めなければ晩節を汚すことになるということをご忠告申し上げておきたい。

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黄昏のタロ

お邪魔いたしますです。

>財政再建のためなら子どもを見殺しにするのか?

 激しく共感するです。生活保護とかの福祉は自ら求めるです。児童相談所は与える福祉なのだと考えてるです。自ら求めるのは少数なのではないでしょうか。手間がかかって当たり前です。

 新聞の投稿者が長生きすれば、こういった子どもに年金で支えてもらう可能性も出て来るはずです。
 問い詰めたら「福祉まで削れとは言ってない」って言いそうですね。

当ブログは2019年5月に移転しました。旧進撃の庶民